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【小学理科】観察カードノウハウ

元教員のKです。

観察カードってどうすればいいの?とりあえず「観察いくよー」と言って子どもを連れて行くけど、回収した観察カードはなんかイマイチ⋯なんてことありませんか?
ご家庭でも、夏休みの宿題で観察カードが来るけど、どうやらせるか困ってます⋯。ということがありませんか?


今回の記事は、そんなお困りごとに対して「観察カードの取り組ませるための観点」を中心に書いていきます。


【まず理解しておくこと】

図工の記事で、題して「子どもの自由な発想力を爆発させる方法」を記事にしました。そこは「やっていいことが、分からないから取り組みづらい」というような内容を記載しました。

今回は逆です。
かけない子は「どうかけばいいか分からない」から観察カードはかけないです。

まぁ、そうですよね。
観察カードって、観察するものは決まっていても、どう観察して記録すればいいか分からないとかけないですよね。


じゃあ、教師や保護者はどうやって教えればいいの?


ズバリ【観察の観点(見るべきところ)を教える】です。


子どもの観察カードは大きく分けて2通りに分かれます。

それは

  • 初めて観察カードでかくもの

  • 成長を観察するもの

てす。

この2点に絞って観点や助言の仕方を書いていきます。

今回の記事は、「初めて観察カードでかくもの」に絞って書きます。(思ったより長くなったので分けます💦)





【初めて観察カードでかくもの】の場合

初めてのものだと、Kがすぐに思いつくのは「種」です。朝顔、ヒマワリ、ヒヤシンス、ヘチマ⋯様々な種を観察します。

それ以外だと、既に成長している植物、生き物などですね。





本題です。

観察カードは絵と文章で構成されています。次はこの2つの具体的な指導や助言を書きます。

 

【絵の指導、助言】
絵を描く前にこう言ってください。










【見たままをパーの手ぐらい大きく描いて】





え?どういうこと?と、なりますよね?
実は、慣れてない子どもは自分のイメージした種や生き物の形を観察カードに描きやすいんです。

だから、例えば何も指導をしないでアリを描かせると、足が胸ではなく腹から出てたり、触覚がなかったり、足が5本とかになってたり凄まじいことになりやすいです。(笑)


だからこそ「見たままを描いて」になるんです。


【指導、助言】

指導や助言としては「ホントにこんなまんまるなの?」「ホントにいろは真っ黒なの?」とわざと「正しいの?」と問うだけでいいです。
子どもも考えます。まぁ、先生やおうちの人がそう言ってるならちがうのかな?と空気を読む子もいますよね(笑)


どうしても「?」な子に関しては、実際に指差しで「ここって、こうなってる?」と聞いたら、具体的なので子どもも理解しやすいです。



パーの手ぐらい大きく描いては、大きさの目安ですね。
明らかに小さかったら「手をパーにして絵に重ねてみよっか。」といって、子ども自身に「パーぐらいだった?」と問うとやっぱり考えて直すことが多いです。


Kの授業の場合だと、導入では絵に関しては「見たままかく」と「パーの大きさ」をさらっと言って、文章の書き方のアイデア出しの時間を多く取ります。

スタートは、絵を描いてもらい、描き始めた2〜3分後に全体に上記のことを言います。


一度に多くの情報を入れても子どもは、忘れます。というより、私も新しいことを何個も覚えてられません(笑)

だから、あえて絵を描き始めてからいいます。







【文章の指導、助言】

文章を書くときのコツとしては

「五感で感じとったことを書く」です。

と、言っても基本的に味覚は書けません。と、言うのも観察ではなく感想になるからですね。「美味しかった」や「甘かった」などを観察というのは、私はしっくりきてないです。

なので、
視覚
聴覚
嗅覚
触覚

の4つを観察カードに書きます。



【視覚】

目で見たことですよね。
例えば丸と言っても様々な丸があります。
デコボコの丸、三角に近い丸。四角に近い丸。

こうした書き方でも、もちろん素晴らしいですよね?

もし、子どもが「石みたいにデコボコの丸」とか「おにぎりみたいな三角っぽい形」のような、何か別のものに置き換えてる表現をしたら、すぐに「あー、よく見てるな」と思いますよね?


種だと想像つきにくいですが、葉をみて「ハート(スペード)みたいな〜」だと外見のおおよそを見れてますね。


そしてここからもう一歩踏み込んだ観察です。







【色の変化や形の変化】をみること

例えば種なら「外側は色が薄くて、真ん中は色が濃い」とか「縦線が〇本入ってて外側が太い線」のような表現をしていることですね。



想像してください。さっきの外見のおおよそと、今回の子どもの顔と観察物の距離はどうなってると思いますか?








そう、観察物の細かい色や形の変化を見るためには子どもは、顔をぐっと近づけないといけないんです。


だから、私は教員時代、観察カードがかけてるか、子どもの顔と観察物との近さをみて、出来てそうかそうでないかを判断して助言に向かっていました。


もちろん、気づいたことを文章で表現するのもありですし、私は↓のように絵の範囲に解説のように文字を書くのもありにしてました。


こうした目から読み取れる情報は、本当に多いです。

ちょっと長くなってしまったので、視覚はここまでにします。



【聴覚】


聴いて分かること。ですね。
これは種だと難しいかもですが、音というのは様々な表現があります。
カチカチっ、チッチッ、カリカリなどのオノマトペがそうですね。

種を落としたときの音、引っ掻いたときの音、こすったときの音。

こうしたちょっとした音で「固そうな音」「ざらざらとした音が聞こえた」というような視覚や触覚に繋がる情報になりやすいです。


でも、正直、観察カードをかいたときには、視覚と触覚、嗅覚の情報で文章はいっぱいになりやすいので、これは「他の人と同じことをかきたくない!」と強い意志をもった子用の最終手段で私は持ってるくらいです(笑)

これを使った子は本当に片手で数えられるくらいでした。




「嗅覚」 


においは分かりやすいと思います。種だと「何もにおいはない」とかになりやすいですが(笑)
花が咲いたり、実がなったりした時に使える表現ですね。

指導も助言も分かりやすいですね。
「においを嗅いでごらん」
これだけです。想像しやすいですね(笑)

においも先程の甘いや〇〇みたいなにおい、というようなことになりやすいので分かりやすいかと思います。

ただし
「冬でお腹がペコペコな時にかいだ鍋のような、塩辛そうでいてほのかに甘みのある芳醇なキムチ鍋のにおい。」とか書いていたら、だいぶ主観が混じってるので「キムチ鍋みたいなにおい」にした方がいいですね。


理科の観察は、誰が見てもそういう形で、誰が触ってもそういう感触。というような、ある意味客観的な見方の力をつける場でもあるので、↑みたいな自分の思い出と連想させるようなことは私は好ましいと思ってません。



いや、国語なら素晴らしい表現なので花丸なんですけどね(笑)






「触覚」

個人的に視覚の次に文章を書きやすいのは触覚ですね。
種を触った感じ、固いのか柔らかいのか、ざらざらしてるのかつるつるしてるのか、尖ってて痛かったのか気持ちよかったのか。

種だとあまり気持ちいいとかは出ないですが、葉っぱだと柔らかくて触り心地がいいという子が出ますね。

指導や助言としては「どう?」と聞いて「分かんない」となったら答え方を聞いてください。


ざらざら?つるつる?←オノマトペで聞く
固い?柔らかい?痛い?←感覚を聞く


この2つどちらかを書かせることが多いかと思います。
私はオノマトペ派でした



以上が、観察カードの初めてのものをかく際の観点、指導、助言の記事でした。

参考になれれば幸いです。
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いつもありがとうございます。






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