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催眠術がかかるしくみ

note投稿3日目にして、たくさんのクリエイターの方々にフォローいただきまして、ありがとうございます。フォローバックを連続でしていたところ、ロックがかかったようになってしまいました。時間を置いて、フォローバックをさせていただきます。

さて、私の記事をお読みいただいた皆さまは、催眠術へのイメージも少し変わり、そして、催眠術への興味も沸いて来たという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
このあたりで、催眠術というのは何をしているのか?という点を、改めて簡単にご説明しようと思います。ご興味のある方は、ぜひぜひ最後までお読みください。

人の意識というものには、顕在意識と潜在意識という区分けがあり、私たちが普段意識している顕在意識は脳のたった3%しかなく、残り97%が潜在意識と言われています。ですから、私たちが普段意識していない潜在意識が、顕在意識に及ぼす影響は甚大だということが分かっています。催眠術は、その、脳の大部分を占める潜在意識に働きかけを行う技術です。
以前も記述しましたが、催眠術は「学問」なので、基本的に催眠術に才能は必要ありません。「催眠術は手順を知っていれば誰でも掛けることが可能」なのです。しかしながら、実は、掛かるかどうかは、掛けられる側に因るところが大きく、才能という意味では「催眠術は掛けられる側に才能が必要」とも言えます。
なぜ掛けられる側に才能が必要か?というと、催眠術の暗示、これを潜在意識に入れるのですが、
例えば「子どもの頃にいじめられた記憶からはもう解放されていいんだよ」
などを暗示として入れる場合を考えてみましょう。実は、この暗示文と呼ばれる
「いじめられた記憶を手放して、過去のトラウマから解放されて、自分らしく生きる」
という「なったらいいな」は、掛けられる側の脳波がシータ波と言われる領域にあるときにしか、この暗示が潜在意識に入らないからなのです。そのエリアに脳波を留めておける人の潜在意識に暗示が入ります、つまり脳波をシータ波にとどめておける人に催眠術がかかります。逆の言い方をすると、そのエリアに脳波をとどめておけない人には催眠術はかかりません。一般的には女性は催眠術が掛かりやすく、男性は掛かりにくいと言われています。実は、私は催眠術を習い始めたばかりの頃は、催眠術にかかりませんでした。でも、掛からなくても掛けられることができるからいいかなと思っていたところ、先生から「催眠術に掛かるようになると催眠術を掛けるのが上手になるので、練習して掛かるようになった方が良いですよ」とアドバイスを受け、練習して、最近は私自身が言語催眠が掛かるようになって来ました。この催眠術にかかるシータ波のエリアとは、4-7ヘルツで、人が寝入る寸前や眠っていて目が覚めた瞬間の脳波の領域のことで、私たちが毎日経験している状態であり、特別な状態ではありません。
私たち催眠術師は、この状態の被験者の潜在意識に、その方が望むこと、こうなったらいいなというイメージを挿入します。逆にこうなって欲しくないとその方が考えている内容は掛けませんし、ご本人にその気がなければ受け取ることもありません。その点は安心していただけます。そして、潜在意識に入った良いイメージ、先ほどの例で言うと、「子どもの頃にいじめられた記憶からはもう解放されていいんだよ」という暗示は、生活の中で必要な時に顕在意識にポンと上がり、ご本人がそれを意識することによって、実現に近づくということになります。すると、過去の自分や過去の嫌だった出来事から解放されて、自分らしく、生き生きと、生きていけるようになるのです。劣等感、コンプレックス、そんなものもすべて手放して、楽しく生活していけたら、それはきっとすばらしい人生になるでしょう。

日本語が分かる被験者の場合には、私たちは、言語で暗示を入れて行きます。どんな言葉を選ぶのか、どんな風に語り掛けたらその方の潜在意識に暗示がより強固に入るのかは、催眠術師の腕の見せ所です。リーダーシップを必要としている方には古典催眠的に暗示は「〇〇です。〇〇になります」と断定口調で語り掛ける方が良いでしょう。催眠術に対して少し不安や戸惑いを感じている方には「〇〇のようになることもできます。あなたのペースで〇〇を受け入れることもできます」と選択肢を示して、可能性を提案してあげる方が効果が高いかもしれません。この言語催眠を使うと、できないことはなく、ありとあらゆる課題への施術が可能となりますが、弱点は時間がかかることだと私は考えています。落ち着いた空間で、被験者と対面して、じっくりと時間をとって施術をしていく必要が出てきます。
そして、もう1つ、私が使う催眠術の種類としては、言葉を使わない催眠術があります。これは、簡単に言えば、言葉で語り掛ける代わりにイメージを潜在意識に挿入するというやり方です。非言語催眠は、言語催眠の何分の1かの効果しかないと言われていますが、でも、この技術があるからこそ、犬たちに催眠術が掛けられるのです。そして、この非言語催眠術の腕の見せ所は、どんなイメージを作るか、作れるかが勝負となります。犬たちに上手く暗示が入らなかった時には、別の挿入方法や別の暗示イメージを試します。犬という生き物にはそもそも上手く挿入できないという課題もあれば、個体差に由来するものもあります。そして、犬に催眠術を掛ける時に障害となるのは実は飼い主の存在です。よって、最近では、私は飼い主さんとそのご愛犬にセットで催眠術を掛けるケースも多くなっています。

いかがでしょうか? 催眠術がかかる仕組み、少しだけご理解いただけましたか? 冒頭に申し上げたように、催眠術とは、学問であり、怪しいものでも怖いものでもなく、私たちが毎日体験している睡眠前後の状態で、本人が受け取りたい好ましいものだけ受け取ることができるという、上手く活用することで、人生が豊かになる技術です。皆さんも、ぜひ、催眠術を体験してみてください。


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