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「友達以上、恋人未満」の期間に賞味期限はありますか。

お久しぶりです。
もう2月になってしまいましたが今年初の投稿になります。前回までは20歳近く年上の男性への恋心に右往左往していましたが(じつは今もしている)、この投稿はそのことではなく、違う男性について書こうと思います。

今年に入ってから、Pairsに再登録した。Tinderでの出会いは信用できない人が多くてやはりダメ。そう結論づけた結果だった。

登録したはいいものの、さほど期待はしていなかった。プロフィールもきちんと埋めて、写真も何枚か登録した。いいねがたくさん来た。マッチした人からのメッセージもたくさん来た。

でも、なぜか本気で返信する気になれず、暇なときにアプリを開いて適当に返信する、申し訳ないけれどそんな使い方をしていた。

私は、誰かに心底惹かれることが怖くなったのかもしれない。同棲していた元彼を、いまだに忘れていないのかもしれない。絶対に終わらない、終わるはずがないと思っていた人との別れは、私が思っていたよりもずっと深く、私の心に何か重いものを残していったようだった。

そうは言いつつも、合間合間に返信しているとやっぱり会おうということになる。ありがたいことに何人もの人からそういう話をいただいたけれど、私はそのうちの一人にしぼって、いいですよ、と返した。

理由は、居住地の街が一緒だったから。ほかは車でしか行けないような場所に住んでいるような人がほとんどだった。それに、彼はもうその次の日に退会するつもりなのだという。彼にとったら最後の最後にマッチして話が進んだ相手が自分なのかもしれない。そう思ったらなぜか会うのをOKしていた。

あともう一つ。相手は多分気づいていないけれど、私はその男性と数ヶ月前にTinderでもマッチしていた。彼のプロフィール写真はTinderとPairsで一緒のものだった。一方の私は、まったく違う写真を登録し、プロフィールに書いている内容も変えていた。それなのにマッチして意欲的にメッセージをくれるということは、きっと自分は彼のタイプに違いないのだなと思った。

Tinderでマッチしたときは、たしか軽いやりとりだけして、私のほうからブッチした気がする。顔はタイプのほうだったけれど、そこまで気にかかるフックはないような感じだった。そのとき私は別の人とやりとりしていたんだと思う。

でも、時が経ってこうしてまたマッチして、本当に会うところまで来たということは、何かしら縁があるんじゃないか。まるで人ごとみたいにそう思って、縁とか運とか、たまには信じてみようという気になった。

その日は私も彼も仕事で、飲食店も時短営業だったということもあり、さくっと夜ご飯だけご一緒しましょう、という話になった。仕事を終えて待ち合わせ場所の飲食店へ向かった。彼が気になっていると送ってくれたその中華料理屋は、私も気になっていてマップで印をつけていたところだった。

私のほうが先に着いて、5分ほど経って彼が来た。背が高く、髪型も服装もおしゃれで、本当はこういう人と一緒にいるとおしゃれすぎて疲れてしまうんだけど…まあいっか。これが彼の第一印象だった。

待ち合わせ時間が遅めだったため、2時間も経たないくらいでお店が終わりの時間になった。食事をしている間、好きな映画や好きな音楽、好きなカフェの話などをした。おそらく私たちは似ている。嗜好が似ている。恋人にならずとも良い友達になれると感じた。おしゃれだけど、話しにくさはない。今までの私だったら、好きになりそうなレベルまで思い入れを深めてしまうタイプの相手だと思う。だけど、大人になったのかガードがかたくなったのか、帰り際には「よし、家に帰ろ」それしか思わなかった。

店を出ると、彼は「もう1軒もし開いているところがあれば行きませんか」と言った。私は早く帰りたかった。けれど、ここで帰ったら脈なしだと思われて、せっかく知り合えたのに無駄になってしまう。そう思い直し、一緒に歩くことにした。とりあえず歩き出した私たちは、あてもなく街を進んだ。歩いている間に、彼はマッチングアプリで知り合った人と会うことが初めてなこと、アプリでの出会いなんて期待していなかったが今日私と会ってみたらすごく楽しくて驚いたこと、私は何人とも会ったことがあるけど全然うまくいかなかったことなどを話し合った。

