2023 MLSイースタン・カンファレンス現時点でのメンバー&選手層診断
新しい年になり、まだオフシーズンはフル回転していないが、少しずつ加熱している気はする。新シーズンに向けてチームを分解して再出発を図るチームもあれば、少しずつ土台を築き上げているチームもある。
ということで、現時点で全29チームのここまでの動きとこれからの可能性をみていきたい。
ここではまだ、オフシーズンメンバー構成のバージョン1.0を共有したい。イースタン・カンファレンスとウェスタン・カンファレンスをそれぞれ見ていくことにする。まずはイースタン・カンファレンスから。
アトランタ・ユナイテッド
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
ファイブ・ストライプス(アトランタの愛称)は、シアトルから新たなクラブ取締役社長兼CEOにガース・ラガーウェイを迎え入れたことが、オフシーズンの一番のニュースだろう。
彼は公式記者会見で、GMではないとはっきり伝えたので、シアトルでの役割とは違うことになるが、実質的にどうなっていくのか見ていきたいところだ。ただし、アトランタのお家芸とも言えた、周りの選手を向上させない、スキルフルな同じような選手を獲得することは過去のものと言えるだろう。
というのも、このオフシーズン、フリーで左ウィングのデリック・エティエンJr.を獲得したからだ。彼は昨シーズンコロンバスで9ゴール6アシスト記録しており、「オフザボールの動き」という近年アトランタのサッカーでは見ない動きを得意としている。
彼はチームの可能性を高め、スペースを攻めることで、スキルフルな中盤にプレーする余裕を与えてくれるだろう。
次の動きは?
ワールドカップカップ王者の一員である、チアゴ・アルマダが中盤の指揮者になることが予想されるが、その保証はどこにもない。アルマダへは魅力的なオファーが入って来る可能性もあり、アトランタも断れないオファーが入ってくれば選手を売ることも現実的だろう。
だからマルセリーノ・モレーノがまだ放出されていないのかもしれない。彼は、アルマダが去れば、10番のポジションにすんなり入れるし、若干ドリブルが多いが、前線に走力のある選手がいれば、その特徴も活かされてくる。また、モレーノはDPではないため、彼をキープすることで、他のポジションでオプションを増やせることも確かだ。
その「他のポジション」というのは、もちろんセンターフォワードだ。ジョセフ・マルティネスはまだメンバーに入っているが、ゴンサロ・ピネダ監督とは修復不可能な仲になってしまったと報じられており、フロントへの批判も聞こえてきているなか、彼はもう戻ってこないという確信的なレポートも出てきている。
昨シーズンの後半からドラマチックなストーリーがあった割には、今冬はものすごく動きが少ない。
動きがあるとしたら、ブラジルのサンパウロに移籍すると言われているアラン・フランコだろう。彼が去るのであれば、CFモントリオールに$90万のGAMと売却金で去っていったホームグロウンのジョージ・キャンベルに次いで2人目となる。
また、マエウス・ロゼット、エメルソン・ヒンドマン、そしてフランコ・イバーラなどの8番の選手が新天地を求めても驚きはない。ただ、そのような話は未だ浮上していない。ゴールキーパーの状況も大きな変化は見られないが、チームはフリーでベテランのクエンティン・ウェストバーグを獲得している。過去には良いプレーを見せていたが、昨年トロントで苦労しており、同じくベテランでもうじき39歳になり、アキレス腱断裂から復帰するブラッド・グーザンともに、2023シーズンはハイレベルなスターターになるとは思えない。
シャーロットFC
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
クラウンズ(シャーロットの愛称)の初参戦となった昨シーズンは成功だったと言えるだろう。すぐに理想的なメンバーで構成していくということではなく、①再現性があり、見た目的にも綺麗な戦術アプローチの採用と②境界線にいるような選手の能力を最大限に引き出せる監督を見つけることに専念したシーズンと言えるだろう。
それでいうと、私はクリスティアン・ラッタンツィオの大ファンだ。彼を監督にしたのはオフシーズンのいい判断だった。
冬の残りはオリジナルメンバーの整理といったところで、主たる放出はジョルディ・アルシバーとアラン・フランコ、左サイドバックのクリスティアン・フクスとメキシコのリーガMXのチバス・デ・グアダラハラに売却されたセンターフォワードのダニエル・リオスだ。リオスも自身のボックス内での役割を十分に理解しているクラシックなセンターフォワードで好きなのだが、怪我の多さも踏まえると、シャーロットが彼を高く売った判断は間違いではなかった。
加入はホームグロウンの2人で、各年代カテゴリーで活躍してきたニムファシャ・ベルチマスと、スーパードラフトで全体1位で指名された左センターバックのハマディ・ディオップだ。ディオップがすぐスタメンを張れるかはわからないが、彼のためにGAM $40万をセントルイス・シティSCトレードしたことは決して払い過ぎではないし、ラッタンツィオは彼を育てあげることができるだろう。
次の動きは?
