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はじめてのピアス

28歳。女。はじめてのピアスを開けた。

両方の耳たぶに一つずつ。
ずっと気にはなっていて、開けてみたいなーっと漠然と考えていた。
でも、大学、就職、退職、再就職…
就職先は医療職ですっかりタイミングを失ってしまっていた。

今回、退職をきっかけにピアスを開けた。
開けることに対するわくわくでいっぱいだった。

皮膚科につくと、ちょっとどきどき。
どのくらい痛いのかな、なんて考える。

ファーストピアスは、チタン製に一粒のビジューのついたシンプルなデザインを選んだ。
待合室で座っていると、看護師がペンと鏡と保冷剤を2つ持って来た。
自分でマークするのか。
同じくらいの位置になっているのか確認しながらマークする。
これくらいの位置でいいか…
保冷剤を両手に持って、両方の耳たぶに当てる。
保冷剤を持っている手が冷たい。
耳たぶがじんっと冷たさで痛くなってくる。
徐々に冷たさと痛さがわからなくなる。

診察室に呼ばれると、じゃあ開けますねー、と。
グルーガンのようなものにさっき選んだファーストピアスがセットされた。
耳たぶをアルコール消毒され、器具が耳にあたった。
バチンッ
じーんと熱くなり、少し鈍い傷みを感じる。
じゃあ、反対で。と言われ反対を向くと、
バチンッ…じーん
友だちにあけてもらったなら、ちょっと待ってとか、
怖いかも、とか話したかもしれない。
でも、ここは皮膚科。
何事もなかったかのように開けてもらい、退室する。

自然と顔がほころぶ。
ほんとにピアス開けちゃった。
小さい頃から真面目でいい子だった私。
ピアスも開けたことなかったし、髪の毛も染めたことがない。
28歳なのに、ピアスを開けただけなのに、
ちょっと大人になった気がした。


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