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Mac Fan2024年9月号で、記事執筆の資料整理に「NotebookLM」を使ってみました

Mac Fan 2024年9月号が発売されました。今回私は第1特集「[マニアのための]Appleプロダクト大全」にて、iPadとApple Watchのパートを書かせていただきました。Mac、iPhoneからソフトやサービスまで、いまのAppleの全貌がわかる大特集です。お手元に置いておく価値ありの一冊です!

私が担当したiPadは現在4モデル。Apple Pencilが4モデル。Apple Watchは3モデルとバンドが18種類。紹介記事を書くには、前モデルまでの経緯も踏まえて特徴を把握しなくてはならないのですが、さすがに憶えていられる量ではなく……。なので、Appleの製品仕様やプレスリリース記事と首っ引きで、まずはスペックの整理と比較からやるわけです。でも、iPadやApple Watchも世代を重ね、ラインアップも増えて、バラバラに存在する情報の所在を把握するだけでもけっこう大変なんですよね。

ということで今回試しにAIを活用してみました。使ったのはGoogleが提供している「NotebookLM」です。取説や論文を読み込ませたりするレビューでご覧になった方も多いのではないでしょうか。今回はこれに、公式のWebサイトや製品仕様、プレスリリースなどを読み込ませてみました。

具体的には、NotebookLMを開いて「新しいノートブック」を作成。「アップロード元」でソースのタイプを選択し、資料となるURLやドキュメントをどんどん追加していきます。

NotebookLMで「新しいノートブック」を作成し、ソースとなるURLやドキュメントをどんどん追加します

そして、チャット欄に質問を入力すると……

ソースの読み込みが終わったら、チャット欄に質問を入力

「11インチiPad Air(M2)と、iPad Pro 11インチ(第4世代)のスペックの違いを5つ挙げて」

11インチiPad Air(M2)とiPad Pro 11インチ(第4世代)のスペックの違いとして、以下の5つが挙げられます。
●チップ: iPad Air(M2)はApple M2チップ、iPad Pro 11インチ(第4世代)はApple M2チップを搭載しており、どちらも高性能な処理能力を備えています。12 しかし、iPad Air(M2)のRAMは8GBなのに対し、iPad Pro 11インチ(第4世代)はストレージ容量によって8GBまたは16GBが搭載されています。12
●ディスプレイ: iPad Air(M2)はLiquid Retinaディスプレイ、iPad Pro 11インチ(第4世代)はLiquid Retinaディスプレイを搭載しており、どちらも高精細な映像を楽しめます。13 ただし、iPad Pro 11インチ(第4世代)はProMotionテクノロジーに対応しており、より滑らかな画面表示が可能です。2

……以下略

「Apple Pencilのモデルと、それぞれの特徴を教えて」

Apple Pencilには、4つのモデルがあります1234。
●Apple Pencil Pro1:
○最新モデルであり、"魔法のようなこと"をさらに多く実現できる5。
○握る力の強さを感知して新しいパレットを表示する「スクイーズ」、回転させて形の異なるペンツールやブラシツールをコントロールする「バレルロール」、アクションを確認する軽い振動を返す「触覚フィードバック」などの機能を持つ2。
○ペン先がディスプレイのどこに触れるかを正確にプレビューできる「ホバー機能」を搭載し、ダブルタップでツールをすばやく切り替えられる5。
○対応モデルは、13インチiPad Pro(M4)、11インチiPad Pro(M4)、13インチiPad Air(M2)、11インチiPad Air(M2)2。
○価格は、¥21,800です6。
●Apple Pencil(第2世代)2:
○鉛筆のような書き心地を提供し、線の太さを変えたり、細かい陰影をつけたり、アーティスティックな効果を作り出すことが簡単7。

……以下略

各文の最後にある数字は、NotebookLM上ではソースの該当する部分へのリンクになっています

という感じで、与えられたソースから該当する情報をまとめて提示してくれるので、探すのがとても楽ちんです。自分専用のApple製品に詳しいアシスタントが誕生したような印象です。もちろん元の情報に当たって真偽を確認するのは必須です。たまに間違えてるし、「提供されたソースにその情報はありません」と回答されることもあります(あるよ!)。

当然これで終わりではなく、ここからが自分の仕事です。ユーザー側がそのスペックにどんな意味を見いだすのか、前モデルとの差異のどこに価値があるのか、製品の変化からどんな意図が読み取れるか……。整理した情報に何を見いだせば面白いと感じられるか、という部分を私が人間として考え書いていくわけです。まあでも、このへんもうまい文章生成AIがやってくれるのかもしれませんけど。

なんかこれだけ読むとかなり仕事が楽になったみたいに見えるかもしれませんが、そんなにスマートに仕事をしているわけではないです。泥臭く紙にメモして並べてみたり、ざっくりなスペック表をプリントアウトしてポイントを書き込んでいく、みたいなこともさんざんやっています。いくら資料がサッと上がってきても、自分が納得してないとそこから作文はできないですよね。AIによる効率化のボトルネックは人間なんだな……と思いました。

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