有識なトム・ボガートはバーンリーから守備的ミッドフィルダーのアシュリー・ウェストウッドを獲得すると言われている。ウェストウッドは長い間良い選手だったが、4月にひどい足首の怪我を負い、それ以来プレーしていない。そんな33歳になる彼が常時スタメンを張るのはイメージし難い。
そのため、中盤の層を深めるために更に補強は必要だろう。やはりデリック・ジョーンズとブラント・ブロニコはスタメンのクオリティではなく、クリス・ヘガートも既にオフシーズンで試されており、2023シーズンはあまりプレーはしないだろう。
ただ、一番の注目は、長らく噂されているエンツォ・コペッティの獲得を実現できるかだろう。コペッティは26歳の、主に9番といわれるフォワードで、昨年突如現れ、アルゼンチンのトップリーグでゴールを量産していた。
長い期間、定常的に活躍していない点には心配が残るが、彼のハイライト動画やラシン・クラブでプレーしていた姿はよかったので、実際に見てみないとわからない部分が多い。
シカゴ・ファイアFC
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
スポーティングダイレクターのゲオルグ・ハイツとテクニカルダイレクターのセバスチャン・ペルツァーは、また12位で終わった不甲斐ないシーズンから、物事を良くするためにもう1年猶予を与えられた。そして、ここまでの動きをみると、継続性、チーム内の改善、そして右サイドバックの補強というポイントが見られる。
つまり、今冬はかなり静かなスタートとなっているということ。唯一の新加入選手は提携しているスイスのFCルガーノからレンタルでやってきたスイス人アタッカーのマレン・ハイレ=セラッシエのみで、放出選手(夏に去ることが決まっていたガガ・スロニーナ以外)は、全て「オプション行使せず」や「双方合意の上」 去って行ったディフェンダーで、その中でもスタメンを張っていたボリス・セクリッチは痛手になるだろう。
プレーオフに進出しなかったチームのスタメン9名をそのまま次のシーズンも使って、プレーオフ進出を望むのはあまり論理的ではないだろうか?恐らく、そうだろう。ただ、ジャイロ・トーレスやジョン・デュランがより奮起すると期待するのはおかしくないし、 ジェルダン・シャキリからも本来のパフォーマンスを期待したいところだ。
次の動きは?
