2023シーズン目前!イースタン・カンファレンスの各チームに抱く1つの疑問
定番のプレシーズンコンテンツとなる、各チームに抱く1つの疑問。
本当に重要な疑問もあれば、中にはいくつもの疑問の中の1つの疑問にすぎないものもあるだろう。シーズンが開幕してから、それがどちらだったか明確になることだろう。
まずはイースタン・カンファレンスから。
アトランタ・ユナイテッド
チアゴ・アルマダはMVP級の10番になり得るか?
このチームに対してはこれ以外にも多くの疑問を抱くことができる。過去最近フロントが獲得してきたミスマッチな中盤のタレントをどう融合させられるか?マイルズ・ロビンソンの健康状態と、 ディフェンスライン中央のルイス・アブラムの成長曲線は? ギオルゴス・ギアクマキスがどれくらい早くゴールを量産し始められるか?デリック・エティエンJr.が2022と同等の活躍ができるか?そして、ゴンサロ・ピネダがどれほど良い監督なのか?もうとっくに試用期間は過ぎているだろう。
しかし、ここではチームの10番に焦点を当てる。もし今シーズンのアルマダが大方の期待通りCカルレス・ヒル級の活躍ができれば、チームにより余裕が生まれることは間違いないだろう。
シカゴ・ファイアFC
彼らにアイデンティティはあるのか?
メンバーだけで言えば、彼らは試合の主導権を握るようなチームではない。なぜなら、ジェルダン・シャキリのオープンなプレイからのチャンスメイク率はそこまで良くないからだ。ポゼッションも高くないし、NYCFCのようにテンポをコントロールするチームでもない。カウンター攻撃には可能性を感じることもあったが、ジョン・ドゥランが$1,800万でアストンビラへ移籍してしまった今、その戦術に頼ることも少なくなるだろう。
ウィングのバランスはいいが、エリートな選手ではない。ストライカーに関してもそうだが、そもそもこれという選手がいない。
仮に、シーズン半ばで誰かが「いつも通りのシカゴ・ファイアだね」と言われたとしても、それがいい意味で何を意味するかは想像できない(もちろん悪い意味では想像できる)。
FCシンシナティ
トロフィーを勝ち取れるだけの守備力を備えられるか?
これ以上単刀直入な疑問はないだろう。攻撃力は落ちることが予想されるが、それでもリーグではいい方だろう。
ということで、問題は以上に、トロフィーを勝ち取り得るだけの守備力を高められるか、だ。シーズン後半にオビンナ・ヌウォボドとマット・ミアスガが加入し、その可能性を見せたが、保証はされていない。
シャーロットFC
カロル・スウィデルスキは良い。最高ではないが、昨シーズンはどこでプレイしていても、良かった。
と、それがDPの貢献で唯一ポジティブなことだろう。
ジョルディ・アルシバーはもういないが、カミル・ジョヴィアクは戻ってきている。しかし、昨シーズン1,200分出場して残した結果(0ゴール3アシスト)よりはいい結果を残してもらう必要がある。
アルシバーが去り、ダニエル・リオスが去った後、 フォワードのエンゾ・コペッティに大金を注ぎ込んだ。そんなアルゼンチン人ストライカーは2022シーズンは3,200分に出場して21ゴール決めたものの、その前のシーズンは僅か1,600分の出場でだったの3ゴールしか決めていないため、決して安定しているとは言い難いだろう。
コロンバス・クルー
ウィルフリード・ナンシーがCFモントリオールでやったように、ボールとテンポをコントロールできるか?
直近のリーグをみても、あのモントリオールのチームは最もよく指導、そして構成されていたと言えるだろう。アンバランスになることもなく、常にボールを持ったら何をすべきか理解が浸透していた - ポゼッション重視のチームには重要な要素だ。
クルーは同じようにアプローチするために必要なピースは揃っていると思うが、一夜でそれは達成できないだろう。ナンシーがモントリオールで初めて指揮をとったのは2021年だったが、リズムに乗るまで20試合くらいかかっただろう。
D.C.ユナイテッド
新加入のキーパー2名はスタメンに値するか?
D.C.に対してはたくさんの疑問があるので、シンプルにしておこう。昨シーズンの彼らのゴールマウスのパフォーマンスを「平均以下」と評しても優しすぎるだろう。言ってみれば、毎週、壊滅的だった。
ということで、今冬はアレックス・ボノとタイラー・ミラーを両方ともフリーで獲得した。2人ともタレントはあるが、ボノはトロントがプレーオフに向けて戦っている大事なタイミングでパフォーマンスが低下し、ミラーはキャリアのほとんどをバックアッパーとして過ごしている。
インテル・マイアミCF
ジョセフ・マルティネスとレオ・カンパーナのコンビは爆発するか?
