見出し画像

風が吹いても桶屋は儲からない

こんにちは、K-baraです。

僕の通っていた大学は、少し変わっていて、1年の時に統計学が必修科目でその単位を取らないと卒業できない仕組みでした。専門的なお話(回帰分析だとかカイ二乗検定だとか)は記憶の彼方に消えてしまいましたが、ひとつだけ印象に残っていて、今も役に立っている話を紹介します。

担当の教授が仰っていたのですが、一言でまとめると

「因果関係と相関関係は別物だぞ!」

って内容でした。

相関関係って極端な話、何か2種類の数値があれば計算上は「相関あり」ってなる場合があります。でも、片方の数値がもう一方の数値に影響を及ぼしているかは全く別の話で、もっと色々検討しなきゃいけないのです。

若干うろ覚えですが、大学の統計学の講義では、相関関係と因果関係の違いを説明する際、「お茶の売上高と降水量の相関関係」が例に出ていたと思います。地域別の降水量とお茶の売り上げ高の表が与えられ、それらを計算すると、「雨がよく降るほどお茶が良く売れるという正の相関」が出たのですが、もちろん因果関係は不明。

我々の一般常識と照らし合わせて、「雨が降ったからお茶を買いに行くぜ!!」って人は滅多にいませんよね。

画像1

もう一つ例を挙げると、以前ネット上で「松岡修造氏がいる時の方が、日本の平均気温が高い。」って話がありました。確か、日本の平均気温のグラフまで登場して、松岡氏の動向と気温の関係を誰かが述べていたと思います。この話はもちろん冗談で、松岡氏のキャラクターをネタにした話です。彼の熱いメッセージや全身全霊をかけて選手を応援する姿はとても素敵ですが、一個人が地球環境に影響を与えることは考えにくいですよね(笑)

これら2つの話からも分かるように、物事のつながりを考える時は、単に数字上の相関関係を出すだけでは何も言っていないに等しいのです。

実験をするなり、調査研究をするなりして本当に因果関係、すなわち、原因と結果の結びつきがあるのかを調べる必要があるということです。

ところが、世の中にはこの辺りの話を巧妙に誤魔化しつつ、人からお金を巻き上げようとする輩もいるわけです。怪しい健康食品や聞いたこともない治療法、情報商材、非現実的な投資話などなど。それらしい数字やグラフを持ち出して、何も知らない人々を罠にかけるのです。

なかなか悲しい話ですが、冒頭に述べた「相関関係と因果関係は別物!」というテーゼを頭の片隅に置いておけば、騙されるリスクも少しは減るのではないでしょうか。何せ、大抵の不審な話は、因果関係が証明できていない例を持ち出しているので。

画像2

ここまでお読みくださりありがとうございました。

不安一杯の昨今、出所不明な情報が飛び交っているので、参考になればうれしいです。

それではまた。