
接触節の特徴と関係代名詞を用いる意義
接触節(contact clause):[<名詞句>sv] ☜接触節の形!
1) The zebra the lion the gorilla chased which almost killed was running away.
[ <The zebra [ <the lion [ <the gorilla> chased ]>which almost killed ] >was running away. ] ☞関係代名詞whichの先行詞はthe lion。🦓 ←🦁←🦍
[S]┬S┬o: The zebra
│ ├Ø関係詞
│ ├s┬o': the lion
│ │ ├Ø関係詞
│ │ ├s’: the gorilla
│ │ └v’: chased
│ ├s:which関係代名詞
│ └v: (almost) killed
└V: was running (away).
☞結局、SV文型
「ゴリラが追いかけたライオンが殺しかけたシマウマは走り去るところだった。」
2) ┌未知情報徴付けのa冠詞
2-1) [ I ordered < a book > from Amazon. ] 単節文 ☞✕ to Amazon
S V O (M)
「僕は本をアマゾンに注文した。」
2-2 ) [ 文 ]の< 句 >へのコンパクト化
< a book [ Ø I ordered from Amazon ] >
< 名詞句 [ 形容詞節としての接触節 ] >
<僕がアマゾンに注文した本>
2-3) 新たな [ 文 ] への<句 >の埋め込み 複節文化
┌既知情報徴付けのthe冠詞
[ < The book [ I ordered from Amazon ] > arrived today.] 複節文
[ < S /o [ s v (m) ] > V (M) ]
「アマゾンに注文した本が今日届いた。」
2-4) [ I got < the book [ I ordered from Amazon ] > today. ] 複節文
[ S V < O / o [ s v ( m ) ] > (M) ]
「アマゾンに注文した本を今日、受け取った。」
[<名詞句>sv] ☟接触節の形! ☟関係代名詞は必須! 二重限定
2-5)[<<The book [I ordered from Amazon]>which I got today> turned out to be misbound.] ☞関係代名詞whichの先行句は<The book [I ordered from Amazon]>だけれど、先行詞The bookとは距離が離れているのでwhichが義務的となる。⇒二重限定関係節文と連鎖関係節文の比較分析
「アマゾンに注文して、今日受け取った本(☜二重限定)は、落丁していることが判明した。」
接触節の特徴:(小寺. 2004 )
(1) 名詞句の連続という構造上の特徴は後に従属節が続く合図であり, 接触節と先行詞の間にはなんらのポーズもなければ, 目立ったピッチの変動もない。
(2) 接触節内での主語には人称代名詞がきわめて多用されている。
(3) 接触節では伝達すべき情報は旧情報並であり, 情報量は極めて少ない。
(4) また, そのために接触節をなしている部分の語数については2-4語であり・きわめて少ない構成をしている。
(5) 接触節は,つまるところ,直感的に理解できるようなレベルのものであり,詳しい関係代名詞などの合図などは不要なほどにやさしい構造, 換言すれば, 情報の少ない構造のものなのである。すなわち,接触節は情報量をいわばぎりぎりのところまで抑制したものであり,すべてがそのいわば「スリム化の方向」に向かっている。
関係代名詞を用いる意義:
1) 先行詞が関係詞節から距離がある場合の道標化
2) 先行詞の人/物事の区別の明確化
3)コンマ(ポーズ)の有無による 情報限定/情報追加の明確化
4) 情報量の豊富化
(例)電話で道案内:
「その道路の突き当りにある赤い屋根の家が僕んちだ。」
◯5-1) The house at the end of the road which / that has a red roof is mine.
◯5-2) The house at the end of the road whose roof is red is mine.
△5-3) The house at the end of the road the roof of which is red is mine.
◎5-4) Mine is the red-roofed house at the end of the road.
└en分詞
☞1)のwhich/that(主格)の先行詞や、2)のwhose関係代名詞(所有格)の先行詞が直前のthe roadではなく、少し離れたThe houseだと判断できるのは、”家には屋根がある”という常識(百科全書的照応)による。
情報構造の観点からは既知情報⇒未知情報と情報が流れる5-4)が◎
前置詞付き関係代名詞文のカジュアル化:
6-1) That is the flat in which I lived.
6-2) That is the flat which I lived in.
6-3) That is the flat that I lived in.
6-4) That is the flat Ø I lived in.
前置詞を使わない表現であれば関係副詞を用いれば良い。
6-5) That is the flat where I lived.
「あれが僕が住んでいたアパートだ。」
☞アパート:(英) flat、(米) apartment house アパートの一室:apartment
江川泰一郎著『英文法解説』より
「18-19世紀の模範文法の時代には、前置詞を文の終わりに置いてはいけないという鉄則があったらしく、昔の文法家がまじめな顔で" You must not use a preposition to end a sentence with."と言った伝説がある。」(笑)
⇒”愛こそすべて”における二重限定関係節文
⇒二重限定関係節文:大学受験英語問題に頻出
⇒二重限定関係節文と連鎖関係節文の比較分析
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