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iPad Pro 11インチと新型iPad Air、どちらを選ぶか悩んでいる人のための記事をMac Fanで書きました
4月29日発売の『Mac Fan』(2022年6月号)にて、「iPad Airが"買い"の理由」特集の一部で記事を書かせていただきました。
『Mac Fan』は、読み放題の『dマガジン』『楽天マガジン』でも読めます。
スペック表ではわからない差もある
この春発売された新型iPad AirにM1チップが搭載され、スペックがiPad Proに近づきました。どちらを買うか悩んでいる方のために徹底比較してみよう、というのが今回の特集のコンセプトです。似ているようで、比べてみるといろいろな差があるんです。
スペック的に違うけれど実際使用感はどうなの? とか、スペック表にないけれど使ってみると体感的に違うとか、製品紹介を見ているだけではわからない部分が結構あるんだと気付きました。ご興味ありましたら本誌で読んでみてください。
個人的には、今のiPad AirはiPadを初めて使う人、久しぶりに買い替える人にピッタリのモデルだと思います。このスペックがあれば大体のことはできるし、この先数年は余裕で使い続けられる安心感があります。記事にも書きましたが、いまのiPadファミリーの事実上のスタンダードはiPad Airと考えていいと思います。
iPad Proが向いている人、iPad Airが向いている人
で、結局どっちを選べばいいの? という話ですが。買う方が何をしたいかに合わせるのが一番です。
動画編集とかRAW現像、イラスト制作などのクリエイティブ系でバリバリ使いたい方なら、iPad Proが向いていると思います。1TB、2TBの大容量ストレージとか8コアGPUとか8GB/16GBのメモリとか、プロのニーズに応えるためのデバイスです。ディスプレイのPromotionテクノロジー(リフレッシュレート120Hz)は、Apple Pencilの描き心地にも影響します。
逆に、予算を最優先したいなら無印iPad(第9世代)一択です。iPhoneでいえばSEに該当する、廉価版モデルの位置付けです。ホームボタンあり、Apple Pencil第1世代という仕様で、ラインアップ的には当面維持されていくのではないでしょうか。学校需要とかもありそうですし。
そして、この2つ以外の幅広いニーズに応えるのがiPad AirとiPad miniです。つまり、ほとんどの人に向いています。スペックはほぼ同じなので、サイズの好みで選ぶのがいいと思います。あえていうなら、手帳っぽく機動性高く使うならmini、キーボードケースをつけてPCっぽい使い方もしたいならAir、という感じでしょうか。
新型iPad Airは、米国では「お値段据え置き、スペック大幅アップ」のお買い得モデルとして発売されました。しかし、日本では円安の影響で前モデルより値上げされ、iPad Pro 11インチとの価格差が小さくなっています。
例えば
iPad Air Wi-Fi+セルラーモデル 256GB (9万2,800円)
↓プラス2,000円で
iPad Pro Wi-Fi+セルラーモデル 128GB(9万4,800円)
です。
この差なら、ストレージはちょっと節約してプラス2,000円でPro買っちゃおう、という選択もありだと思います。
「だったら、Airに追いつかれた現行iPad Proより、次世代iPad Proを待った方がスペック的にお得なんじゃない?」という懸念はごもっともです。実際、iPad AirにM1チップを乗せたからには、次のiPad Proが同じM1ということはないだろうと予想しています。
しかし、価格が現行と同等もしくは少し高い程度で買えるかどうかは不明です。
この先、アップル製品がもっと割高になるかもしれない
世界的な半導体不足は現在も続いており、なら設備投資すればいいじゃんと思うところですが、「半導体製造装置を製造するための半導体が足りない」事態に陥っているという報道もあり、この先当面この状況は続きそうです。抜け目なさそうなアップルも「半導体不足の影響により3カ月間で最大1兆円の損失が出る可能性がある」そうなので、コストダウンは期待できないでしょう。
世界的なエネルギー価格の高騰も当面続きそうです。元々の原油高に加えロシア危機で、ヨーロッパではこの冬電気料金が高騰したそうです。日本もじわじわ上がっていますよね。アルミ、鋼材などの原料高も続いています。アップル製品の部品製造や加工コストにも影響は出ているでしょう。
米国内ではインフレが進んでいて、今年3月の消費者物価指数は前年同月比+8.5%。昨日政策金利が引き上げられましたが、今後予想される食糧不足と中国のロックダウンによる物流停滞の影響で、今後の見通しは不透明です。インフレ圧力で製品価格が上がる恐れもあります。
そして、何より円安ですね。アップル的には多少余裕を持たせたレートで日本国内価格を決定しているものと思われますが、130円前後で安定してしまうと、現行商品の価格改定も必要になるかもしれません。
次のiPad Proが現行モデルと同等の価格で買える保証はないんじゃないか…と、個人的には考えています。少なくとも、値下がりになる要因は今のところ見当たりません。価格で迷っている方は、モデルを問わず今のうちに購入した方がいいかも…。