だいすきなおはなし
🌼ホワイトカメリア/MIYAMU著
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・叶わないことが見えてきた夢ならば、夢を切り替えることで挫折しない人生になり得るのではないか。
・惚れた側の負けでいい。どんなグッドルーザーになれるかが、恋に落ちた者の使命だと思う。
・器用にこなせる恋愛って味がしないじゃないですか。
・人は永遠を願うとき、同時に、自分の弱さを認める責任を伴う。
・抱き寄せるのが愛だとしたら、突き放すのもまた愛に似たそれなのではないだろうか。
・恋かもしれない、はもう恋だし、絶対にこの人に恋しちゃダメだと思うのも恋ですよ。
・永遠を望むなら、そこに誤解も理解も正解もいらないの。ただそこにいてくれて、あぁいるなあって思えればいいの
・男の勘は危機に強い、女の勘は発見に強い
・恋の始まりを誰かのせいにし出したら、その恋は戻って来ません。恋の始まりも終わりも、自分のせいにするのが、大人の恋です。出会いたくなかった、は結婚しようよりも愛の深い言葉です。
・全ての物事には適したタイミングがあって、それを人は運命と呼んでいるらしい。
・口に出した言葉には命が宿るし、口に出してない言葉はこの世に存在しない言葉だから。
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もっとね、芯を掴んだコトバがたくさん詰まってるんだけど、あまりにも多すぎてネタバレになってしまうから超厳選。
惹かれるものがあったなら、ぜひ手にとってみてほしい。
不器用な、おとなたちのおはなし。
読み終わってみてはじめて、「素直になれたら恋は終わりだ」というカツセマサヒコさんの帯の意味を思い知らされる。
どれだけ想っていても、伝え合おうとしなければ、存在していないのと一緒。明日も会える保証なんてないと、肝に銘じて、生きなければと思える。
何回でも読み返したくなる、だいすきなおはなし。
💎透明な夜の香り/千早茜著
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・あなたがいなくなってから紅茶の味が違う。香りは変わらないのに。
・他人のことが気になる人間の洞察力はあなどれない。噓をついたってすぐに見抜かれる。
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色気と危うさと、ずっと浸っていたい心地よさを感じる空気感を纏ったおはなし。
隅々まで世界観が行き渡っているところはさすがの千早さんで、終わり方にも残り香を感じる。
🥀ガーデン/千早茜著
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・不幸も幸福も個人の中にしかない。理解や共感には限界がある。どんなに近付いて感情を共有しても、わかち合っている気になっているだけで、感じるすべてはその人だけのものだ。
・あの時の彼女には、人生のある瞬間だけにしかない美しさがむせかえるほどに溢れていて、そのせいでひどく不幸そうでもあった。
・嫌いなものが目につく時の方が好きなものが見えやすくなる。
・自己肯定は自分でしなきゃ。他人に求めたら駄目だよ。苦しいだけだ。
・きざしは目に見えないところに現れる。死んでいるかのように見えても生きている。逆に生の中でも死は確実にその触手を伸ばしている。地表を苔が覆い尽くしていくように、死はじわじわとその触手を広げていくのだ。
・欲しいのは気のきいた返事でも、優しい噓でも、不確かな約束でもないの。その瞬間の自分をわかってもらいたいだけよ。共感なの。
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なんとなくの違和感とか、言い表せない "なにか" を的確に見つけ出して表現してしまう。
そんな千早さんのすごさを思い知らされるおはなし。
個人的には "きざし" がキーワード。
節々で花を人間に投影しているところがまた、世界観抜群でたまらない。
🌙汝、星のごとく/凪良ゆう著
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・凜としている。それは美人とか、色っぽいとか、若さとかよりもずっと長持ちする上等な品物のようだ。
・誰かに遠慮して大事なことを諦めたら、あとで後悔するかもしれないわよ。そのとき、その誰かのせいにしてしまうかもしれない。でもわたしの経験からすると、誰のせいにしても納得できないし救われないの。誰もあなたの人生の責任を取ってくれない。
・たとえば誰かに依存しなくていい。いやいや誰かに従わなくていい。それはすごく大事なことだと思う。
・いざってときは誰に罵られようが切り捨てる、もしくは誰に恨まれようが手に入れる。そういう覚悟がないと、人生はどんどん複雑になっていくわよ。
・幸せにしてくれそうかなどと訊いていない。誰かに幸せにしてもらおうなんて思うから駄目になる。自分で勝手に幸せになれ。自分は自分を裏切らない。
・大袈裟な言葉は使うほどに関係を削る。
・いつだって核心は言葉の届かない深い場所にある。
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美しくて、残酷で、容赦なくて、尊い。
最初に捉えた物語が、最後には全く違うものになる。
一音一句、零さず魂がのってるから、魅了されてとらわれて、止まれなかった。止まりたくなかった。
一度は読んでほしい。
出会えてよかったと思える名作です。
👥男ともだち/千早茜著
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・夢が現実になった途端、私の人生からは甘く柔らかいものは消えました。夢って叶えば終わりじゃなくて、生きる限り、続きがあるんです。それでも甘く柔らかいものを味わい続けている顔をしなくてはいけない。それが夢を叶えた者の仕事だと思ってます。
・何を言われても笑顔でいなくてはいけない。好き放題に本音や愚痴や言い訳を口にできるのはアマチュアだけだ。
・人はわかり合えないということを知っている人といる方が気持ちが楽なのだ。
・身体と身体の境目をなくすことはこんなにも容易いのに、互いの状況や心を理解し合うのはいつだって難しい。私にとって、プライベートの境界線を侵し合うのは愉快な遊びではないことを、どうやったらわかってくれるのだろう。