歩いても歩いても、まだやっている店は見つからなかった。じゃあ、諦めて帰りますか。そう言うと、彼は「うちに来てコーヒー飲みませんか」と言った。私は少しがっかりした。もしかしてこの人もやりもくなんだろうか。コーヒー飲んで終わりとか絶対に嘘でしょう。

今までの私なら、ホイホイ行っていたかもしれない。しかし、その日の私はやはりこれまでとは少し感情の持ち方が違って、「いえ、まだ会ったばかりだし、今日は帰ります」と告げて、また、と帰路に着いた。

帰宅して、彼からメッセージが来ているのに気がつきながらも、まずはシャワーを浴びた。ゆっくり浴びて、ゆっくり寝る支度をした。そしてようやくスマホに手を伸ばし、メッセージを見た。気づいていたメッセージの後に、時間を置いてもう1件来ていた。一つ目は今日はありがとうございました的な内容。それに返さないでいたからか、二つ目に「最後家に誘ってすみませんでした、嫌な気持ちにさせたんだったらすみません」と来ていた。

それを見て、なぜだかこの人けっこうかわいいな、と思った。返さないでいたのなんて、たった1-2時間なのに、その間にこの人は悶々と私のことを考えていたのだろうか。初めて会ったばかりの相手にそんなに気を遣って…と、彼は2歳年上だけれどなんとなく母性がくすぐられた。

「すみません、帰ってすぐシャワー浴びてました!全然嫌な気持ちになんてなってないですよ」

そう返すと、よかったーという返信が来た。このことをきっかけに、おしゃれでちょっと…という第一印象から、イカしてるように見えて本当は気にしいなかわいい人という印象に変わった。そうすると、返信するのも前より億劫ではなくなった。

その日以降も、彼からは積極的に会いませんかというメッセージが届いた。初めて会ったその日から2日後にも一緒に出かけ、そのまた2日後には彼の家で一緒にカレーを作ることになった。なにこれ。こんな頻度で会うのってちょっとハイペースすぎないか。そう思っていたけれど、誘ってくれるなら会いたいという気持ちだった。

彼の家でカレーを作って、お酒が趣味のひとつだという彼が私にカクテルを作ってくれた。私だけけっこうなペースで飲んでしまい、ほろ酔いだった。そこで初めて、彼は私を家に車で送り届けるためにお酒を飲んでいないということに気づき、「飲んでいいよ。私歩いて帰れるから」そう言った。

しかし、これは完全にフラグだった。帰るときのことは後で考えればいいや。それより私だけ思いきり飲んで、お酒好きな彼に我慢させているという状況が嫌。そういうつもりの発言だったけれど、そんなことにもいかないみたいだった。

二人ともが好きな音楽を流し、美味しいものを飲んだり食べたりして、好きな映画の話で盛り上がり、私は少し酔いが回りすぎた気がしたので水を飲みに席を立ち、キッチンに向かった。水を汲んでその場で数口飲み、コップを置いて後ろを向くと、彼が立っていた。見上げようとすると首がすこし痛くなるくらい、彼とは身長差があった。今思い出すと朧げな記憶しかないけれど、そこで私たちはキスをした。そして、一つのベッドで一緒に眠った。

「好き」と口に出して言えるほど、まだ恋心は育っていない。いずれ好きになれそうな気がするけれど、今はまだなんとも言えない。昔の自分なら、このキスでもう好きになっている。しかし、今の私はまだその壁を越えられない。

その日から数日が経ち、それから何度か会っている。でもまだ、彼から付き合おうと言われることもなければ、私から言うこともない。私から言わないのは、緊張して言えないというよりも、好きと言ったら本当に好きになりすぎそうで、執着してしまいそうで怖いから。始まりを考えるよりも先に終わりを考えてしまう。また失恋するのが、すごく怖い。

ただの友達でもないし、恋人と言えるほどの関係性でもない。この期間がずっと続くかもしれないし、いつかどうにか変わるかもしれない。こういう関係性に賞味期限ってあるのだろうか。それを考えて少し不安になる。でも、自分から行動を起こすほどの熱量もない。

そんな不安定な日々を、最近は過ごしている。

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