2022年秋アニメ、話題作・人気作続編以外で見ている作品メモ
今期、大変すぎます。
待望の続編とか、まさかの続編とか、外せない大作とか、どう見ても当たりしか出せない話題作とか、もろもろ。そのへんを押さえるだけで1年くらい楽しめるボリュームがあってもう追いつけません… 。そういう作品は後から安心して見ればいいかな。逆に、今を逃すと見逃してしまいそうな作品を先に見ておこうと思い、いくつか配信で視聴しました。そういう中で現在続けて視聴している作品がこちらです。
ぼっち・ざ・ろっく!
バンドに憧れギターを始めるも、誰にも誘われないまま中学3年間を過ごしてしまった後藤ひとり。高校では…!と、学校では弾かないギターをわざわざ持って行きバンドガールアピールをするものの、やはり誰にも相手にされない日々。そんな時、公園でいきなり声をかけられ「結束バンド」のメンバーとしてライブハウスで演奏することに…
というコメディ系のバンドもの。後藤ひとりこと「ぼっちちゃん」(ひどい…)のコミュ障っぷりが話の土台になっているんですけど、その裏側にある自己肯定感の低みが絶妙で、何となくアマプラで1話を見て以来毎週見続けています。うんうんわかる、って思いながらも他人事として笑えて、微妙にウザくあり可愛げもあるという。
そのボッチちゃん、実はギターテクはすごくてYouTube上では有名なのに周囲は(一応)まだ誰も気づいていません。次はボーカルの子も加入し、いよいよライブで演奏することになるのでしょうか。マンゴー仮面?を卒業し、いつか観客の前でちゃんと演奏するぼっちちゃんには、きっと相当のカタルシスが待っていると期待しています。
映像的にも、間とかテンポとか構図とかが気持ちよくて、すごく素直に見られるし、顔の崩れ方とかデフォルメ表現とか突然実写が挿入されたりとか、遊びの振れ幅も楽しいです。
バンドものといえば演奏シーンが気になるところですが、今のところあまり入ってきていません。作画コスト的にもそれを話の山場にぶつけてくるのかもですね。この先も楽しみです。
後宮の烏
こちらも前情報なくアマプラで視聴。後宮にいながら皇帝のお渡りがない「烏妃(うひ)」と呼ばれる特別な存在。妖術のようなものを使う力により代々宮廷に仕えてきた女性たちのことで、主人公はその烏妃である寿雪。そこへ皇帝がやってきて、人探しを頼まれ、真相を探っていくと… という、能力系謎解きに宮廷の権力闘争、寿雪の出自が絡んだ因縁など、大小の要素がうまいこと混ざった物語です。
第1話・2話が前後編になっており、烏妃という存在とその理由、当事者である**の孤独、それを取り巻く皇帝や宮女たち、まだ見えぬ黒幕… と、必要な要素を織り込みながら人物像を描き、3話、4話でキャラクターのパーソナリティを掘り下げていく構成がとてもよかったです。
作画の落差がけっこうあって、時々力の抜ける部分があるものの寿雪の目鼻は絶対崩さない。演出的に押さえるところは押さえてる。そういうメリハリがあって、絵のクオリティで話が台無しになるようなことはなくて、こういうのぜんぜんオッケーだなと思います。原作が小説なので多分設定や世界観については詳しく説明が入っているのだと思いますが、そういう説明臭さを感じさせず、かつ映像としてテンポ良く、ちゃんとわかるという。ビジュアルで無駄に疲弊していというか、押さえるとこ押さえて話に引き込むのが上手いなあと思います。
その上で、見せ場である「術」のシーンにはめちゃくちゃ力入れてる。魔法少女で言えば変身シーンですね。単にバンクじゃなく、展開に合わせて描いているのも芸の細かいところ。監督の手腕なんですかね。そのバランスが心地よくて見続けています。いろんな布石の今後も気になります。