それまではるろうに
住めば都という言葉があるが、自分の都が出来るとその外に出るのが億劫になってしまうものである。
私は約2年前にとあるアプリと出会い、新しい遊びを知ることが出来た。そこでの活動を通して本当にたくさんの縁、つながりを得たと思う。浅いままの縁、深くなっていく縁、狭い縁、広い縁、断ち切られた縁、断ち切った縁、実に様々だが本当に悪い縁なんていうものは今のところないと思っていて、切れた縁ももしかしたらまわりまわっていつかまた繋がることがあるのかも知れないな、何て考えている。
りあくえメンバーと出会ったのもそのアプリだ。当時、私にとってアプリは都だった。隙間時間があれば先ず覗くのはそこだった。それぐらい楽しい場所だった。
しかし、都に暗雲が立ち込める。アプリが大幅なリニューアルをし、それまでの魅力が無くなってしまった。スパゲッティ屋がうどん屋になってしまい「スパゲッティを食べに通っていたのに」という感じ。似て非なる別のアプリに変わってしまったのだ。そこから都は崩れて来た。
ただでさえ切ない春の終わりにアプリはサービス終了となり私の都はなくなった。寂しさはあったが私はと言うと、リニューアルの時期ぐらいから他所のアプリを転々とする様になっていた。億劫ではあったがピョンと都の外に出たのだ。
アプリをいくつかダウンロードして遊んでみるとそれぞれ特色、ユーザー感のしきたり?暗黙のルール?みたいなものがあって実に新鮮だった。それまで自分の都しか知らなかった私は当然圧倒された。
場所が変わればまたゼロから。私は少しずつ各アプリに慣れて行くことにした。そして元アプリ内で私がしていたことと同じ活動をしているユーザーを探す旅に出たのである。
結論、そうして良かったと思っている。
都にしていたアプリはなくなってしまったが、そこではきっと見えなかった・出会えなかった・ヒト・コトを知れたからだ。最初は同じ趣味・活動をしているユーザーと出会うという縛りプレイだったにも関わらず、それ以外の面白い縁もあった。かといってそれまでの縁を捨て置いて今はそちらに夢中……なんてことはない。
「この人達なら面白いだろうな」と思えるメンバーでいつか活動場所・内容の垣根を超えて遊んでみたいという考えも芽生えて来た。
アプリの終了はユーザーではどうにもならないことだ。受け入れるしかない。けれど悔しさや寂しさが残っているのも正直なところだ。そんな思い出も少しずつきっかけの様なものになりつつある。
今後、もしかしたらまた自分の都が見つかるのかも知れない。
それまではるろうに。
それもまた楽しい。
りあくえ水曜担当(1日遅れました、ごめんなさい)
ミラクルファンタジスタKeroco