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画像生成AIに関わる議論(唾の掛け合い)について、引用記事コメントから思うこと
追記:はじめに
冒頭見出しを極端に攻撃的であると読み取れる文言としてしまったことについて、引用記事作者様である「脱サラして年収を五倍に引き上げたユーチューバー」様に謝罪いたします。大変な失礼とご迷惑をおかけいたしました。
申し訳ございませんでした。
散見される極端な意見をメインに取り上げることについて
SNS上に存在する主語をデカくして、扱う層も極端にするという行為は、PVなりインプレッションなりを稼ぐことに優位に働くものでしょう。そういった意見を取り上げてしまうのは、それをネタに報酬を得ようとする者に利用される上に、意図しない相手に対しての攻撃と受け取られかねません。
このような議論にもならない両極端な層の意見は聞く耳を持たないのが一番だと思います。先鋭化すると個人のエゴの押し付け合いでしかなくなるので。
以降、区切り線まで追記
この記事は引用記事コメントにあったやり取りの中で、声を上げない画像生成AI利用者の存在に触れていたため、そこから書いたものです。
AI使ってる人はドライというか自浄作用なんて無理と思ってる人が多いからわざわざ言及しない傾向にあると思いますね
所謂エンジニア脳にありがちな思考かなと思います。
というのも、本気で生成AIを活用とするのであれば(2年前までは)多少なりともプログラミングまでいかなくとも、コマンドプロンプトの操作等の技術的知識が必要であるからです。
エンジニア脳というのは感情論は汲むけれどそれのどちらか一方に偏ることはないと思うんですよね。それをドライと捉えるか非常に温情があると捉えるかは人それぞれだと思いますが、おそらく前者と感じてしまう人が多いのでしょう。そして画像生成AIに限らず、生成AIに過剰な期待もなく、忌避することもなく、最適な使い方はなにか、自分はどう使えるかを考える人間というのはエンジニア脳に近い方が多いのではないかと思います。
良識のある人間なら「俺達も気をつけようぜ」なんて言わないでしょう。あたり前のことを言う必要がないので。
アナログ・デジタル手描きであれ生成AIであれ著作権違反であるというのは単なる事実でしかないので、それを言葉にする人はいるでしょう。
そこに「反AI云々」と言い出す側はエンジニア脳の人間ではないですね、ということです。その発言は無意味なので。
この記事で取り上げられている発言元は属性を判別できているのか、疑問です。生成AIの話題を扱う人間を大雑把に分けると以下のような分類になると思います。
生成AIの技術発展に好意的であり、生成AIを使用している者
生成AIの技術発展には無関心であるが使用している者
生成AIの技術発展に否定的でありながら、生成AIを使用している者
生成AIの技術発展に否定的であり、生成AIを使用しない者
上記の一部が言い争ってるのが面白いから燃料投下している暇人
それに釣られるバカ
中間に位置する生成AIの技術発展に好意的でありながら使用しない者は、世論的に下手に手を(口を)出すと面倒なことになると理解できているリスク管理のできる人かもしれない。無関心で使用しない者はそもそも無関心なのだから話題にすることもない。
更にこの中にもどういった考えで、どういったスタンスを取るのかは当然人によるわけで、それらを一括りに「反AI」であったり「推進派」と括る行為は本質に目を向けない行為だなと感じます。
中身のある話をしよう
生成AIの利用について、クリエイターの視点として有意義なものはなにか?と考えることがまぁまぁあります。
そもそも一部のクリエイターやそのフォロワーたちが否定する「無断学習・無断使用」の定義とはなにか?という前置きが必要かもしれません。一人ひとりに確認するわけにもいかないし、会話にならなかったらだるいのでしませんけれど、これについてもざっくり分類できるのではないかと思います。
これらをプロフィールにわざわざ記載してしまう人達に対する個人的な所管も合わせて書いてみます。
ようわからんけどネットに上げたらなんか勝手に画像生成AIに組み込まれちゃうんでしょ!
誰が有象無象のイラストを手当たり次第使って無限の学習を行うというんですか。非効率的な。
自分のイラストを狙い撃ちして真似た画像をAIで作ってくる人がいるに違いない
いるかも知れませんし、いないかも知れませんね。そういう人に向けてそれを禁止したって、嫌がらせでやるんじゃないですかね。
自分の絵柄を真似た自分の描いていない絵をAIを使って出されるのに耐えられない。
わかる。その学習モデルにご丁寧にも自分のHN使ってたりしたらマジで◯したくなるよな。そういうやつは社会から消してやろうぜ。
1についてはそもそも生成AIというものに対する知識がない。わからないものが怖いという感覚。
2は主にi2iを使用した模倣を恐れている。理解はできるが恐れるほどではないよと言いたい。公開しない絵で構図のトレスとかはやるじゃん?本質的に大差ないよ。個人を対象としたCheckpointやLoRAの学習は潰せ。社会的に抹殺しよう。
3については社会的に抹殺しよう。今すぐ。この宇宙から。
生成AIの学習というのは、個人が手動で行っているケースと、企業なりの団体が半自動なりで行っているケースが大半だろうと思います。
ネットに上げる時点で(個人サイトでnoindexでもしていなければ)基本的にGoogleくんには食われていると思ったほうがいい。なので、SNSのプロフに宣言をいれる行為はそういった本来の意味を期待しているのであれば全くの無駄である。mixi2いいっすよ。ブラウザからは見れずにAI学習にも利用しないと宣言しているので。
で、これは大元となるモデルの学習に利用される。StableDiffusionとかGrokとかのメイン部分です。
一方で無断転載を行っているサイトやpixivなんかからデータを吸い出してユーザーのタグを紐付けして学習してやろうってのが、その派生モデルやLoRAというものになる。i2i(image to image)というのは一枚絵をベースに(程度を指定して)書き換えるというもの。一時的な使用であって学習ではないです。
生成AIを忌避する人間の多くがこの違いと性質を理解できているのか?という疑問がある。声高に何を求めようが、やるやつはやる。国内の法整備にはあまり意味がない。なぜなら学習は海外で行われてモデルが生成されるケースのほうが多いからです。
そもそも論、我々日本人と海外の漫画・アニメファン()の民度を同程度に考えてはならない。価値観が違うのだから、モラルが通用するものではない。無駄な願望です。
一方でどうしようもないそんな状況は無視して(被害があれば粛々と対処するとして)、では有意義な使い方はなにか?ということを問いたい。
例えばイラストを描くにしても「構図がうかばねぇな」とか「違う構図で描きたいけど苦手だな」とかあるわけじゃないですか。
そういった場合にサンプルとして使うことは十分に有意義じゃないですかねと思うわけです。AIイラストをトレースすることすら問題視する人がいるけれど、そんなものは無視でいい。アホちゃうかと思う。
著作権侵害となり得るi2iであっても、例えば自分の元絵を読み込む → 3Dモデルなりを使用してポージングを行う → 元絵とポージングに合わせて生成AIがそれっぽいラフを生成する → それを元にイラストを作成する という機能をクリスタなりが実装すればそれは素晴らしいものだとぼくは思うわけです(AI使いませんと宣言してたんでそうはなりませんね。アホくさ。)
自動着色だって一種のAI生成やろがな。
どういった人物が 何を目的として どういった理由で生成AIを使用しているのか。作る人間は同じようにどのような人間・組織なのか。そういったことをより細かく考えられると無駄なことにエネルギーを使わずに前向きな議論ができるようになるだろうになぁと思うばかりです。