モデリング知識0の人間が1か月でblenderを用いてMMDモデル完成させた手順まとめ①
無謀にもモデリングの知識もMMDの知識も0な筆者がモデルを作り配布までした記録をここに記します。
謝辞
当記事ではnote内外の参考にさせていただいたサイトを紹介させていただいております。参考にさせていただいた記事を書かれた先駆者の皆様、本当にありがとうございます。お世話になっております。
はじめに
完成し配布しているモデルがこちら。
コートの裾には物理が入っています。当記事②ではpmxエディタを使った物理の入れ方についても説明するのでスカートやコートを着用したキャラを作る際の参考になればと思います。
また、当記事に記す手順はあくまで自己流のため無駄があるかもしれません。自分自身、まだモデリングを勉強中の初心者であるためまだ理解が足りない箇所も多いです。初心者ゆえにつまずいたところを紹介し、これからMMDモデルを作る方のお役に立てればと思います。
上記の前提を踏まえた上で当記事を読んでくださると助かります。
指針とした記事・動画
blenderでMMDモデルを作るにあたって全体像を把握するのに参考にさせていただいた記事・動画を3つほど紹介します。
①モデリングを始めて一か月でMMDモデルを作成した話(blender)[リオ様]
まず初めにこちらの記事を読ませていただきました。こちらの記事も、お役立ちサイトのリンクを紹介していらっしゃいます。実際にモデリングしている様子が綴られているのでモチベ上げにも◎。
②【Blender】MMDモデルの作り方 ~制作の流れ~【初心者向け】[Kano Crow様]
とても分かりやすく、そして簡潔にモデルを作る流れを紹介してくださっています。「次、何すればいいんだっけ…」とつまずく度にこちらの動画を見返していました。
③blenderでMMDモデルを作ろう[うさこ様]
①、②は全体像を紹介してくださっているものになりますが、こちらは各手順の詳細を説明してくださっているものになります。英語版のblenderを使っていらっしゃる・情報が2018年と若干古めのものという点がありますが、十分参考になるありがたいサイトです。
正直この3つの記事・動画を見て、わからないところは都度調べる、という方法をとればMMD用のモデリングはできると思います(実際筆者自身がそうだったので)。
まずはblenderの使い方を知る
チュートリアルです。気楽にblenderを用意して触ってみるところから始めました。参考にさせていただいた動画がこちら。
for VRChatと題していらっしゃいますがblenderの基本操作を覚えるのに持って来いの動画となっております。MMD用のモデリングであれば第4回までの視聴でOKだと思います。筆者は1度動画を通しで見る→動画を再生しながら実際に自分でやってみるというように活用させていただきました。
実際に基本操作を覚えながら作ったものがこちらです。
基本操作を覚え終わったら、blenderでMMDモデルを作るためのアドオンを入手し適用させます(アドオンの入れ方はワニでもできる~の動画で説明されています。)。
ここからは実際にMMDモデルを作った手順をまとめています。
注意点としては、各手順を行ったり来たりすることになるだろうということです。
ここがダメだった→じゃあひとつ前の手順に戻ろう→そのもう一個前の手順に戻る必要もある…
というように何度も試行錯誤をする必要が出てくると思います。根気よく取り組んでいきましょう(休息もとりながら)。
頭部の製作
こちらの動画を参考に作りました。
こちらの動画で作られているような、アニメ目ではないキャラを作りたい場合も形状が違うだけで作り方は同じだと感じました。
頭部のモデリングで大切なのは、ひとまずヒトの頭部と呼べる代物を大雑把でもいいから作りきることだと思います。最初から細部にこだわりすぎるとかえって全体のバランスが取れなくなったり、いつまでたっても次の工程に進めなかったりする原因になりかねません。
ひとまず大雑把に完成させてそこから修正を加える、というようなやり方の方が少なくとも自分はやりやすいと思います。