報道によると、ファイアは30歳の右サイドバック、アルノー・ソケットと契約するとのこと。リーグ・アンとベルギーリーグのベテランで、チームにとっては勝ちに行くというメッセージを発信する補強となりそうだ。育成や、原石を磨くというような補強ではない。
それが確実ならば、次の目的はゴールマウスの補強だろう。スロニーナの放出は、よく言えば、クリス・ブレイディのようなホームグロウンの選手に道を開くと思われるが、10代の守護神に全てを任せるようなチームには振り切れていないようだ。そのため、そこに選手を獲得しても驚かない。
もうひとつ動きがあるとすれば、デュランへのオファーだろうが、それは夏へと先延ばしとなりそうだ。
ちなみに、ファイアはまだ一つDPが空いており、トーレスは若いDPのため、ビックネームを獲得しつつ、U22枠を失わずに済む。そとまめ、まだ動きは無いが、ずっとそうであるとは限らない。
エズラ・ヘンドリックソン監督も、DP枠でストライカーを狙っていると公言しているが、デュランが前線を牽引していればそれはあま。現実的ではないだろう。むしろ、センターフォワードをDPで埋めるとしたら、デュランを好オファーで売り捌いた後の夏になるのではないだろうか。
FCシンシナティ
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
シンシナティはアラン・クルス、ロナルド・マタッリタ、タイラー・ブラケット、そしてジェフ・キャメロン全員のオプションを行使せず、約$350万分の給与額を浮かすことに成功した(うち、いくらかはサラリーキャップ、その他はGAMから)。もちろん、これは大きな金額であり、GMのクリス・オルブライトが昨シーズン最もエキサイティングだったチームをアップグレードさせるためには十分の予算だ。
その中で行った最初の投資はエクアドル代表のマルコ・アングロのU22枠での獲得、ホームグロウン選手の追加と、ジェネレーション・アディダスのセンターバック、 ジョーイ・アクプノヌのスーパードラフトでの獲得だ。
つまり、オルブライトがチームの他の部分を補強したいと思っても、余裕があるだろう。
次の動きは?
アクプノヌが加入しても、センターバックが4人のみと、昨シーズン3-5-2を主としていたチームにとっては、まだ物足りない。左ウィングバックで信頼がおけるのもアルバロ・バレアルのみだ。選手層に厚みを増すこと、もしくはスタメンを張れるCBが必要だ。
ロスターには2人のベテラン右ウィングバック、アルバス・パウエルとレイ・ガディスがいるが、どちらもアタッキングサードでの貢献がイマイチだ。ここでの攻撃的オプションは必須ではないが、可能性はあるだろう。
また、ブレンネルやブランドン・バスケスに対して正当なオファーが入ってくることも考えられる。クラブは既にチバスからのバスケスに対する$700万のオファーを断っており、相当な金額を要求していることが伺える。ただ、両者とも今後の成長が見込める選手なだけに、昨年から更にレベルアップすれば、価値は相当跳ね上がるだろう。
とはいえ、夏までこの2名の放出は大きな話題にはならないだろう。
コロンバス・クルー
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
今までMLSで、今冬のコロンバスほど、リーグ内の別チームから積極的に監督を引き抜いた例はないだろう。ウィルフリード・ナンシーがモントリオールで指揮をとっていたほどの実力のままであれば、クルーが彼を獲得するのに費やした資金は見合っているだろう。
オハイオで彼が指揮するチームは、過去2シーズンプレーオフ権を僅かに下回ったチームに近いだろう。数名のベンチメンバーが去っただけだ。
デリック・エティエンJr.とペドロ・サントスという左サイドの選手はフリーで去り、アルトゥールはヒューストンと金銭トレードで放出された。その他数名がオプション行使されずに契約満了となり、唯一の補強は左サイドバック/ウィングバックのジミー・メドランダのみだ。
そのため、若干手薄ではあるものの、トップレベルのタレント(クチョ・ヘルナンデス、ルーカス・ゼララーヤンとダーリントン・ナグべが全員DPとして継続予定)と若手(エイダン・モリス、ジャセン・ラッセル=ロウ、ウィル・サンズ、そしてひょっとするとアレックス・マタンも大きな期待がされている)がいるため、最悪の事態ではないだろう。
次の動きは?
