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モデリング知識0の人間が1か月でblenderを用いてMMDモデル完成させた手順まとめ②

はじめに、この記事の投稿が記事①の投稿からかなり期間が空いてしまったことを謝罪します。申し訳ございませんでした。遅れた理由としましては、自身の健康状態がかなりよろしくなかったためです。
結果、筆者のMMD熱が落ち着いたこともありモデリングに関する記憶が朧気になっています。こちらの記事②は、朧気な記憶とtwitterに残る当時の呟きを参考に構成されています。

'22年12月時点の仕様・記録です。


謝辞

当記事ではnote内外の参考にさせていただいたサイトを紹介させていただいております。参考にさせていただいた記事を書かれた先駆者の皆様、本当にありがとうございます。お世話になっております。

試行錯誤の繰り返し

記事①の「仮出力」後のblenderでの手直し=試行錯誤について書きます。
試行錯誤の繰り返しはblenderやpmxエディタ、MMDにて行いました。試行錯誤の過程で制作したファイル数を見るに50回以上は試行錯誤していると思います。

・不具合① 踊らせたら「ある一点にモデルが引っ張られていた」
以下の画像のような状況です。

左腰の一部がトゲのようになっている=一点に引っ張られている

原因は、ウェイト塗りのミスです。
一つの頂点に対し、ウェイトは合計1.0にする必要があります。上画像のような状態になるのは一頂点のウェイトの合計が1.0では無いためです。

頂点を選択し数値を調整する。

【修正過程】
MMD上でモーションを流し込み、一点に引っ張られる箇所を発見する。

その不具合が出るf数で止め、スクショを撮るなどしてウェイトが正常でない頂点の大体の位置を絞り込む。MMDのカメラ機能やpmxエディタの各材質の表示・非表示を駆使して修正すべき頂点の位置を大体掴む。

blenderにて該当箇所の頂点を探り、上画像のメニューの数値を確認、調整する(ウェイトの数値が調べられるメニューは作業領域の右上に出るはずです)。


無数の頂点からエラー頂点を探し出すのは骨が折れる作業ですが、キャラや作品への愛や根気で乗り切りましょう(他に効率の良いやり方があるかもしれません)。

上画像は修正した後のスクショです。
修正した頂点は本来「頭」のボーンとリンクするようウェイトが塗られるべき頂点でしたが、「右つま先」のボーンともリンクしてしまっていたようでした。その結果、つま先に頭の一頂点が引っ張られる状況に陥っていました。



・不具合② 踊らせたら部位の一部が付いてこない
具体的な例としては「踊らせても腕だけが初期位置のまま」が挙げられると思います。

考え得る原因としては2つあります。
・ウェイト塗りがおかしい→blenderで修正(上記で説明済み)
・ボーンが(MMD上の)親子関係になっていない→pmxエディタで修正(詳細は下記)

赤枠が注目すべき箇所

上画像の赤枠の箇所が注意すべき項目です。
多種多様なMMDモデルが多数の制作者によって生み出されているにも関わらず、それらが一つの共通するソフト(MMD)で問題なく踊っている事実を鑑みれば、共通する規格が存在するのではないかと勘付けると思います。

MMDモデルは各ボーンの名称や、どのボーンを親ボーンとするか、表示先はどのボーンにするか等がある程度決まっていると感じます。筆者は既に配布されている人気モデルの構成を参考にボーン設定をしました。

「腕が付いてこない、初期位置のまま」であれば、親ボーンに肩ボーンが設定されていないことが考え得ると思います。入力して修正しましょう。脚部や首・両目・グルーブ等も親ボーンの設定が必要だったと記憶しています。



・不具合③ モデルが爆発した
試行錯誤の中で一度しか起きておらず、詳しい原因がわかっていません。
しかし、blenderに再度読み込み→mmd_toolsで出力→pmxエディタで再度設定(ボーン・材質の名称や構成等)→MMDにて読み込み をすることで爆発することは無くなりました。
制作時のメモを見るに、爆発するモーションもあれば爆発しないモーションもあったようです。おそらくモデルのボーン設定ミスだと思います。

動き始めたら爆発しました。




物理設定(pmxエディタ)

