ジョイ・ディヴィジョンのラブ・ウィル・ティアー・アス・アパート:シリアスの行き着く先
音楽人生が100倍豊かになる80年代の100曲 <その10>
Joy Division "Love Will Tear Us Apart"(1980)
のっけっから何ですが、ジョイ・ディビジョン(Joy Division)はリアルタイムで聴いていなかったんですよね。
イアン・カーティス(Ian Curtis)が死んだ後のニュー・オーダー(New Order)が大好きで、行き着いたというか。
この「ラブ・ウィル・ティアー・アス・アパート(Love Will Tear Us Apart)」も最初に聴いたのはポール・ヤング(Paul Young)のカバー・バージョンだったりするんですよ。
ロンドンのクラブでかかって踊っていて「あれいつも聴いてるのと違う」と思ったら、それが原曲だったという出会い方でした。
もちろん歴史的な名曲ですし、今では大好きな曲の1つですけど。
上手に出会えていなかったというか。
今でもあるますけどね。名前だけ知っていて聴いていなかったアーティストを聴いてみたら想像以上によかった、とか。
ジョイ・ディビジョンの音って、重くて、なかなか万人受けはしにくいと思うんですね。
ニュー・オーダーが聴いた瞬間に「好き!」ってなるのとは違って、聴けば聴くほどジワジワ染み込んできて「あぁ、好きかも」ってなるタイプの音と言うか。
ニュー・オーダーが「ブルー・マンデー(Blue Mondday)」ではじける前に「ムーブメント( Movement)」と「権力の美学(Power, Corruption & Lies )」という2枚のアルバムを出しているんですが、この2枚は明らかにジョイ・ディビジョンと地続きだとわかる音になってます。
いきなりジョイ・ディビジョンはハードル高いと思うのだったら、まずはこの2枚で慣らしてください(笑)。
先ほどイアン・カーティスが死んだと書きましたが、自殺だったんですね。その辺りのことはカメラマンのアントン・コービン(Anton Corbijn)が「コントロール(Control)」という映画を撮っているので、おすすめです。
ニュー・オーダーのヴォーカルのバーニー(Bernard Sumner)がすごい小僧として描かれていて笑えますよ。
ちなみに「Love Will Tear Us Apart」の意味は「愛が私たちを引き裂いていく」。
妻デボラ、愛人アニックとの間の三角関係についての詩だと言われています。その辺りの事も、映画で知ることができます。
80年代って暗くて重い音が正義みたいな雰囲気があった時代で、シリアスはかっこいとか。そういう意味ではジョイ・ディビジョンは正義のヒーローみたいな存在ですかね。
今改めて聴き直すと「かっこいい音だなぁ」というのが素直な感想です。