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ワタリウム「コンクリート・プラネット」見てきた

ワタリウムは、名前だけ知っていて行ってみたい美術館の一つだった。
想像していたよりもこじんまりとしていた。

ちょうど工事中で、全面が防音シートに覆われていて、今回の展示名である「コンクリート・プラネット」ともなんだか合っていた。シートにも絵が印刷されていたから、それも含めての作品なのかなと思った。

気になったもの

under city (2024年度版)

映像作品。
部屋にディスプレイとスピーカーがいくつか配置されていて、タイミングによって映る映像や場所が変わる。遠くからローラーの音が聞こえてきたと思ったら、四方のディスプレイに違う映像が流れる。その立体的な作りが楽しかった。
映像も、スピード感があって、普段見れないような場所が映っていて、おもしろい。

《under city (2024年度版)》キャプション

こういう家で映像を流すのでは体験できないようなやり方で、その場所ならではで映像を楽しませてもらえるような作品が好きだ。

ICC 「とても近い遠さ」で見た『まもなくポイント・ネモに墜落する私たち』と仕組みが近くて、部屋全体を使った映像作品が好きだなぁと再確認することになった。

empty spring

これも映像作品。
かわいかった。赤い三角コーンだったり段ボール箱だったり、そういう街に転がっているものが、人の居ない街中を動いていく様が映っている。動きがぎこちなくて、よく見ると透明なテグスが見える。いろんな場所でいろんなものがそうやって、がたがたしながら引っ張られているシーンが続いて、なんだかかわいい。

2020年4月、1回目の緊急事態宣言下の人の居ない渋谷の街中でポルターガイスト現象を撮影した映像作品。
~~中略~~
まさかこのポルターガイスト現象が現実だというつもりはないが、人が消えた都市こそ今となっては嘘のように感じてしまう。

《empty spring》キャプション

コンピューターとブルドーザーの為の時間

エレベータを降りたら、すぐにゴロゴロしたり金属がぶつかったような音が響いていた。パイプの中を金属球が転がっているようだった。
しばらく見ていると、バケツを向いたパイプの口から球が1つ落ちてきた。あんなにたくさんの音が響いていたのに、球は1つだけなのは意外だった。

後ろで光ってるのは『夜の息』。

上を見ると、漏斗があって、どうやらそこから球が落ちているようだった。
3階に上がるとその機構をちょっとだけ見ることができて、どうやらモーターでストッパーを上下させてるみたいだった。ここは自動。
キャプションによると、バケツに溜まった球は一定時間ごとにスタッフの方が回収・補給しているらしい。

4階の穴

作品名ではない。
4階に上がると、ベニヤ板で出来たような小上がりがあった。
上ってみると、ベニヤ板らしい裏が抜けてるような感覚があった。

バケツを覗くと穴が空いていて、下が見える。
しかもどうやらさっき見た2階。

バケツの穴、2階が見える

戻って2階からも見上げた。
思ったよりベニヤ板っぽい天井になってて、さっきあそこに立ってたけど、あんな板だけのところだったのかと、にわかに怖くなった。

2階の天井、青っぽい穴が見える

一周しただけでは終わらない感じが楽しかった。
他にも、建物の外にもディスプレイがあったり、横断歩道を渡った先のビルや空き地にも展示物があったり、面白い。

おわりに

映像作品は、撮影 OK でもあまり撮らない。
映像として動いているものを見てこそだと思うので。
でもそうすると記憶の中にしかなくて、時間が経つと忘れてしまうのか惜しい。

パスポート制チケットだったんだけど、会期中に再訪する機会はないので残念。

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