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デジタル庁Webサイトが目指しているものを知って、デザインの意図を理解した話

今月発売されたWeb Designing 2022年4月号(2月18日発売)にて、事例紹介の一つとしてデジタル庁のWebサイト制作経緯と運用の現状を取材させていただきました。

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現在のデジタル庁のWebサイトは、デジタル庁のnoteでも紹介されている通り、ノーコードWeb制作ツール「Studio」で構築されています。デジタル庁設立に向けてとにかく時間も人手もない中、短期間で立ち上げ、自分達の手で試行錯誤しながら運用していくという点において、Studioが最適だったといいます。(このあたり、詳しくはぜひ記事でお読みください)。

文字数の関係で記事中ではあまり詳しく触れられなかったのですが、デジタル庁では将来的な全省庁Webサイトの標準化・統一化を目標に、CMS開発やデザインシステム開発に向けた検討が進められています。現在のデジタル庁のWebサイトはそれ自身の役割を担うと同時に、省庁統一サイトのプロトタイプでもある、という位置付けです。

現在の官公庁や自治体のサイトでは、色や写真やバナーがあふれ大量の情報が1画面上で主張し合う様子がよく見られます。しかしデジタル庁では、情報の意味づけ・重みづけをビジュアルに依存せず、究極にシンプルなスタイルにすることで、的確な情報伝達が構造的に実行されるWebサイトを目指しているといいます。

そう考えて現在のデザインを改めて見てみると、ナビゲーションの配置や言葉の選び方、記事ページの見出しレベル、文章そのものまで(行政上の発表以外)、無駄なものは一切なく必要なものは全部ある、という一貫した姿勢が感じられます。情報設計を徹底するとはこういうことかと、その本当の意義を目の当たりにした思いでした。

自分のパソコンのフォルダの中身って、がんばって整理しているつもりでもファイルの仕分けに悩んで階層が複雑化したり、何かとルールがゆるくなったりして、結局どこかでとっ散らかってしまいませんか? デジタル庁のサイトは正式に仕事を始める前の段階で長期運用を見越してそうした情報整理を設計しなくてはならなかったわけですから、考えることは相当多かっただろうと思います。

各省庁Webサイトの現状をみると、これら全部の情報設計を統一させるなんて到底可能な道のりとは思えません…
この先、一体どうやって実現されていくのでしょうか。

これまで、遅い・わかりにくい・的外れな行政が目についても、私自身は「お役所仕事でしょ」と期待せず怒りもしない態度で過ごしてきました。でも、民間からデジタル庁に入り、プロジェクトを進めている方々のお話をうかがう中で、いまできること・これからつくるものの可能性に対して真摯に取り組む姿勢に触れ、最初から諦めていた自分の気持ちの貧しさを申し訳なく思いました。

デジタル庁のWebサイトは、現行のStudioによる運用から、ヘッドレスCMSを採用したサイトへのリニューアルが予定されています。デザインシステムがどう機能するのか、運用体制がどうなるのか、次期Webサイトにも業界注目の要素がたくさんあります。Webに関わる方々のお役に立てる情報があると信じて、今後また機会があればデジタル庁Webサイトのプロジェクト進捗を取材させていただきたいと思います。


今回は他にも、ヘッドレス、ノーコードをキーワードにトレンド解説や事例をいろいろと取材させていただきました。CMS特集ってもう4回目くらいなんですけど、何かと話題が尽きないものですね。Webサイトに関わる制作者・担当者のみなさまにお読みいただければ幸いです!

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