・期待がなくて、楽で、居心地の良い、今のままの距離が私たちにはふさわしい。求めだしたらきりがない。濃い関係は、はじめたらいつか終わってしまう。
・なんにもないんなら、一回、全部なくしたらええんやって。残ったもんにしがみつくな。
・才能の有無で諦められる夢なんて最初から無いに等しい。
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わかるけど、わからない。
わからないけど、わかる。
つまりそこには究極があって、当人にしかわからない境地を感じる。
個人的にはただただもどかしくて、どうして、なんで。わからないけど、わかる、でも…をひたすら繰り返してしまったけど、それこそがこの話の最大の魅力で、夢中にならずにはいられない。
🖤シナプス/大木亜希子著
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・純粋な奴ほど、恋愛で痛い目みるから。これは俺調べ。気をつけなさい。
・自分を簡単に正当化しないで下さい。本物の恋愛でもないくせに。
・"正義の匂い" がする人だと思った。 そういうエネルギーを持つ人は、自分を信じて疑わない。常に正しくて眩しい。
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" 性は時に愛に似た表情をして、私達を弄ぶ。
でも本当に抱き締めてほしいのは、いつだって体でなく心なのだ "
というカツセマサヒコさんの帯が、この作品をずばりといい当てている。
繕わず生々しくても読めてしまうのは、登場人物達の人生と、導き出す答えが気になってしまうから。
剥き出しのあれやこれ。
抵抗ない人向け。
しあわせな恋愛しようねって。
ちゃんと心を抱きしめ合える人を選ぼうねって、思わずにはいられないおはなし。
🕊本日は、お日柄もよく/原田ハマ著
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・あのひとの操る言葉は、ひとつひとつ、すべてに生命が宿っている。いきいき、きらきらして、まるで目に見えるみたいだ。あのひとが魅力的だから言葉が輝いているのか、それとも、言葉が魅力的だからあのひとが輝いて見えるのか、わからない。
・影になるためには、条件がある。それは、いつも空に太陽が輝いていること。輝く太陽を享受する誰かがいること。そうして初めて、影は影として存在できるんです。
・言葉っていうのは、魔物だ。人を傷つけも、励ましもする。本やネットを目で追うよりも、話せばなおのこと、生きた力をみなぎらせる。この魔物をどう操るか。それは、話す人次第なのだ。
・聞くことは、話すことよりもずっとエネルギーがいる。だけどその分、話すための勇気を得られるんだ、と思います。
・初めて挑戦するからには不安なことも多いだろう。けれど、初めてだからこそ、真摯に向かい合えることもある。初心忘るべからず、とはそういうことなんだ。
・苦しいとき、人は変わることを望むものなのだ。進歩することを、新しく始めることを。
・自分に一番身近な、自分にとって一番大切な人を守りたい。誰もがそう思っている。そして、そうできる世の中を作ることが「世の中をよくする」ってことなんだ。
・変わらなくても満足ならば、あえて変える必要はないだろう。けれど、よりよく変わるならば、変わったほうがいい。変えるべきことがあるのならば、変えなければならない、ということに。
・困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。 三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。どうだい? そんなに難しいことじゃないだろ?だって人間は、そういうふうにできているんだ。とまらない涙はない。乾かない涙もない。顔は下ばかり向いているわけにもいかない。歩き出すために足があるんだよ。
・ほんとうに弱っている人には、誰かがただそばにいて抱きしめるだけで、幾千の言葉の代わりになる。そして、ほんとうに歩き出そうとしている人には、誰かにかけてもらった言葉が何よりの励みになるんだな、って。
・スピーチには、ときに世の中の流れを、人々の意識を一瞬で変えてしまう魔力がある。
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言葉のもつ力に、何度も涙が流れてしまう。
文章でしか体に入れてないはずなのに、まるで、目の前で聞いているような臨場感と、熱量。生きた想いをまっすぐに、感じることができる。
私達にとっての世の中とは、そんな価値観まで変えてしまう力を秘めているこの本。
"ほんとうに弱っている人には、誰かがただそばにいて抱きしめるだけで、幾千の言葉の代わりになる。そして、ほんとうに歩き出そうとしている人には、誰かにかけてもらった言葉が何よりの励みになる"
その言葉の本当の威力を、ぜひページを捲って体感してもらいたい。
🏠スイート・ホーム/原田ハマ著
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・もしも窓がなければ、窓辺のように花を置けばいい。光が入らなければ、明るい絵を掛ければいい。家は、そこに住む人が、明るく、あたたかくするものなのだから。
・家は、人が住んで、家庭になる。「ハウス」は、人が人と暮らして、時を経て「ホーム」になる。 ほんでね。わが家は特別。なんていうても、ただのホームやないから。「スイート・ホーム」やもん。
・私がもし、もう五歳、若かったら──思わずキスしてしまいそうな距離に彼はいた。けれど、悲しいことに、私は大人だった。
・内面から輝いている人こそが、ほんとうにうつくしい人なのだ。
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" ただいま "
" おかえり "
そんな会話が恋しくなるおはなし。
あたたかい日常、やさしい空間が満ちていて、穏やかな愛情を感じることができる。
ハマさんのおはなしは、人柄やぬくもり、そこにある香りや温度、空気感も立体的に伝わってきて、五感でふれている感覚がある。
純粋に、だいすき。
安らぎたいときに、ぜひ。