現時点では4人しかセンターバックがおらず、ナンシーがモントリオール同様3-4-2-1を導入するとしたら、足りないだろう。また、センターハーフに関しては、ナグべとモリスのバックアッパーはホームグロウンでまだ未知数のペアのみだ。
しかし、一番の課題は攻撃にあり、マタンからのアップグレード、もしくはケビン・モリーノの奮起が必要だろう。どれだけナンシーの育成術が優れてたといえど、この課題はすぐには解決しないだろう。
具体的な動きこそまだないものの、水面下で物事が動いていると推定するしかないだろう。
クルーは、前述の通り、すべてのDP枠を埋めてしまっているが、U22枠が空いているので、そこに期待したい。
D.C.ユナイテッド
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
ちょっと待って、整理させてもらいたい。
シーズンが終わってから、D.C.ユナイテッドは:
GMのルーシー・ラシュトンが退任。
暫定監督に再度チャド・アシュトンを任命。
報道によるとCSOだったデーブ・キャスパーを「顧問役」に。
トップスコアラーのオラ・カマラと守護神だったビル・ハミドとダビド・オチョアを含む12名の選手(ロスターの約半分!)のオプションを行使せず。
7名の選手を獲得(MLS間トレード2名、フリーで3名、ラウドンのファームチームから1名、そしてスウェーデンのハマービーから左サイドバックのモー・ジアズ)。
簡単にいえば、ウェイン・ルーニーに全てを委ねたと言っていいだろう。
そして早速、今シーズンのスターティングゴールキーパー(タイラー・ミラー)とスターティングディフェンダーの3選手を引き入れてきた。彼ほど忙しいオフシーズンを過ごしている監督はいないだろう。
ただし、ここで終わりということは全くなく、昨シーズン途中に加入したDPのビクター・パルソンやTAMで獲得したラベル・モリソンは期待を裏切っており、4年前に獲得したクリス・ダーキンとラッセル・カヌースも思い描いていた成長曲線を辿っていない。
次の動きは?
中盤の強化だ。リーズの10番や8番を担っているマテウス・クリヒがトップターゲットと言われているが、この32歳はDPとして獲得するほかないだろう。そうなった場合、誰かが放出されるか、年俸を下げられるしか方法はない。
現在所属している選手がもっと活躍しない限り、クリヒを追加するだけで課題が解決するとは思わない。そして、それでも3人の中盤を回すだけの層が厚いとはお世辞にもいえない。1シーズンをフルに、この怪我人が多いチームが5、6人で賄うのは十分ではない。
ワッザ(ルーニーの愛称)も身を粉にして働かなければならない。契約も残り12ヶ月。彼のビジョンにクラブは相当信じていることだろう。
インテル・マイアミFC
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
シーズンが終わってすぐ、フォワードのレオ・カンパーナを若手のDPとして契約した。今度は誰もがもう1人の「レオ」を待っている。誰だかわかるだろ?
現時点ではこういうシナリオだ:サッカー史上最高の選手が今夏加入するのであれば働き者のベテランと最低1名の(メッシのキラーパスに反応できる)スターアタッカーが加入することが想定できる(現時点でDP枠が2つ空いている)。
しかし、メッシが加入しないとなれば(それもすぐにわかるはず)、マイアミは南米でチアゴ・アルマダのような選手を中心としたチームを作っていくだろう。
現状、アレハンドロ・ポスエロは契約満了で、チームに戻ってくる可能性は薄い。ゴンサロ・イグアインは引退し、選手層も薄い状況だが、ロサリオ出身のスーパースターが決断をするまで大型補強も保留のままだろう。
ただ、ユース世代のサッカーに詳しい人はホームグロウンの8番ベンジャミン・クレマスキはスター候補だと期待しているだろう。アカデミーから11月に契約してばかりの逸材だ。
次の動きは?
