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【Web3.0×建築】次世代インターネットICPが叶える未来
こんにちは。先日は、ICP(インターネットコンピューター)の概要ついて触れてきました。
https://note.com/k_ai5555/n/n166a88d90cfb
今回はICPの仕組みによって、私たちの生活にどんな嬉しいことがあるのか身近な事例でアイデアを考えてみました!私は建築に関わる仕事をしているので、建築の仕事での視点をとりいれて考えていきたいと思います。
1.建築図面・モデルのNFT化~ArchiMint~
従来、建築図面のcadデータや3Dモデルは部分的なコピーがしやすく、オリジナル性・改ざん防止を担保する需要が高まっています。
また、デジタル資産として建物の計画〜建設プロセスにまつわる情報(スケッチ、パース、竣工写真等)を「NFT化」し、施主や建築に興味を持つ一般ユーザーに販売する新たなビジネスモデルを模索する動きがあります。
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ICP活用による課題解決ポイント
1.大容量データ管理
2. 改ざん不可・真正性の証明
3. 販売プラットフォーム構築
4. ロイヤリティ機能
ICPを活用することで、これらの建築データをNFTとして取り扱う仕組みを整備することが可能です。ICPは大容量ファイルを扱いやすく、改ざんを防止しながら取引や管理を行う機能を備えています。NFT化された図面やモデルは、所有権やロイヤリティ管理も自動的に実行できるのが大きな特長です。
技術的には、まず建築データをNFTの高次データとして登録し、ICPのカニスター(分散型アプリケーションの基盤として機能し、ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)で大容量ファイルを安全に保管、閲覧制御を行います。更にDID(分散型ID)やVC(検証可能なデジタル証明書)を活用することで、建築家や設計事務所が正規の発行元であることを証明可能です。
将来的には、建物竣工前のプロモーションやファンコミュニティの形成、
そして改修時の正確な図面参照など、長期的な保守管理にも役立ちます。
『建築図面・モデルのNFT化』は、国際展開も視野に入れ、建築とブロックチェーンを融合した新たな可能性を切り拓きます。
2.ICPを活用した契約・請求・納品の一元化~TrusSourcing~
外注業務向けデータベース管理を行うことで、多数の外注先や下請け業者が入り乱れる大規模プロジェクトでの契約・請求・納品管理の効率化を目指します。従来の方法では、メールやエクセルでのやり取りが多く、履歴の改ざんや情報漏洩リスクが懸念されてきました。
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ICP活用による課題解決
1. ブロックチェーン上での業務履歴管理
2. アクセス権限の細分化
3. 自動化・透明化
ICPを活用することで、業務履歴を不可逆的に記録し、DID(分散型ID)による細かな閲覧権限の管理、そして納品後の自動支払いまで一気通貫で実現します。こうした仕組みにより、効率化だけでなく、機密保持契約の徹底やトレーサビリティの強化が実現します。
業務管理用のスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)を構築することで、外注契約や納品の進捗、そして支払い条件をすべて一元管理が可能になります。改ざん不可のオンチェーン(ブロックチェーン上の取引)履歴が残るため、監査面も安心です。
DID/VC(分散型ID・検証可能なデジタル証明書)を組み合わせることで、外注先のスキルや経歴を証明し、必要要件を満たした人材のみ参画させることが可能になります。更に、参画後の閲覧権限や編集権限を細かく設定できるのも特長です。
ICPのカニスター(分散型アプリケーションの基盤として機能し、ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)を使うことで、ドキュメントやバージョン管理をセキュアに運用しつつ、大容量ファイルも効率的に扱えます。
将来的には、納品確認後の自動送金や国際向けの決済トークン対応を進めるほか、多層下請け構造を完全に可視化することで不正を抑止し、海外の人材を含めた幅広い活用が期待できます。
3.CAD図面、BIMモデルなどの共通ビュー~BIMChainViewer~
