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韓国マスオさん日記 ~韓国プロ野球を観に行く~


プロ野球のオープン戦を観に行く

 韓国に来て2回目の土曜日。この日の朝、近所に住む義理の姉から急に連絡がありました。

「オープン戦、観に行かない? 」

 オープン戦とは、もちろんプロ野球(프로야구)のオープン戦のことです。韓国語では、시범경기(シボムキョンギ)といいます。漢字にすると「示範競技」かな。

「子どもの昼寝もあるから9回まで観るのは無理。でも、光州に来てから家の周辺しか出歩いてないでしょ? 新しいところに行けば子どもも喜ぶだろうし、気分転換にどう? 」

と誘ってくれたのでした。

 ちなみにチケット代は大人1人5,000ウォン(日本円にして約500円)。オープン戦とはいえ安い! しかも球場までは家からタクシーに乗って15分くらい。これなら1歳半の子どもを連れていても移動が楽です。わたしも光州でプロ野球を観に行くのは初めてなので、直ぐにOKしました。

韓国屈指の人気球団、起亜タイガース

 わたしたちが観戦したカードは、起亜(キア)タイガース(기아타이거즈)対KTウィズ(케이티위즈)。タイガースは地元光州のチームで、前身のヘテ・タイガース時代も含めて優勝回数は最多の11回を誇ります。2000年代に入ってからは下位に沈むことの方が多いのですが、全国にファンが存在する人気チームです。熱狂的なファンが多いという点は、日本のタイガースと共通しているかも。

スタジアム前にて。義姉はチームシャツを持参

 試合開始は13時なのですが、わたしたちはちょっと早めに行こうと11時過ぎに出発。球場に到着するとそこには既に多くのファンが。韓国の野球場に足を運ぶのはこれで2回目なのですが、前回同様感じたのが若いファンが多いということ。とくに女性が目につきます。カップルもいるのですが、若い女性だけのグループも目立ちます。家族連れも多く、年齢や性別に偏りがないのは見ていてすがすがしいです。

試合開始!! だけど…

 さて、試合開始1時間以上前にスタンド入りし、子どもを抱っこしながらあちこちで写真撮影。連れ合いも義姉同様タイガースのファンなのですが、新しくなったホーム球場に来るのは今回が初めてとのこと。心なしか一番はしゃいでいたように見えました。

試合開始前のフリーバッティング

 試合開始時刻が近づくにつれ、子どもが落ち着かなくなってきました。うちの子は人見知りしない反面、人混みにいくと興奮してあちこちと動き回ってしまいます。球場でもはしゃいで走り回り、こっちは腰をかがめながら追い駆けまわします。おかげで最近は腰が痛い…。

 このままでは試合観戦どころじゃない。

「まだ試合開始前だけど、もう帰ろう。子どもがかわいそうだよ」

 義姉はそう言ってくれましたが、そうはいいながらみんな久々の野球観戦なので、なかなかあきらめがつかず。ダラダラと残っていたら、結局試合開始時刻に。当初の予定通り1回の表裏だけ見て帰りました。

韓国プロ野球の実力やいかに!?

 1回の表、KTの攻撃。起亜のピッチャーはなんなく2アウトをとったのですが、3番打者にフォアボールを与えてしまいます。続く4番打者を内野フライに打ち取ったと思ったら、これをランナーとの接触を恐れた三塁手が落球、二死一三塁に。ピッチャーはうまく切り替えることができず、昨年まで日本のタイガースに所属していたロハス.Jrにスリーランホームランを浴びてしまいます。うーん、なんとも悪い流れ。これをシーズン本番まで引きずらなければいいのですが…。

 家に帰ってからはテレビで続きを観戦。試合は結局5対4でKTの勝利でした。

 その後気づいたのですが、起亜タイガーズには日本人コーチが存在します。現役時代は中日ドラゴンズを中心に長く活躍された中村武志さんです。そのことを教えてくれたのは、わたしの弟でした。韓国オープン戦を観に行ったと伝えると、「中村武志が起亜でコーチしているよ!」とのこと。なんでも弟にとって中村さんはレジェンドらしく、彼の公式Youtubeチャンネルを熱心に見ているそうです。

 弟いわく、中村さんはYoutubeで韓国プロ野球について「レベルが低い」と一刀両断しているとのこと。実際にわたしも見てみると、過去にやはり起亜でコーチを務めた正田耕三さんと一緒に「韓国は投手のレベルが低い」「選手はまともに野球を教えてもらっていない」などと歯に衣着せぬ発言を連発しています。

https://www.youtube.com/watch?v=an-9doSzXwk

※正田さんは2017年~2019年にわたって起亜タイガースでコーチをされていました。中村さんも2015年~2018年にかけてコーチをされていました。その後一度は退団しましたが、今年改めて1軍のバッテリーコーチを務めることになりました。

 「おいおい、いくらなんでもここまで言っていいのかよ」と思いましたが、コーチを務める以上、彼も韓国プロ野球のレベルアップに一端の責任を持つことになります。一度は起亜を優勝に導いているので、今年もその手腕に期待したいと思います。

やはり韓国でも人気な大谷翔平

 ちなみに今日(2024年3月20日)はMLBの開幕戦・LAドジャース対SDパドレスが行われます。大谷翔平選手はここ韓国でも大人気。今朝のNHKニュースでは、韓国のファンやマスコミも大谷選手の活躍に注目していると報じていました。わたしもプレイボールをわくわくしながら試合開始を待っているところです。

 韓国では野球が人気ナンバーワンスポーツだというと、多くの日本人は意外そうな顔をします。どうやら韓国=サッカーだと思って居る人が多いようですが、実はサッカー人気はそれほどではなく…。とにかく野球もサッカーも好きな私は、ここ光州で両方楽しんでいきたいと思います。

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