#MessiWatchがいずれ終わること。
マイアミ・ヘラルド(現地紙)がクラブとインテルナシオナルの21歳のアタッカー、マウリシオと交渉を進めている、と伝えている通り、メッシはおそらく2024年までパリに残るだろう。しかし、まだ希望は捨てていない。
スウェーデンのAIKに所属するニコラス・ステファネッリ(両ウィングでプレー可能)もDPではない契約で加入する噂も出ている。どちらかというと、バックアッパーの印象だが、みてみないとわからないだろう。
また、マイアミはセンターバックと左ウィングのアップグレードにも力を入れるだろう。フリーのアーロン・ロングを狙っているクラブの一つと言われており、メッシが来ても来なくても、DP枠で左ウィングは獲得するだろう。
CFモントリオール
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
かなりの収益を得た彼ら。ワトフォードへイスマエル・コネを$800万、 ジョルジェ・ミハイロビッチをAZアルクマールへ$600万で売却し、アリスター・ジョンストンをセルティック(オールド・ファームでのデビューはとても良かった)へ$350万で放出した。
さらに、ウィルフリード・ナンシーをコロンバスへ売却したことでも資金を得ることができ、元D.C.ユナイテッドのエルナン・ロサーダを新監督として迎え入れた。ロサーダは2年前、手札が少ない中でも多くの栄光をD.C.で手に入れたものの、ロッカールームでは信頼を失っていたとの声も。今回はその経験から学び、より人身掌握に注力することを願いたいものだ。
もう一つ願いたいのは、ロサーダがナンシーのように選手を育てられることだ。なぜなら、それはモントリオールのDNAのコアだから。そのため、今冬既に獲得している2名 - レアル・ソルトレイクと$50万と国際選手枠のトレードで獲得したRB/RCB/RWBのアーロン・エレーラとアトランタに約$90万分のGAMを支払って獲得したセンターバック、ジョージ・キャンベル – は競争力も高められるし、今後育てて高値で売れる選手だ。
モントリオールは更にジェームズ・パンテミスを完全移籍に切り替えることに成功し、昨シーズンのゴールマウスでの活躍を期待したい。
次の動きは?
センターバックのジョエル・ウォーターマンとカマル・ミラーの両選手が海外から注目されているという噂が入ってきているが、オファーが正当なものであれば、モントリオールは売却するだろう。キャンベルは恐らくウォーターマンの後釜として獲得したのだろう。
1人を売却するなら問題ないが、両選手を売るとなると、また1人獲得しなければならないだろう。オリバー・レナードは代役を務められるほどではないだろう。
また、アカデミー出身のリダ・ズヒルもセントラルミッドフィルダーとしてコネの後釜としては物足りないだろう。ただ、良いニュースがあるとすれば、昨年ベストイレブン級の活躍をしていたDPのビクター・ワンヤマが戻ってくることだろう。
それでも、中盤が手薄なのは間違いなく、ミハイロビッチ級のチャンスクリエイターは探さないといけないだろう。
アルゼンチン系アメリカ人の10番でインデペンディエンテと契約満了になっった24歳、アラン・ソナーラの獲得の噂もある。いい補強になると思うが、どうなることやら。
ナッシュビルSC
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
ナッシュビルは粛々と選手層を厚くしている。あまり使われていなかった選手を放出すると同時に、ジェイコブ・シャッフェルバーグを完全移籍に切り替えたり、ベテランウィンガーのファファ・ピカウトをトレードで獲得したり、USLチャンピオンシップのセンターバック、ローレンス・ワイクを獲得するなどの動きに出ている。
ただし、一番の収穫は、まもなく公式になる、DPセンターフォワードのアケ・ロバをリーガMXのマサトランへ売却したことだろう。彼はMLS史上最もコスパの悪い選手の1人であり、ナッシュビルは彼に約$700万費やしたものの、2シーズンで700分出場し、たった2ゴール2アシストしか記録していない。
ロバがいない今、DP枠でターゲットマンを獲得することが一番優先だろう。今回は、ちゃんと見極めるべきだ。
次の動きは?
クロスを好み、プレスをかけないナッシュビルに合うような空中戦に強いフォワードだろう。もしかしたらスポルティングKCよりも、クリスティアーノ・ロナウドの獲得を狙えばよかったかもしれない!