建設プロジェクトでは、設計段階から施工、そして設備業者まで、さまざまなCADやBIMソフトが使われています。結果、データのバージョン管理が複雑化し、どの図面が最新か把握しにくい課題がありました。また、フォーマットの不一致が原因でプロジェクト進行に遅れやミスが発生することもありました。
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ICP活用による課題解決
1. 共通ハッシュ管理
2. 一元的プラットフォーム
3. アクセスログの可視化
ブロックチェーンを活用することで、すべての図面やBIMモデルをハッシュ化(データを非可逆変換すること)して一元管理することが可能になります。更に、誰がいつ編集や閲覧を行ったかをオンチェーン(ブロックチェーン上の取引)に記録することで、改変やミスを迅速に発見できるようになります。
技術面では、まずICPのカニスター(分散型アプリケーションの基盤として機能し、ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)を用いて大容量のBIMデータをメタ情報とともに管理します。更にWeb上でのグラフィック技術であるWebGLやThree.js等のインターフェイス使ってブラウザ上で3Dモデルを可視化します。
これにより、関係者全員が同じビューアにアクセスして最新のモデルを確認できるようになり、バージョンの取り違えや古いデータの使用を防ぐことが可能です。
APIプラグインの開発により、既存のCAD/BIMソフトから直接データを出力・更新できるため、ワークフローを大きく変えずに新システムを導入できます。
将来的には、国際的な標準化への貢献を目指し、海外企業との共同プロジェクトでもフォーマットを意識せずに作業を進められる環境を整備することが出来ます。また、どのバージョンを使用して施工したのかをオンチェーン履歴で正確に追跡できるため、品質保証や監査にも大きく役立ちます。
4.施設の点検・修繕履歴を一元管理~OpManBridge~
施設には警備や清掃、設備メンテナンスなど多様な業者が関わりますが、点検や修繕の記録がバラバラに管理され、施設管理者が全体状況を把握するのが難しくなっています。
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ICP活用による課題解決
1. 点検・メンテ履歴の一元管理
2. 権限制御によるスムーズな共有
3. 自動通知・契約管理
ICPブロックチェーンを活用することで点検履歴を一元管理可能になります。改ざん防止のほか、権限設定を細かく制御することで、業者ごとに必要な情報だけが共有される仕組みを構築。
更にスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)により、次回のメンテ日や契約更新時期を自動で通知し、運営の効率化を図ります。
技術的には、まずメンテナンス管理用のスマートコントラクトを用意し、
点検や修繕作業の履歴・予定をオンチェーンで管理します。
DID(分散型ID)による権限設定で、「清掃業者は清掃記録のみを編集できる一方、施設管理者は全ての履歴を閲覧可能」といった制御が可能です。
設備機器のセンサーからのデータをリアルタイムで記録することで、故障予兆を早期に検知することも期待されます。
将来的には、複数施設を一元的にダッシュボードで監視し、施設価値の維持・向上に役立つ基盤へと発展するでしょう。
5.大容量コンテンツの部分編集~PartiaStream~
動画や音楽、CADデータなど、数GBにもおよぶファイルを共同編集する際、
これまでは毎回ファイル全体を再アップロード・ダウンロードする非効率さが問題となってきました。
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ICP活用による課題解決
1. 差分管理
2. アクセス制御
3. バージョン履歴と改ざん防止
ICPカニスター(分散型アプリケーションの基盤として機能し、ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)を活用し、ファイルをブロック単位に管理する差分更新を導入。さらにDID(分散型ID)によるアクセス制御で、編集が必要な人だけが必要なデータに触れる仕組みを整えています。
また、スマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)でバージョン履歴をオンチェーンに記録し、いつ誰がどの部分を修正したかが一目でわかります。
技術概要としては、ファイルを細分化して差分更新する仕組みを備え、
ストリーミング技術で動画や3Dモデルを部分的に読み込むことも可能になります。