記事①に引き続きうさこさんのブログやニコニコのブロマガアーカイブ、wikiを参考に設定しました。

なんとなくでもいいので、剛体とjointの仕組みを知る必要があると感じました。ほか、ニコニコ動画の方に剛体やjointの特性を紹介した動画を見かけたのでそちらも参考になると思います。
筆者はMMDはニコニコで成長した文化だと認識しています。youtubeよりもニコニコの方がMMDに関する情報が多いと感じました。また、10年以上前の情報も侮れないなと感じました。


・スカートやコートの裾の物理設定について
pmxエディタには多種多様なプラグインが開発・配布されています。ありがたい…ここではスカート等のひらめく布の物理設定を簡単に終わらせるプラグインを一つ紹介します。


使い方は動画の方を参考にしました。


自分は結局のところ手動でコートの裾の物理設定をしました。ひぃひぃ言いながらの作業でしたが、推しが着ているコートに理想のひらひら感を持たせたかったので挫けず完走しました。
完成したモデルのコートのひらひら具合は下記の動画にて。


結果、スカート・コート等のふんわり感は、jointの数値を調整することで変化を持たせることが出来るとなんとなく理解しました。下画像は当時のメモと自作モデルのコート裾構造について。

赤枠がメモで触れているパラメータ箇所

この自作モデルのコート裾ボーンはタテ0~3の4段、ヨコ(円周の骨?)は0~15の16本で構成しました。


・モデルに現れる黒い線について
原因は法線だと認識しています。法線を修正するにはpmxエディタのプラグインを駆使するか、blenderにてモデリング調整をするか、はたまたpmxエデシタにて材質タブ>エッジ(輪郭)項目で有効のチェックを外すか…

モデル制作中参考にしたであろう記事を紹介しておきます。




モーフづくり

再びうさこさんのブログを参考に作りました。ほか、「mmdモデル モーフ 作成」等で検索結果に出てきた記事等を参考にしたり、既に配布されているモデルを参考にしたりました。参考にするモデルの選び方は、やりやすいようにすればいいと思いますが筆者は「DL数が多い(BowlRollでソートをDL数降順にして検索)モデル/制作したモデル数が多いお方の作られたモデル/'15年以降に作られたモデル」を参考にしました。

最初からモーフを勢揃いさせるのもアリだと思いますし、一旦は「あいうえお・まばたき・にっこり・ウィンク」等の最低限(人によって最低限のモーフは異なると思います)のモーフを搭載させて、後々モーフの種類を増やしてモデルを更新させるというのもアリだと思います。

あとはそのキャラ固有のモーフを作るのもこだわりポイントの一つになると思います。その作品ならではの感情表現の再現や糸目キャラの開眼など…

筆者が作成したモデルの元ネタである「吸血鬼すぐ死ぬ」のサギョウ君は、通常目にはハイライト無し→感情が大きく揺れ動いたときハイライト有りと描写されているように解釈したためハイライトモーフを入れてあります。


完成、配布

配布する前に再度モーションを入れ不具合が無いか確認したり、配布方法やしてほしいこと・してほしくないこと
(クレジット記載、投稿先動画サイトの制限、MMD以外の用途での使用不可、衣装替え不可、テクスチャ変え不可等…このあたりは制作者によって異なります。そのため配布物一つ一つに対して規約を記載・確認する必要があるのだと思います)
を考えたりして配布準備を進めます。二次創作であればファンメイドモデルであることを明記することも必要かと思います。

使用規約(Read me、りどみとも呼ばれる)の構成も既に配布されている"いくつかのモデルのもの"を参考にして良いと思います…あくまで複数を参照するようにしました。また、調べている最中でテンプレ文を紹介しているのも見かけた気がします。

配布先のプラットフォームとしては、BowlRollやニコニ立体が有名でしょうか…または個人のアップローダーなど。配布方法としてはTwiterのリスト機能を使用したものもあるようです('22年12月当時の様子)。


以上、筆者がモデリング経験無しでblenderにてMMDモデルを自作した経験を元に手順をまとめたものになります。

拙い文章で申し訳無いのですが、少しでも手助けになればと思います。実際、自分がモデリングした際は多くの先駆者様方の記録に助けられました。
ありがとうございました。

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カスガイ式サギョウ君モデル、しばらく配布停止していましたがこの記事②を書いたこともあり、再び配布しようかなと思います。自分が臥している時、ちょくちょく「記事が"スキされました"」という通知を受け取って、誰かのためになっているであろうことを実感し元気をもらっていたので…

追記:配布再開しました。どちらも吸血鬼すぐ死ぬに登場するキャラクターのファンメイドモデルです。


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