ただ、誰1人としてナッシュビルの獲得の噂を聞いていないが、今回は南米ではなく、ヨーロッパに目を向けているだろう。
ウート・ヴェグホルストが夏までベシクタシュにレンタルされているのは非常に残念だ。
そして、もう1人センターミッドフィルダーがいてもいいだろう。2つのポジションに4人の選手がいるが、怪我人が出た時のことを考えると、すぐに手薄感が出てしまうだろう。
ロドリゴ・ピネイロは、以下のメンバーには残したが、恐らく新シーズンは戻ってこないだろう。BroadwaySportsMedia.comによると、ほぼ間違いなくチリに残るとのこと。
ニューイングランド・レボリューション
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
多くのサブのメンバーがオプションを行使されなかったり、契約が満了になったことで放出されている(ベテランディフェンダーのA.J.デラガルザも引退している)。
中でも有名なのは右ウィングのイスマエル・タジューリ=シュラディだが、彼はなかなか健康体でいられなかった。シーズン終了後、謎の怪我に対して何らかの治療をドイツで受けたみたいだが、レブス(レボリューションの愛称)はその治療に賭けることなく、昨夏LAFCから$4億 GAMで獲得した選手を放出した。
加入はここまで、リエントリードラフト経由で獲得したベテランのボビー・ウッド、LAFCとのトレードで獲得したラティフ・ブレッシングとスーパードラフトから加入のウィング/ウィングバック/将来のサイドバック候補
ジョッシュ・ボルマだ。更に、ナチョ・ヒルを再契約し、2024年にはホームグロウンディフェンダーとして、サンティアゴ・スアレスを迎え入れる予定だ。
レブスは現状悪くないメンバーだが、悪かった2022シーズンからの巻き返しを図るのなら、若手(ホームグロウンのノエル・バックとエスミル・バイラクタレビッチはなど) がヒットしなければいけないだろう。
次の動きは?
レブスは昨夏、DP枠にセンターフォワードのジャコモ・ブリオーニを獲得した。MLSではあまりよくなかったが、誰でもアジャストするのに少し時間は必要だろう。
ただ問題なのは、ブリオーニ、グスタボ・ボウとカルレス・ヒルを同時に4-2-3-1の(チームで一番良いヒルを効果的に活用できる)フォーメーションで起用できないことだ。 ボウもブリオーニもウィングや中盤でプレーできないため、4-4-2でプレーすることは可能かもしれないが、そうするとヒルがアウトサイドに回ってしまうことになる。
そのため、ボウを売却するか、レンタルアウトすることで、空いたDP枠をブルース・アリーナが使いやすいように活用するといいだろう。
ディフェンスの中央も昨シーズンのパフォーマンスを見る限り改善が必要だ。ジョルジェ・ペトロビッチがリーグ史上最高の2,000分間の最小失点記録に貢献しなければ、最終的には勝ち点42どころか、30くらいで終えていただろう。
ジョージー・アルティドールは昨シーズン後半をリーガMXで過ごした後に戻ってきたが、長くは残ることはないだろう。
ニューヨーク・シティFC
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
そして、あっという間にマキシ・モラレスのニューヨークでの時代は終わりを迎えた。
マキシはMLSのキャリアではほとんど脇役だったが、チームに初のタイトルをもたらしたり、6シーズンに渡りチームを順位表のトップに導いてきた。ディフェンスやポジショナルプレイに専念できるモダンな彼は、MLS最高級の10番として名を残すだろう。
彼を見れなくなるのは非常に残念だ。
スウェーデンに戻ったアントン・ティネーホルンのプレーも見れなくなるのが残念だ。その後も、エーベルがシアトルにトレードされ、サンティ・ロドリゲスのレンタル期間が終了し(マキシの後釜として戻ってくることに期待!)、カチャ・アセベドはバイーアに貸し出され、アレックス・カレンズとショーン・ジョンソンの両者は未だフリーのままだ。
逆に獲得したのはベテランセンターバックのトニー・アルファロをバックアッパーとして獲得したのみ(マティアス・ぺっレグリーニもレンタルから復帰)。そして、なんといってもウィレッツポイントにある、自前のスタジアムの建設を始めている。
移籍情報はそんなニュースの陰に潜んでいる。
次の動きは?