また、スマートコントラクトによりバージョン管理の履歴を不可逆的に記録することで、いつどのような修正が行われたかを後から正確に追跡できます。これにより遠隔地のチームや多人数でのコラボレーションが非常にスムーズになり、従来のクラウドストレージコストも削減可能です。
最終的には監査やコンプライアンス面でのメリットも大きく、高い信頼性が求められる業界やプロジェクトに幅広く応用できます。
6.コンテンツの共同創作で著作権と収益分配を自動化~CollabCanvas~
複数のクリエイターが一緒に作品を作り上げる際に直面する、著作権や収益分配の問題を解決にもICPが寄与します。アートや音楽、イラストなどの共同制作では、どのパートを誰が作ったか明確に管理されず、後から紛争やトラブルが起きやすいのが現状です。
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ICP活用による課題解決
1. 共同創作プラットフォーム
2. 著作権・改変履歴の記録
3. 収益分配の自動化
ICPのスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)を使って共同創作のルールを定義し、
改変履歴や権利関係をブロックチェーンに記録。完成品をNFT化することで、販売収益を自動で各クリエイターに還元できる仕組みを実装しています。
技術面では、作品をNFTとして発行し、二次流通時にも自動的にロイヤリティが配分される仕組みを備えています。
DID認証を導入し、共同クリエイターが正規のメンバーであることを確認した上で、バージョン管理スマートコントラクトを用いて改変履歴を差分保存。誰がいつどのパートを編集したかが改ざん不可能な形で残るため、
著作権トラブルの大きな原因だった不透明性が解消されます。
将来的にはアート分野にとどまらず、ソフトウェア開発やドキュメント制作など、あらゆる共同作業の場面での利用が期待できます。
7.実世界と仮想空間をつなぐ~TwinVerse~
最近はメタバースやデジタルツインのように、現実世界を仮想空間に再現する取り組みが急速に広がっています。
しかし、その中で土地や建物といった仮想アセットの所有権をどう管理し、
安全に売買・賃貸するかが大きな課題となっています。
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ICP活用による課題解決
1. 高トランザクション性能
2. 所有権のNFT化
3. DID連携
DID(分散型ID)を使ってユーザーアバターの安全性も確保する仕組みを整えることで、リアルタイムで多くの人が参加する仮想空間の取引を円滑に進められるようにします。
技術的には、NFTスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)を活用してメタバース内のアセットを管理します。
UnityやUnreal Engineといった開発環境との連携を容易にするSDK(ソフトウェア開発キット)を整備し、ワールド内での取引や貸出をスムーズに自動化できるように設計します。
また、IoTデバイスや実際の地理情報を取り込むことで、デジタルツインとしてリアルの動きを反映する新しいサービスも期待できます。
これにより、単なる娯楽用途を超えた本格的なビジネス・経済圏が形成され、行政や教育の分野にも活用が進むでしょう。
8.地域活動のマッチングで支え合うコミュニティ~CommMatch~
地域社会の様々な活動を支えるためのマッチングサービスにも活用出来ます。高齢者のちょっとしたお手伝いや、子育て中にサポートが欲しいシーン、地域の清掃ボランティアなど、派遣会社に頼むほどでもない規模の仕事は意外と多いですが、誰に依頼すればいいのか、信用できるか分からず、なかなかマッチングが進まない現状があります。
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ICP活用による課題解決
1. トークン報酬の導入
2. マッチングプラットフォーム
3. 信用スコア
ICPの仕組みを使い、地域トークンを発行して報酬と結びつけたり、スマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)で仲介手数料を抑えたり、DID(分散型ID)で信用スコアを見える化することで、お互いが安心して助け合えるコミュニティづくりを目指します。
技術面では、スマートコントラクトが活動完了を検知すると即時にトークンを送付し、報酬の支払い手続きが自動化される仕組みを採用しています。
DID(分散型ID)やVC(デジタル証明書)を活用して参加者の身元と活動実績を確認できるため、安心して助け合いが成立しやすい環境が作れます。