この2人と契約したことで、マイアミは今季なんらかの形でツートップを採用することが見えてきた。それが3-5-2だろうと、4-4-2だろうと、ゴールが生まれることは間違いないだろうが、ジョセフ-カンパーナホットラインからディフェンスが見られることはないだろう。
それは大きな問題だあ。相手のビルドアップに対してプレッシャーを与えられなければ、自チームの中盤は簡単にバラバラになるだろう。マイアミは更に守備をしない10番をおく構想であれば、その時点で数的不利に陥るだろう。
わかりやすい例で伝えよう。オースティンが守備的に向上したのを覚えているだろうか?ルベン・ガブリエルセンが最終ラインで奮闘したのと、ダニエル・ペレイラが中盤の底で力を発揮したのが大きかった。
しかし、一番の要因はマキシ・ウッルティがストライカーのポジションから守備に貢献したことだろう。彼が相手センターバックが簡単に中盤にパスを供給できないようにハードワークを怠らなかったからこそ、オースティンの中盤は常にいい形をキープできていたと言える。
このような守備はこのスポーツにおいて一番過小評価されている部分かもしれないが、これがあるだけで、チーム全体の流れが変わってくるのも事実だ。そして、マイアミからはこのような献身的な動きをみることはないだろう。
CFモントリオール
ジョルジェ・ミハイロビッチのプレーメイクをどのように補完するのか?
彼らがどのようにアリスター・ジョンストンやイスマエル・コネの抜けた穴を埋めるかは心配していないが(それぞれアーロン・エレーラとネイサン・サリバ、リダ・ズイールを獲得している)、ジョルジェは健康な時はベストイレブン級の10番で、チャンピオンズリーグ出場経験のあるエールディビジのクラブに移籍し、すぐさま結果を残している(その後は怪我で戦線離脱中)ため、心配だ。
しかし、モントリオールはショーン・レアやマトコ・ミリェビッチのような既存の選手でカバーできると考えているようだ。
この2人が穴埋めをできないようであれば、モントリオールの期待度は昨シーズンよりも全然低いものになるだろう。
ナッシュビルSC
先発のストライカーはいるのか?
プレシーズンで得点を決めているのは、昨シーズンの終盤からの継続だろう。そして、彼らの前線のメンバーは2022年からアケ・ロバを抜いた程度だろう。
ただ、未だにDP枠を埋めたまま、ロバがレンタル先のリーガMXのマサルタンでゴールを量産しているのは、傷口に塩だ。
ニューイングランド・レボリューション
どのフォーメーションを採用するのか?
プレシーズンでは3-5-2を使用しているが、これが全てのDPを同時にピッチに立たせるための手段なのだろう。カルレス・ヒルがフォワードのグスタボ・ボウとジャコモ・ブリオーニの一つ下のポジションで10番となっている。
しかし、1)ブルース・アリーナはいつも4バックを採用しており、2) 3-5-2の場合は、昨シーズン怪我でデビューシーズンを棒に振ったが、活躍を見せた若手ディラン・ボレーロの居場所がないようにも伺える。
ニューヨーク・シティFC
アレックス・カイェンスの穴を埋められるか?
他にもマキシ・モラレスやショーン・ジョンソンが抜けた穴を埋められるか、という疑問も残る。しかし、そこに対しては、策があるようで、サンティ・ロドリゲスを連れ戻したり、リッチー・レデスマと契約するのでは、という噂も聞こえてくる。そして、ショーンジョンの代わりには既にフィラデルフィアよりマット・フリースを獲得している。
しかし、2022シーズンのリーグ最高センターバックだった、カイェンスの穴を埋める動きは見られていない。
ニューヨーク・レッドブルズ
4-2-2-2は機能するのか?
また試みている!4-2-2-2はレッドブルのアイデンティティでもあるが、歴代のRBNY監督は今までこのフォーメーションを機能させたことがないという悲しい事実がある。
ただ、今年は成功させなければならない。なぜなら、コリー・バーク、エリアス・マノエル、ダンテ・ヴァンジールという、決して安いとは言えないフォワードをお3人も獲得しているからだ。). None of them were cheap.
トップが1人だけのシステムを取れ入れるチームがするような補強ではないだろう。
オーランド・シティSC
ストライカーのポジションで競争はあるのか?
DP枠のエルチャン・カラが恐らく開幕時のスタメンだろうが、彼の機動力の無さはチームにとって課題となった。そのため、このオフシーズン、オーランドはスーパードラフトでMACハーマン・トロフィ受賞者のダンカン・マグアイアを獲得し、アルゼンチン人の若手ラミロ・エンリケをU22枠として加えた。
ただ、ジャック・リンもこのポジションレースからは捨てがたい。2022年のMLS NEXT Proでは圧倒し、2023年のプレシーズンでは十分に出場機会を得られている。
Philadelphia Union
優勝候補として期待されているプレッシャーに打ち勝てるか?
ここまでMLSのチームが期待されながらシーズンを迎えたのは2021年だ。誰もがLAFCとコロンバスが優勝のチャンスがあると思っていただろうが、両チームともプレーオフ進出を逃している。
昨シーズンのユニオンの終わり方をみれば、今シーズンも同じインテンシティで臨んでくるだろう。だが、プレッシャーはチームの化学反応に悪影響を及ぼすことがあり、逆に、ユニオンが昨シーズン好調だった要因の一つでもあるだろう。
トロントFC
複数大会をフルシーズン戦うだけの層の厚さはあるのか?
プレシーズンのレッズの層の厚さに関する評価は誰も同じだ - スターティングイレブンは最高だが、2、3人欠いてしまうと、パフォーマンスが落ちてしまう。そして、MLSシーズンを2つ3つに抑えることは不可能だろう。
トロントはベンチにすら入っていない選手からの貢献も必要とするだろう。不安定なロースターなので、今後の展開を読むことが難しい。