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”愛こそすべて”における二重限定関係節文
ビートルズの曲”All You Need Is Love 愛こそすべて”の歌詞は実は日本語の「なくはなくはない」みたいな多重否定の意味の取りにくいひねった文になっている。
”There's nothing you can do that can't be done."
だから、『ビートルズ全詩集』(内田久美子.2000) では、「不可能なことをやろうったって無理だ」とネガティブに訳されてしまっている。でも、そうではない。二重限定関係節の文の構造を理解すれば、逆に非常にポジティブな歌の内容であることが分かる。
[There's <<nothing [you can do ]>[that can't be done]>.]
└<<先行詞 [接触関係節]>[必須関係代名詞節]>
「何もない やって やれないことは」
☞<nothing [you can do]>が、[必須関係代名詞節]としての[that can't be done]の<先行詞句>になっている。
☞<句>
☞[節]
[S] ┬A: There
├V: 's
└S: nothing
│├Ø(ゼロ接触関係詞)
│├s: you
│└v: can do
├s: that (nothingを先行詞とする関係代名詞)
└v: can't be done.
There's nothing you can do that can't be done. All you need is love!
意訳「何もない、出来ないことなんて、やれば何だって出来るのさ。そのために君たちに必要なこと、それは愛し合うってことだけ!」
⇒二重限定関係節文:大学受験英語問題に頻出
⇒二重限定関係節文と連鎖関係節文の比較分析
⇒ジョン・レノン”アクロース・ザ・ユニバース”のNothing(無)
ジョン・レノンの傑作「Across The Universe」の歌詞、"Nothing's gonna chage my world"の表の意味は”何も変えられない 僕の世界を”だけれど、ジョンと一緒にインタビューで話していた際にヨーコが、”Nothing"を仏教的な”無”と捉えれば、”無我”を悟れば”我欲”を克服・解脱できるとも解釈できると指摘していた。
⇒【ビートルズ】宇宙を超える(Across The Universe)【日本語で歌ってみた】