また、修正を加える前後に自分が美しい・かわいい・かっこいいと思えるMMDモデルを上記アドオンでインポートし、お手本にするのもいい手だと思います。
ちなみに筆者は顔を4回ほどゼロから作り直しました。顔の造形が気に入らなかったというのもありますが、何より後述する工程の"モーフづくり"で一苦労したためです。余裕がある人は綺麗なポリ割についても調べておくと後々楽かもしれません。綺麗なポリ割のコツは、ミラーモディファイアを使って左右対称にする&モディファイアをむやみやたらに適用させないことだと思います。mmd_toolsを使って出力すると、自動的にモディファイアが適用されるので出力段階までモディファイアは適用しない方が良いと思います。
23/08/15追記:上の汚いポリ割の例として紹介している自作モデルのポリ割について
汚くなった理由としては口周りだけ分けて後から作成したため。そして、追記しておきたい本題は、この画像のモデルはモディファイア適用後かつmmd_toolsで出力後のモデルであり、元はここまで細かいポリ割では無かったということです。始めからここまで細かいポリ割で作ることはまず不可能ではないでしょうか…また、「MMDモデルは三角ポリゴンで作られていることが多い」という意見をどこかで見聞きしましたが、それは「MMDモデルとして出力した際の仕様」という見解も見聞きした覚えがあります。
実際、企業が配布しているMMDモデル(=プロのモデラーさんが制作したモデル)をblenderにて確認しても全て三角ポリゴンになっていた覚えがあります(筆者の観測上は)。つまり、四角ポリゴンで作成しても結局は三角ポリゴンに変換されるということです。間違っていたら申し訳無い。
筆者は上記の夏森さんの動画で紹介されている通り、四角ポリゴンで作りました。
髪の製作
MMD用モデルに髪をモデリングするにあたってはこちらの動画を参考にさせていただきました。
筆者はこちらの動画で紹介されている方法①、カーブから作る方法を用いて髪をモデリングしています。
カーブから髪を作るにあたって参考にさせていただいた記事はこちら。
筆者は髪を作る際、前髪/横髪/後ろ髪/アホ毛&くせ毛というようにオブジェクトを分けて作るようにしました。そうした方が位置調整しやすいと感じたためです。
※パーティクルヘアーという髪の生やし方もありますが、MMDモデルには向いていない生やし方なのかなと筆者は思います。
身体の用意
時間短縮&使えるものはじゃんじゃん使おうということで改造可・再配布可(モデルを配布する予定がある場合)の素体をBOOTHからDLして用意しました。BOOTH以外にも素体配布しているサイトはあると思うので適宜探してみてください。
インポートした素体の体型を適宜変化させたら身体の準備はOKです。
必ず改造可能な素体を使用しましょう。利用規約に違反してはいけません。
・AスタンスとTスタンスについて
AスタンスとTスタンスとは"標準状態でのポージング"のことだと筆者は解釈しています。Tスタンスは腕を真横に広げ、地面と水平になっているポーズで、Aスタンスは腕を真横から下に30度~45度ほどおろしたポーズになります。MMDではAスタンスが主流です。もしTスタンスの素体を用意した場合は、下記記事の中で紹介している方法でAスタンスにするか、いったんTスタンスでウェイト塗りまで終えて、そのあとpmxエディタでAスタンスにするという方法をとってください。
23/08/15追記:「下記記事」が消失したためorこの記事を作成した当時リンクを貼り忘れたため当該記事のリンクが無いことに気付きました。どんな内容かすっかり忘れてしまったので、代わりに後記の方法を紹介しているサイトのリンクを貼っておきます。
服の製作
こちらの記事を参考にさせていただきました。
そのほかにも「blender 服 作り方」等で調べればすぐにやり方はわかると思います。
ここまでモデリングが進むと、ある程度自由にモデリングができるようになると思います。ループカット、押し出し、細分化等を駆使してモデリングしていきましょう。
