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Web Designing2023年10月号でCMSの特集を担当しました

Web Designing2023年10月号にて「CMS特集」の記事を担当しました。毎年恒例のCMS特集です。Hanakoでいえば鎌倉特集みたいなものですかね。毎年やっても必ず何か新しい発見があるお題で、いつか数年分振り返ってみると何か見えてくるものがあるのかもしれない、と思っています。

昨今のCMS事情が気になる方はぜひお手に取ってみてください。「楽天マガジン」「U-NEXT」の読み放題サービスでもお読みいただけます。

取材にご協力いただいた制作会社様

私が今回担当したパートでは、Web制作者の視点で「CMSに関わる課題とどう向き合うべきか」をテーマにしました。CMSは制作者とクライアントの間にあるもの、なので制作者はCMSを通してクライアント(担当者)を見ていることになるわけで。そうするとその時点では、CMSそのものの話ではなく、CMSを扱う上でクライアントとどう話をすればいいのか、という点が大事になるのだろうと考え、取材先の制作会社さんにいろんな話をお聞きしてみました。

株式会社フェアグラウンド様

取締役/プロデューサーの嘉本さん、エンジニアチームのマネージャー須藤さんにご対応いただきました。同社のオウンドメディア「WordPressの相談室」というクライアント向けQ&Aサイトを拝見して、これを書いている方にお話を聞きたいと思ったのがきっかけでした。適度に説明して「詳しくはお問い合わせへ」とか、ホワイトペーパーをダウンロードさせるとかでなく、その場でちゃんと答えていて、かつ企業担当者に配慮した内容で、こうした態度で接してくれる方はきっとお客さんからも信頼されるのだろうと思いました。実際に取材させていただき、お話しぶりからもその姿勢を強く感じました。


株式会社アイムービック様

昨年の「AWS特集」に続いて2回目の取材です。今回はフロントエンド開発チームのマネージャー得永さんと、システム開発チームの増本さんに、CMSのセキュリティ対策についてお聞きしました。クライアントにとってCMSは何かと不安、なのにぼんやりとしかリスクを把握できていない、という状況は少なくないと思います。じゃあどうやって共通認識とか合意を形成していけばいいのか、といった方向のお話です。ベテラン得永さんの視点、ご経験、技術に疎い私にもわかりやすい説明力、大変勉強になりました。AWSコンサルティングパートナーということで、バックエンド側についてもお聞きできました。こちらは増本さんのご担当で、若い方が活躍していらっしゃるご様子もとても素敵です。改めて、一層信頼を厚くする取材となりました。


株式会社マーベリックス様

札幌にある2019年設立の制作会社さんです。代表取締役の竹部さん、システム開発部部長の大野さんにご対応いただきました。WordPressをヘッドレスCMSに用いたJamstack構成で自社サイトをリニューアルされた事例を取材しました。他にも同様の事例をお持ちの会社さんはあると思いますが、マーベリックスさんは発信の量が多く、より深く聞いてみたいと思い依頼させていただきました。竹部さんがエンジニアご出身ということもあって、技術的なチャレンジにとても前向きな印象で、同じ自社サイトリニューアルでもより「価値あるもの」に挑戦する方を選択できるってすごいことだなと思いました。今回残念ながらスコープ外だったデザインについても、その決定までの過程をブログで拝読しとても印象的でした。

お忙しい中を取材にご協力いただき、本当にありがとうございました。

書ききれなかったことの行方

通常こうした記事の取材は、だいたい1時間〜1時間半程度オンラインでインタビューした後、2ページだったり6ページだったり、ページの割り振りにあわせて内容を構成していきます。当然、ページ数は限られるので聞いたお話のすべてを掲載できるわけではありません。

特に今回のような企画では、取材内容を網羅することよりも、要点を押さえ・わかりやすく・記事として軸の通った内容にまとめることが求められます。釣った魚をそのまま皿に載せるのではなく、適切にさばいて、美味しいところを食べやすく、キレイに盛り付けていくイメージですかね。特集の目的に叶うという意味では、これが正しいはずです。

ただ、それによって抜け落ちる部分も当然出てきます。お皿に乗せきれなかった身もあれば、うまみの多いアラもある。そっちもちゃんと美味しく食べられるのに、使わないのはもったいない……と、いつも思います。そういう部分の美味しさを知れば知るほど、文字数やわかりやすさを理由に削ることの難しさに悩まされます。でも、さばいた後は「削る」「凝縮させる」の作業を繰り返すしか記事にする方法がないんですよね……。

今回も、もったいないと思いつつ載せられなかったエピソードがいろいろありました。それでも、出揃った材料の中で一番の醍醐味と考えられる部分を厳選して、限られたページに収めていくしかありません。そして、そうやって厳選するからこその強度が雑誌にはあると思っています。

載せきれなかった部分については、あとでスタッフが美味しくいただき、自らの血肉にしていきたいと思います。これがライターの経験値になると、私は信じてます。

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