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催眠術師の使命

昨日からnoteを使ってみて、とてもしっくり来ている。広告の多いブログは好みではないし、読むのも疲れる。読者として回遊しても、繰り返しの多い投稿にも辟易とするし、これはというライターも見つからない。しかし、note歴たった1日で、私の記事にスキを押してくださったライターやクリエーターの方々の記事を拝見しに行って、もういずれもワクワクするようなテーマが多いので驚いた。note素晴らしい。私があちこちに書き散らしたものは、今後noteにまとめて行こうと思う。

さて、催眠術師として活動を始めた私には、催眠術の先生方から与えられたいくつかの使命がある(と私は勝手に解釈している)。

1つは、世の中に蔓延している催眠術の誤解を解くこと。得体の知れないもの、コントロールされそうで怖いもの、洗脳、それから皆さんが口々に言うのが、テレビの中での催眠術のイメージだ。我々業界では「舞台催眠」「ショー催眠」と呼んでいるもので、タレントさんが並んで座っていて、催眠術師が催眠術をかけると、手に持ったレモンの味が甘く変わるなーんていう催眠術ショーのイメージ、「私が3つ数を数えると、レモンは普段のすっぱい味に戻ります、1つ、2つ、3つ(パン)」はい、レモンをかじってみてください、ぎゃーーーー、なんていうヤツ。これも確かに催眠術ではあるが、レモンが甘くなったり、ワサビチューブを一気に食べられたり、「ニャー」としか喋れなくなったりすることのどこに、催眠術を使うことの利があるのだろう。過去の催眠術師たちにも悪気はないと思うが、こういう催眠術のイメージを流布したことに一定の責任を感じて欲しい。私も学んでみて知ったのだが、実は、催眠術というのは昔から世界各国で実践されていた体や心に作用する民間療法という側面があって、医療が今ほど発達していなかった時代には、広く人々が催眠術を使った催眠療法・心理療法を生活に取り入れていたと言われている。ウィキペディアの「催眠」という項目から引用すると、
「日本においては、明治末期から大正時代にかけて催眠術が大流行し、催眠術を応用した精神療法や身体鍛練法などを唱える者が多数現れた。それらは医学関係者から霊術師まで多岐にわたり、福来友吉、田中守平などがいた。書物も多数出版され、「催眠」と明記した書籍だけでもこの時期だけで400冊以上が出版されている。その流行ぶりに、風俗撹乱の恐れから、1908年明治41年に発布された警察犯処罰令(1948年昭和23年に廃止)には「みだりに催眠術を施した者」という一項が入れられていた。プロの催眠術師たちは、看板を「霊術」「精神療法」「心理療法」などと書き換え当局の追及をかわした」
とある。ということで、催眠術の真の姿は、怖いものでも怪しいものでもなく、かつては広く民衆に支持されて、生活に活用されていたということは、ぜひ広く知っていただきたい。日本ほど皆保険制度(すべての国民が公的な健康保険に加入していて、安価で平等に医療を受けられる制度)が発達・導入されていない欧米では、医療にかかると高額になってしまうので、今でも多くの人が体調不良の時には、まずはこの催眠療法を受けると言われている。英語では催眠療法のことをヒプノセラピーと言って、それらを使う施術者をヒプノセラピストと呼んで、社会的にも受け入れられている職業だ。先日、とあるリアル講座を受講した際に、自己紹介で「催眠術師です」と発言すると、アメリカ国籍の講師は、「わぉ、最近疲れ気味なので、ぜひ催眠術掛けてもらいたい~」と発言していた。日本以外では、ヒプノセラピーと言えば、民間療法としての認知度が広まっていることを改めて実感したのだった。

そして、催眠術師として活動を始めた私に与えられたいくつかの使命のうちの2つ目は、将来、もし、日本において医療が崩壊するような時代が来た時には、私たちが催眠術を使って民衆の力になること、これは、催眠術を習い始めた時に、一番最初に先生から伝えられたことだ。先生は、今回の世界的パンデミックを目の当たりにして、ご自身の中で憂慮することがあったのだと思う。「本来なら有料催眠術講座で教える内容ですが、収束するまでは無料で講座を開放します。その代わり、万が一の時にはここで覚えた技術を使って、皆さんが人々の力になってあげてください」。この意向に同意しなかった人間、催眠術を悪用しそうな人間には、恐らく先生は催眠術を無料では教えなかったようだ。邪な気持ちがあったかもという人間はいつの間にか講座から消えていた。残ったメンバーは、皆志が高く、催眠術を人生を幸せに生きるためのツールとして使っていこうと今でも切磋琢磨している。

まとめてみると、催眠術とは、人々が幸福な人生を送るためにちょっと力を貸せる技術、お手伝いができる手法、「こうなった方が良くないですか?」という提案だ。これからの催眠術師には、そんな使命があるのだと思う。そんな催眠術師集団の中で、私はかなり異色の存在で、講師の先生方は基本的にあまり動物には掛けないので、どうしても犬たちに催眠術を掛けたいという私は「人間への掛け方をベースにして自由に研究してください」と言われている。おそらく犬に催眠術を掛けると公言しているのは、日本で私一人だと思うが、この技術をぜひ多くの飼い主さんと犬たちの幸せのために使って行きたいと思う。


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