ベストはカレンズとおジョンソンを再契約し、ロドリゲスを放出することだろう。そうすれば、チームを再構築している感じは出てくるだろう。
ただ、どうなるかは定かではない。10番、センターバックとゴールキーパーのポジションの補強はマストだろう。
もしかすると、9番のポジションも必要かもしれない。ターレス・マグノはここ2シーズンウィングの方が輝いており、偽9番をやらされていた頃には戻らさせたくない。
中盤の選手層も課題ではある。サンティが戻ってきたとしても、ベテランのキートン・パークスとアルフレド・モラレスが健康体でいれば唯一のバックアッパーで、ドラフトで選出したマルコム・ジョンストンとは未契約で、14歳のマキシモ・カリーソはまだ子供なので、リストには掲載していない。まだ足りているとは言い難い。
ここ数週間、ブロンクス(否クイーンズ)は忙しくなることだろう!
ニューヨーク・レッドブルズ
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
RBNYは今までと同様に、メンバーを下からどんどん放出し、ホームグロウン選手への枠を空けている。
長年のCBアーロン・ヤングはフリーとなり、ケイデン・クラークとカイル・ダンカン両選手のレンタル期間が終了してしまった。ダンカンは戻ってくるかもしれないが、ハリソンであまりいい時間を過ごせなかったハリソンには同様のことがいえないだろう。
加入選手として最も話題になったのがフリーで獲得したセンターフォワードコリー・バークだろう。この31歳はRBNYが1試合に何度も放るロングボールに競り勝つことができ、そこから攻撃が始まるチームのキーマンとなり得る。
ホームグロウンの左サイドバックも2名(カーティス・オフォリとジェイデン・リード)も獲得している。
次の動きは?
恐らく、ジョン・トルキンを売却することで、前述の2人のサイドバックの出場時間を増やす予定だろう。この20歳はここ数年期待を大きく上回っており、UEFAチャンピオンズリーグに出場するようなベルギーやスコットランド(あるいはザルツブルク)へ移籍してくことだろう。
もう一つ期待するのは、昨シーズン終盤に活躍した、FWエリアス・マノエルの完全移籍へのシフトだろう。バークより序列を高く記載したが、同時にプレーすることもあり得るだろう。
彼ら2人がいれば、パトリック・キマラは新天地を求めるだろう。リーグ内で彼への興味はあるし、ケビン・カブラルの契約のように、不甲斐ないDPの処理方法は心得ているかもしれない。
他にも、ダンカンが戻って来なければセンターバックや右サイドバックの補強は必要となるが、ピーター・ストラウドというハイレベルなホームグロウン選手も入ってくる。昨年大学サッカーでベストな選手で、恐らくスタメンも張れるだろうが、クリスチャン・カセレスJr.が売却されたらの話だろう。
カセレスは契約の最終年に突入するため、今冬売却するインセンティブは大きいだろう。
そのため、RBNYは今冬忙しく過ごすだろう。ただ、ビッグな獲得話は恐らくないだろう。
オーランド・シティSC
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
かなり忙しい!ライオンズ(オーランドの愛称)は12名の選手を放出したが、うち3名(プレーメーカーのマウリシオ・ペレイラ、ゴールキーパーのペドロ・ガリースとアダム・グリンウィス)が再契約し、もう1人(ホームグロウンでUSオープンカップのヒーロー ベンジー・ミチェル)が戻ってくる可能性がある。
ただ、長年サイドバックを務めていたルアンとジョアン・モウチーニョが去り、ジュニオール・ウルソがブラジルに戻り、テショ・アキンデレが引退した今、チームが立て直しを図ることが予想されている。
この改革はオスカル・パレハとスタッフがオフシーズンの獲得を積極的にささせ、トレードで左サイドバックのルカ・ペトラッソの獲得、ウィルダー・カルタヘナのレンタルを2023年終了まで延長のオプションを行使、フリーでフェリペの獲得、そしてスーパードラフトでアタッカーのシャク・モハメドを全体2位、センターフォワードのダンカン・マグワイアを6位、ディフェンダーのアブディ・サリムを17位で選択している。
ドラフトの3人は全員プレー時間を与えられるはずで、特に上位2名はガッツリプレーすることを予想している。
パレハは以前より、スーパードラフトで選択した選手にプレー時間を与えることに関して、優れた監督なのだ。
次の動きは?
