
【フリー台本】漢気の運命(1:1)
二人芝居用台本です。
舞台を想定して書いたものではありますが、朗読劇として活用できるようにしています。
SEなど好きにつけてください。
時間:5〜10分程度
人数:2人
男 1人
女 1人
ジャンル:現代、コメディ、ナチュラル、会話劇
もし上演していただける場合は、Twitterにてご連絡いただけますと嬉しいです。
蛇園かのん(@sngk_n)
また、クレジット表記は必須とさせていただきます。
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女 姉。サバサバしている陽キャ。弟の部屋の隣が自室。
男 弟。陽キャな姉に反してインドア派。姉の部屋の隣が自室。
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暗転
男「がーーーーーーっ!!!」
明転
舞台中央、男がスマホを見つめて頭を抱えている
女が入ってくる
女「ちょっと、なに?さっきからうるさいんだけど」
男「…」
女「ねぇ」
男「…」
女「ねぇってば」
男「…」
女「おい聞いてんのか!」
男「うおっ!おいやめろよいきなり人のこと叩くの」
女「話聞いてない方が悪くない?」
男「俺は今、ひっじょーーーに重要な問題を抱えているの!姉ちゃんにかまってる暇がないの!」
女「だったら一人で静かに悩んでくれない?さっきから、あーーーだの、うーーーだの、隣の部屋から聞こえてきて超キモイ」
男「キモイって言うな!」
女「で?何について悩んでんの?」
男「それは…別に」
女「別に。ってなによ」
男「関係ないだろ」
女「隣の部屋で騒音出されてたら関係あるでしょ」
男「いやこれは俺の問題であって」
女「なに、好きな人でもできた?」
男「ま、まぁ、遠からず、近からず…」
女「まじ?かわいそう」
男「かわいそうやめろ」
女「で、その人に連絡するかどうかで悩んでるわけだ」
男「いや違う」
女「え、じゃあ返信?」
男「違う」
女「え、じゃあ連絡先を友達経由で手に入れようとしてるとか?…キモ」
男「違う!あとそれの何が悪い!」
女「いや自分の力で手に入れなさいよそういうのは!」
男「ウッ…そうだよな、自分の力で…だよな」
女「そうそう、自分で話しかけに行って、仲良く喋って連絡先ゲットよ」
男「まぁ…無理なんですけど」
女「意気地がないから?」
男「あるわ。漢気溢れんばかりだわ」
女「じゃあなんでよ」
男「金を…積まなきゃ会えないから…」
女「お前…あれっほどキャバにはハマるなと…!」
男「キャバ嬢じゃない!」
女「じゃあアイドル?アイドルと連絡先交換は一生無理だよ?」
男「アイドルでも…いや、アイドルっちゃアイドルか?」
女「え、俺のアイドルなんとかちゃん的な?」
男「いや…、いや?そうとも言うか」
女「きしょーい」
男「きしょいって言うな!俺は本気だ!」
女「えぇ…恋は盲目的すぎっしょ」
男「引くなって」
女「とりあえずガチアイドルとかでなければサッと話しかけに行ってサッと交換すればいいじゃん」
男「だから、無理なんだって」
女「お金積まなきゃいけないから?」
男「そう」
女「でもアイドルじゃないんでしょ?」
男「アイドルではある」
女「は?もうめんどくさい。スマホ見せなさいよ」
男「い、いやだよ!」
女「なににそんな悩んでるのか知らないけど。漢気溢れてるならさっさとしなさいよ」
男「う…そうだよな…。自分の手で、手に入れないとダメなんだよな…」
女「そうそう、当たって砕けろよ。骨くらいは拾ってあげるから」
男「姉ちゃん…いいやつだな」
女「私はいつでもいい女でしょ」
男「よし…いくぞ…やるぞ…!来月の生活費投入!」
女「え、そんなやってんの?」
SE:きらきらした音
男「…お、おぉ…おぉ…!」
女「なになになになに」
男「おぉぉぉぉぉぉぉっ!」
女「え、怖い怖い怖い」
男「で、で、でたぁぁぁぁぁ!」
女「出た?」
男「推しの!SSR!ピックアップなんて嘘だって思ってたのに!」
女「は?」
男「ありがとう!本当にありがとう!姉ちゃんのおかげで自分の手で手に入れられた!」
女「ちょっと待って!連絡先じゃなかったの?」
男「違うって言った」
女「アイドルっちゃアイドル?」
男「アイドルキャラなんだよ」
女「お金を積まなきゃ会えない?」
男「今月ピックアップの新衣装」
女「自分の手で手に入れるって…」
男「諦めるかガチャ回すか迷ってたんだけど…姉ちゃんのおかげで目が覚めたよ…。出るまで回せって、な」
女「き、き、き、きしょーーーい!」
男「きしょくてもいい!なぜなら俺は大勝利したから!がっはっはっは!」
女「お姉ちゃん、アンタの将来が心配だよ…」
男「がーっはっはっはっはっは!」
暗転
***
短編中の短編です。
推しが全然引けないので書きました。
私に漢気はなかったようです。
悔しい。
追伸
これで最後!!!って引いたら推しが出ました!
やったー!!