身体と頭部の合体は、ブーリアンモディファイアやマージをして、スカルプトで均せばなんとかなります。
骨の用意
配布されていたものを使わせていただきました。
ここで注意するのが、肉体と親子関係をつけた後に位置調整を忘れずにするということです。特に指の骨や肩の骨、目の骨等に注意してください。また、骨の原点と肉体の原点が同じ(0,0,0)の方がややこしくならないと思います。
親子関係をつける際、自動のウェイトで/空のグループで/エンベロープのウェイトでという選択が出ると思いますが、空のグループでを選んだ方が結局は修正が少ないかなぁと思います。
準標準ボーンを入れる(pmxエディタ)
ここでいったんモデルをblender外に出します。pmxエディタの導入方法についてはググってください。
導入する際注意することは、ファイルのプロパティからセキュリティ欄の「許可する」にチェックを入れておかないとエラーが出る恐れがあるということです。
詳しいやり方はこちらの記事を参考にしてください。
また、準標準ボーン追加プラグインの配布元であるそぼろ様のonedriveからではDLできない場合はこちらからDLしてください。
そして、プラグインをpmxエディタに入れる際も注意が必要です。前述のとおりファイルのプロパティからアクセスを許可する必要もありますが、何よりpmd版とpmx版を取り違えないようにしてください。
筆者は誤ってpmd版を適用してしまい、どうがんばっても足Dボーンが入れられない等の不具合に遭いました。
ウェイト塗り
筆者がちょっと手こずったウェイト塗りです。参考動画・記事はこちら。
ウェイトは頂点に塗るものです。ウェイトをやり直したいときはブレンドモードを減算にしてください。塗ったところが数値分引かれます。
テクスチャ設定
色を付けることで一気にキャラがイキイキとし始めますし、次の工程の仮出力でトラブルに気づきやすいのでここでテクスチャ設定をします。
UV展開等のやり方は初めに紹介したワニでもできる~動画を参考にしてください。
ペイントソフト(クリスタやフォトショ等)を使ったテクスチャ設定の手順はこちらの記事を参考にしました。
また、MMDモデルのマテリアル設定は下記の画像に印してあるところから設定してください(そうしないとテクスチャがMMD上で反映されない)。
仮出力
いよいよ仮出力です。モデルを出力する際は以下の記事中の「基本的なつくり方」を読んでください。手順通りにすれば出力できるはずです。
・pmxエディタでの材質設定
ここで下画像のように設定しておかないと、MMD上で思った通りの色が反映されません。逆に言うと、この数値の性質を理解し自由に扱うことができるようになれば一工夫加えた材質表現ができるようになると思います。
・スフィアテクスチャとToonテクスチャについて
基本テクスチャにいい感じのニュアンスや質感を与えてくれるテクスチャです。これがあるか無いかではキャラの見栄えに大きく差が生じると思います。既存モデルのテクスチャを参考に自分で作ってみたり(盗用は絶対だめです)、再配布可能の素材をお借りして適用させてみたりしましょう。
さぁいよいよMMDにインポートしてみてぜひキャラを踊らせてみてください。おそらく、何かがおかしいと思います。何か一点にモデルが引っ張られていたり、腕がついてこなかったり、モデルが爆発したり…
ここで完成ではないのです。次に待っているのは試行錯誤の繰り返し、うまくいかない原因を探って解決方法を考える工程に入ります。
私は、この試行錯誤するのがモデリングで一番大変で一番面白い工程だと感じております。ここまで来れた方はうまくいかなくて当然!仮出力するところまでよく出来た!と自分自身をほめてください。
記事①はここまでです。お疲れさまでした!
記事②では試行錯誤の繰り返し
物理設定(pmxエディタ)
モーフづくり
完成、配布
について具体的な事例を紹介しながら説明出来たらなと考えております。
稚拙な記事になりますが、最後までお読みいただきありがとうございました。
更新履歴:23/08/15 リンクの不備を修正、行間の調整、モデリングについて加筆