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同棲していた彼氏に振られた反動で会社を辞め、縁もゆかりもない土地に身ひとつで引っ越して今

だいぶ間が空いてしまいました。

この数ヶ月で、仕事をやめたり、地元を離れて引っ越しをしたりしていました。今は、新しい土地で心機一転、しばしのニート生活を送っています。

ついに、私は出たのです。二人で過ごしたあの空間を。

そのアパートは、彼と付き合って1年の区切りで同棲を考え始めた頃に、私が見つけた物件でした。田舎町にしては少し価格帯は高めで、でもその代わりに幹線道路に面するために買い物や通勤にアクセスがいい立地で、築浅でお風呂も広く、アイランドキッチンで、二人で暮らすには理想的な部屋でした。いずれは結婚も。結婚して、子供が生まれてもきっとここで育てられる。そんな、来るか来ないかもわからない先までも妄想してしまうほど、当時の私の心は踊っていました。

彼はもともと実家暮らし、一方私は一人暮らしをしていたので、基本的な家電や家具などは私のアパートから二人で運び込みました。引っ越し業者を利用せず、大きなバンを借りて、二人でせっせと引っ越しの作業を進めました。

そこから二人の生活が始まりましたが、キラキラ輝くような毎日でした。二人の時間が楽しくて、仕事に行くのがもったいないという気持ちで日々を送りました。もともと二人とも口数は多い方ではありませんが、思考回路が一緒なのか、多くを語らずとも分かり合えている気がしていました。

もう別れて半年以上経つのに、楽しかった思い出が、未だにフラッシュバックしてきます。二人で住んだアパートにひとりでいるから抜け出せないんだ。そう思っていたのに、住む家を変え、街を変えてもなお、彼の影が私の後ろを追ってくる。

別れてからも、お互いの誕生日には食事に行ったり、私がこの地へ引っ越す前も、少し会ったりと、”友達として”出かけていました。今はもう、そんなこともできません。もうずっと前から、次へ進む。そう心に決めているのに、あれから違う男の人と会ったりもしているのに、彼の存在は思ったより簡単には忘れられないみたいです。

何かあったときに、真っ先に伝えたい相手が、未だに彼なんです。

周りからはなぜ彼と付き合っているのか、もっといい人がいるよと言われているのに、なぜか嫌いになれないのが彼なんです。

家事をしてくれなくて何度も喧嘩になったけど、そんな記憶よりも、何倍も楽しかった記憶があるのが彼なんです。

別れてからも、会うときには私が去年の誕生日にあげたサンダルを履いてきてくれるのが、彼なんです。

意図してそうしてくれているのか分からないけど、その行動に心が温かくなるのが、私なんです。

でも、私は本当に先に進まなければいけない。過去に固執しない。私は、真っさらになった私の今の人生を彩るものを見つけ、未来を創っていかなければならない。彼を好きなのかは、もうよく分かりません。でも、抱えているこの感情は、確かにここにあります。今までは、この気持ちをゼロにしなきゃ、そう努めていました。けれど、ゼロにするんじゃなくて、これはこれで心の引き出しにしまって、また違う引き出しにこれからを詰めていけばいいのではないかなと、思っています。

そんな今日は、ここ数週間メッセージのやり取りをしてきた男性と会ってきます。彼を超えられるか否か、そんな目線ではもう見ません。ただ単純に、異性としてというよりも一人の人として惹かれる男性と、これからを歩めたら。


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