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告白した。お互い好き同士なのに付き合えないのが大人の恋愛なら、そんなものくそくらえ

18歳年上の彼に、きちんと思いを伝えようと思った。お互いの好意はもうとっくの昔に認識済みで、これが何のための告白かと言われると、自分でも正直よくわからなかった。

でも、なんとなく気持ちに区切りを付けたくて、私なりに彼ときちんと向き合うと決めたから、もう逃げないという意思表示を何らかの形でしておきたかったのだと、今になっては思う。

先月のホワイトデーの日、彼に電話をかけた。私にとってはめずらしいことだった。彼も少し驚いた様子で、電話口で、どうしたの?と聞いてきた。私はストレートに、好きです、と言った。

彼は前に、付き合ってって言いたいけど自分には子供がいるし、自分と違って私はこれからの人だから、そんな人に付き合ってって言えない、というようなことを言っていた。

そう話していたけど、今も同じ気持ち?付き合うとか考えられない?と、私は彼に再度聞いた。

彼は、そうだね、付き合えない。そう言った。

なんとなく、こちらから付き合ってと言ったら付き合えるものだと思っていた私は、離れていてもすぐそばにいる気がしていた彼の存在が、急にすごく遠くに感じて、これから先の未来が突然曇り出したような感覚に陥った。

やっと、向き合おうという気持ちになれたのに、また宙ぶらりんの状態に後戻りしてしまった。むしろ、前よりももうどうしていいかわからない。好きな相手とは、両思いなのに、付き合えない。じゃあ、これから新しく好きな人を見つけろと?そんなにすぐ好きになった人を忘れられない。それに、彼とは知り合ってからすでに半年以上経っていて、性格の相性が良いことも充分すぎるほどわかっているし、彼の優しさに支えられている現在の生活が壊れることがすごく恐怖に感じた。

でも、付き合えないのなら、今後この関係がどうにも発展しないのならば、私は一生宙ぶらりんのままになってしまう。早く将来性のある相手を探すべきなのか。付き合えないとわかったことで、彼と向き合おうとした決心が簡単に揺らいでしまった。

例えば彼の子供が成長して親の手を離れるまで、私は待てるのだろうか。その頃、私は40代。例えば、彼の子供と私が同時に生死を彷徨うような事態になったとしたら、彼が駆けつけるのは子供のほうだ。当たり前のことなのに、それがすごく寂しく感じる。自分はだれの1番にもなれず、20代後半〜40代を過ごすことになるんだと考えると、そんな人生はもったいないと思った。

そんなことをまたぐるぐる考えて、結局、彼と向き合うと決める前の自分と同じ状況に戻ってしまった。彼のことは好きだけど、他の人も探すべきなのか。探して仲良くなったとして、絶対に頭によぎる彼の存在。どちらを選んでも苦しくなる自分が目に見えた。そうして、どちらにも決めきれずに、彼とも会うし、マッチングアプリもだらだらと続けることになるのだ。

彼のいない生活は嫌だ。でも将来を見据えられる相手は欲しい。欲張りだとはわかっているけど、もう、たくさん。遊ぶのにも飽きたし、周りがどんどん身を固めていっているなかで自分だけ宙ぶらりんは耐えられない。ひとりでもやっていけますという仮面は、外面だけで充分。弱いところを認め、受け入れてくれる私だけの存在が欲しい。強がりはもう、疲れたんだよ。私はあなたと恋愛がしたいだけなんだ。



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