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任天堂と株式会社ポケモンのパルワールド訴訟のゆるい解説

好きなポケモンはライコウです。ども~~~~~ケイトです。
パルワールドのサービス開始当初に思っていたことは、ツイッターのタイムラインに流れる情報からはポケモンぽい見た目のキャラクターがひどい目に合う印象を持っていたので物心ついた時からポケモンで遊んでた身としては、パルワールドちょっと嫌かも。と思ってました。

ただ、これ意匠権では訴えるの難しいだろうなと思ってました。
やるなら特許だなと。


意匠権は工業製品のみ

まず、そもそもとして意匠権は工業製品に限られるので色、形状、模様が似てても物体じゃない以上意匠権ではないのですね。

1.工業上利用できる意匠であるか

意匠法上の意匠であることをはじめ、どのような用途に用いられるものなのか、形状は特定できるか、視覚に訴えるものであるか、同一のものを複数量産し得るか、などを審査します。

https://www.jpo.go.jp/system/design/gaiyo/seidogaiyo/torokugaiyo/index.html

著作権はみんなが想像するより強くないです

こちらのサイトで実際の事例が紹介されている通り、キャラクターが同じテイストで書かれてあって、細部まで模様や色味が全く同じというところまでいかない限り著作権侵害がが認められるのは難しいです。どこか違ったらそれは別物になります。
「頭の葉っぱが花だけど、そのほかはベイリーフじゃん!」は難しいのです。

著作権は「著作権者の権利を保護する」一方で、「文化の発展の寄与」も含まれている為、上の通り著作物がまったくもって同じぐらいじゃないと侵害したと言わないわけです。

文化の発展とは?

ここに二つの絵がありますが、似てると思いませんか?どちらも油絵で、もさもさとした筆遣いで空間の光をうまくとらえて、日常を描いています。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」
フォリー=ベルジェール「劇場のバー」

どちらも「印象派」と呼ばれるジャンルの絵画です。

この描き方が良いなと思った人たちが沢山いたからこそ、たくさんこの画風で絵が描かれて、一つの印象派というジャンルが確立されたわけです。
文化の発展とは連綿と続く創作の上にあるのですね。なので作られた物の権利の保護と、作られる事の両方の保護をされないといけないわけです。

パルワールドの話に戻りますが、ポケモンっぽい。ではこういったことから侵害を訴えるのは難しいわけです。

とっても強いよ特許権

満を持して登場の特許です。わ~~~パフパフ。
特許は強いです。就職活動でもその会社が持つ特許件数でその会社の業界の中での強さがはかられたり、一つの尺度としてみる人もいるとおもいます。
何故強いかというと
・その権利を持っている間独占的に実施することができる。
・特許申請する時、その技術の保護範囲を明確に書くから。
だと思います。
特に二番目が強くて、申請の際には図面や図をもちいて、どの部分がどう働くかを説明し、どういう点で優れているかを事細かに文章化しているので、権利がどこにあるかが明確にされています。
既存の技術よりも優れている事証明して権利化されるので、特許をとるのも難しいです。
特許は申請するのにお金もかかるし、会社によってはちゃんと戦略立てて特許申請するので、本当に強い権利をキープするのは想像に難くないでしょう。なので普通は他社が持ってる権利を侵害しないように自社製品を作るのですが・・・

ポケモン頑張れーー!!!

大切にポケモンの世界観が育まれていた傍で、ポケモンに似た別のものが世界観をぶち壊すのが本当に見ていられなかったのと、そのノリがポケモンに持ち込まれませんようにと祈ってたので、訴訟始まってよかったなとおもいました。
なんというか、ゲームを楽しんだり、アニメをみたり、ポケモンを楽しむプレイヤーの心をちゃんと無視してなかったんだなという。そういう感じで。

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