また、モバイルアプリを使うことで、住民は手軽に募集情報を見つけ、
参加したい活動にすぐ応募できるようになります。
これらによって地域コミュニティが活性化し、将来的には自治体がトークン発行を担うなど、より大きな官民連携の仕組みへと発展する可能性があります。
9.ICP上のデータ倉庫で機密文書を分散管理~SafeDocICP~
企業や個人が機密性の高い文書を安全に保管するためのデータ倉庫を提供。
従来のクラウドストレージは、便利な反面、集中管理されるサーバーが攻撃を受ければ大規模な漏洩に繋がります。また組織が自社内で保有し運用するサーバーでは、導入コストも維持管理も大変です。
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ICP活用による課題解決
1. 分散型セキュアストレージ
2. 強固な暗号化とアクセス制御
3. 監査ログ・改ざん検知
4. スケーラブルなコストモデル
ICPの分散型インフラを活用し、ファイルを暗号化した上でカニスターに保管。スマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)でアクセス制御を厳格に行うことで、不正閲覧や改ざん、監査ログの不備などのリスクを大幅に削減します。
技術的には、アップロード時にファイルを暗号化し、ICPカニスターで分散管理します。
組織内ではスマートコントラクトでアクセス権限を細かく制御し、DIDでユーザー認証を行うため、部外者が勝手に閲覧するリスクを防ぎます。
またAPI(アプリ同士のインターフェイス)やSDK(ソフトウェア開発パッケージ)を提供することで、Google WorkspaceやSalesforceといったWeb2サービスとも連携でき、既存のワークフローを大きく変えることなく導入可能です。将来的には、長期的なデータ保管のニーズに応え、世界中の拠点やパートナーとも安全に情報を共有できるデジタル金庫としての地位を確立していきます。
10.汎用型信用認証ツール~CrediLink~
DeFi(分散型金融)やWeb3 SNS、クラウドソーシングなどあらゆる分散アプリケーションを横断して信用情報を共有できるプラットフォームです。
従来はサービスごとに評価基準が異なり、ユーザーが新しいプラットフォームに移るとこれまでの実績がリセットされてしまう課題がありました。
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ICP活用による課題解決
1. DID/VC中心の分散ID
2. 共通信用スコア
3. プライバシー保護
4. 相互運用性(Interoperability)
ICP上にDID(分散型ID)とVC(デジタル証明書)を導入し、学歴や職歴、Web3取引実績などをユーザー自身が管理。
必要なときだけ信用スコアを提示できるようにし、プライバシー保護も両立します。
さらに他チェーンやWeb2認証とも接続し、グローバル規模の相互運用性を実現します。技術的には、まずICPカニスター(分散型アプリケーションの基盤として機能し、ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)上にユーザーのDIDやVCを登録・検証するレジストリを構築します。
DeFi(分散型金融)やSNSなど、複数のDApp(分散型アプリ)からユーザーの取引実績や評価データを収集し、スマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)で信用スコアを算出が可能です。スコアが高いことだけをゼロ知識証明(自分が持つ情報が正しいことを、その情報自体は一切明かさずに相手に証明できる画期的な暗号技術)で示す仕組みを備えており、個々の取引内容や個人情報を開示する必要はありません。
こうした仕組みにより、ユーザーはWeb3全体で自分の信用を“持ち運び”でき、DeFiの優遇措置やクラウドソーシング案件の獲得など、多彩なメリットを享受できるようになります。
将来的には既存の金融機関とも連携し、より包括的な信用インフラを構築することも目指しています。
以上、ICP活用のアイデア10でした。ICPが叶える未来、それは今まで以上に多くの情報が繋がり、スマートになり、やりたいことがやりやすくなり、個々の経済が循環していくことでしょう。
今回、ICPハッカソン2025へのチャレンジの機会を頂き、ICPへの興味と学びが深まりました!ICPの活用が普及した未来は今よりもっと便利で個々のサービス循環が豊かになる世界を創造すると、ワクワクしますね。
ICPについてもっと知りたいと思った方は、ICPのHPをのぞいてみたり、様々なハッカソンに挑戦してみてください^^