2021年春アニメ完走したもの
今期は気の向くままにつらつらと見てましたけど、振り返ってみると、わりと本数ありました。記録として感想をまとめてみます。(順不同)
『Vivy -Fluorite Eye's Song-』
特に前情報なくたまたま見たところ、どうも既視感ありげなAI反逆もの。AIを人格にしたがる設定はもうお腹いっぱいですよ… と思っていたのですが、たまに差し込まれる異様なクオリティの決めカットとか、ナルトかと思うようなアクションとか、設定はともかくドラマがいいとか、何だか変な勢いにやられて見続けてしまいました。
ツッコミどころは結構あるんですけど(レトロフュチャーだとしてもそのデザインどうなの…とか)、細かいことはいいからとにかくついて来い、っていう勢いがよかった。それだけに、ラスボス戦のエモがもう一声…な印象だったのがもったいなかった。思わせぶりなインストEDの壮大な伏線回収に期待しすぎた。
『SSSS.DYNAZENON』
わかりやすく爽快でカッコいい巨大合体ロボットと、ナチュラルでリアリティあるキャラクターたち。それはそれ、これはこれで面白く、それでいて両方が影響し合っていて、伝統的なケレン味がちゃんと現代劇の中に生きているのが新鮮でした。グリッドマンともまた違う日常みというか。
ダイナゼノン搭乗員の面々、怪獣優生思想、ナイトさん、それぞれ掘り下げがいのある設定ながら、エピソードごとにフォーカスの絞りかたがうまくて、キャラの立ち方が見応えありました。全員の全部が完全に解決したわけじゃないけど、停滞から一歩進むところまで行けたことも、ナチュラルに受け止めることができました。
ワールドを詳しく追いかけるほどではないけれど、新しいシリーズ作品が出たらぜひ見たいと思います。
『86 ーエイティシックスー』
これもたまたま1話を見て、そのまま完走。美形キャラと多脚戦車戦もアピール度高いですが、最初に惹かれたきっかけは映像を見せる編集の面白さでした。重なっている時系列を完全に切り離して別視点で見せたり、同じ”戦闘”へ向かう状況を対比させる状況描写とか、結果を見せてから成り行きを見せるとか、そういう一つの真実を多面的に見せる演出が何かと凝っていて、設定とかキャラとかよりも、映像として面白みがありました。
面白みと言ってしまうのが不謹慎なほど悲惨な設定ではあるのですが…。OPの演出とかも、ちょっと悲しすぎでしょあれは…。Cパートも毎回ヒヤヒヤでした。
共和国(軍)の設定とかレーナの行動原理とかの幼さがちょっと好きになれず、自分が対象年齢でないことは度々感じたんですけど、映像としては最後まで興味深く視聴しました。
『ゾンビランドサガ リベンジ』
前作がとても良かったので期待してましたけど、期待の3倍くらい面白かった。最高。ほんとに面白いと人間語彙を失うものですね…。
ホワイト竜、アイアンフリル、競艇、新メンバー、そして佐賀事変、トドメの駅スタまで。なんでこんなすごい物語を描けるのだろう。
いやもう、存分に笑ったし感動したし、変わらぬ佐賀愛も素晴らしい。最終回Cパートの衝撃まで含めてパーフェクトに楽しみました。
『オッドタクシー』
ビジュアルから受けるゆるい印象はあっという間に覆され、世間(私の観測範囲)を騒然とさせた問題作。見たことない人には予備知識なしでじゃんじゃん見て、としか言えない。じゃんじゃん見て。
最後まで引っ張った壮大な仕掛けにやられたのはもちろんですが、最初から飛ばしてたキレのいい会話劇がなんとも魅力。バラバラの場所にいたキャラたちが繋がるたびに危うさを孕む展開も、伏線も、キャスト陣もみんなハマってて強烈でした。デザインも音楽もスタイリッシュで、海外人気も盛り上がりそうですね。
放送と並行してYouTubeのオッドタクシーチャンネルで公開された長嶋のオーディオドラマもヤバかったです。これ聞いてない人はぜひ今からでも聞いていろいろ補完してください。最終回を見た後でもう一度見たくなる作品でした。
『スーパーカブ』
淡々と、本当に淡々と。季節が流れていく物語なんだとOPで感じていましたが、それが非常に美しくて。こういう季節の中をカブで走るのは最高だなと、絵の力で伝えてくれる作品でした。Benly CL50を愛していた頃を、見る度にいつも思い出しました。
共感もたくさんありつつ、それは無茶では…と思うことも度々ありましたけど。真冬の川に落ちた女の子を濡れたまま前かごに乗せて走ってはいかんと思いましたけど。
それでも最後に、変えていくのは自分の力なんだってはっきり伝えてくれたのは良かったと思う。どこかへ行きたいと思う、そのこと自体は自分の力。そう思ったときに行ける力を貸してくれるのがスーパーカブ。
『フルーツバスケット』
長かったけど、ここまで見てきたので最後まで付き合いました。自分が対象の年代じゃないってわかってましたけど、何かを描き切るという、そのパワーに惹かれました。
ここまで長い原作ものを最後まで描き切るのは、珍しいですよね。原作者の意向を尊重し、作品を尊重し、完結させられる環境をつくった製作陣の力も大きかったのだと思います。新しさや奇を衒うことよりも、徹底したものが、やり切ったものが作品として強いのだと感じました。
『東京リベンジャーズ』
ホモソーシャルなノリが苦手なので抗争したがるヤンキーとかチーマーみたいな話は避けがちなんですけど、これはタイムリープものとして変な勢いがあったので最後まで見てしまいました。まあ一番は、マイキーくんとドラケンくんを永遠に見ていたいんですけど。すぐ新シーズンが始まるようですが、見るかな…どうだろう。ところでそこまでやってなんで直人だけ改変前の記憶持ってんの?
『不滅のあなたへ』
第1話みたいな人を釘付けにする緊迫感は、登場人物が増えるに連れて薄れていたけど、ちゃんと壮大な展開が足元に続いていました。今度はどこまで連れて行ってくれるのか。2クール目への期待が大きくなりました。地道に追いかけ続けたい作品。NHKでよかった。
今期完走したのはそんなところですかね(続いてるのもありますが)。『NOMAD メガロボクス2』は、ジョーが番外地へ戻ったところまで見ましたが、なんか辛くて止めてしまいました。でも最後は良かったと聞いたので、そのうち履修しようと思います。