ペレイラはnon-DPとして再契約しているため、ウィングのマルティン・オヘダをゴドイ・クルスからDPとして獲得するだろう。
それができたとしても、フェリペを獲得し、カルタヘナの契約を延長した中盤はまだ物足りない。オーランドは今年Concacafチャンピオンズリーグに出場するため、ローテーションを使えないチームは相当苦労するだろう。パレハも2017年のFCダラスでこれを経験しており、CCLの準決勝まで進んだものの、リーグでは夏頃に力尽きてしまった。
サイドバックも補強に値する。現在は左右で4人*おり、うち3名は未知数だが期待ができ、残る1名はあカイル・スミスといういい選手だが、MLSでスタメンを張れるほどではない。
(*) ジェイク・ムレーニーが左サイドバックとしてプレーできるか興味深い。プレシーズンでそのように試されても全く驚かないだろう。
フィラデルフィア・ユニオン
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
パクステン・アーロンソンは売却された。コリー・バークはフリーで去り、コール・ターナーのオプションは行使されなかった。
放出は以上。唯一獲得したのはミッドフィルダーのアンドレス・ペレアのみ。オーランドに$75万のGAMを支払い、フロリダで期待に応えられなかった22歳を獲得した。
ということで、ここまではかなり静かな冬を迎えている。
次の動きは?
カイ・ワグナーは今月ちゅに売却されるだろう。 ついでに、オリビエ・ムバイゾも売られても驚かない。なぜなら、彼の方が2022年の最後の数ヶ月はワグナーより活躍していたからだ。
ユニオンくらいのチームからしたら、去った数名のサイドバックの穴を埋めるくらい、難しくはないだろう。チーム内から昇格させること(昨シーズン、ムバイゾと右サイドバックのスタメンを分け合ったネイサン・ハリエル)も想像できるし、ワグナーとムバイゾと同様、全く予想していなかった所から選手を引き抜いてくる可能性もある。
目を見張っておきたいポジションは、バークを失ってしまったセンターフォワードの位置だ。普通に考えれば、クリス・ドノバンがその穴埋めをするだろうし、MLS NEXT Proから10代のホセ・リアスコを獲得すると言われているが、バークがやったように、泥臭い仕事ができる大型のフォワードを獲得したとしてもそこまで驚かないだろう。
どちらにせよ、このチームは、今シーズン全ての大会で成功を掴み取るだけの力はあるだろう。
トロントFC
これまでのオフシーズン(1月3日時点)
ここまではジョナサン・オソリオの残留に成功し、 マット・ヘッジスをフリーで獲得した。また、ビクトル・バスケスをリエントリードラフトで取り戻した。この3人だけでも違いを生み出せるだろう。
ただここまで、レッズ(トロントの愛称)が行ってきたチーム内の整理の方が大きな話題を呼んでいるだろう。現時点で10人の選手が放出されているが、まだ未完成のロスターは再構築の余地がたくさんある。
グッドニュースとしては、まだDP枠が残っており、アヨ・アキノラやジェイデン・ネルソンといった若手をトレード(アキノラ)と移籍(ネルソン)させることで、ロスターの枠を空けることと、軍事金を得ることができるだろう。
次の動きは?
交渉や取引が盛んになるだろう。アキノラとネルソンを例に挙げたのは、彼らはシーズンが始まる頃には別チームにいる可能性が高いからだ。ジャキール・マーシャル=ラティも彼らと同じ命運を辿ることになるかもしれない。
一方で、クリス・マビンガが復帰する可能性もゼロでは無いが、より緊急性が高いのは本職が左サイドバックの選手、守護神となれるゴールキーパーと、中盤の厚みを増すことだろう(ネルソンが残れば、まだましだが、それでもマイケル・ブラッドリーのバックアップはいない状況だ)。
状況全てを達成するには、バーゲン価格で選手を獲得する必要がありそうだが、今シーズンはボブ・ブラッドリーが若手を育てながら、ハイレベルなベテラン選手を満足させ、勝ち続けられるかが試されるシーズンになるだろう。
簡単なバランスではない。
そして、DP枠に関して、どう活用されるかも、活用すべきかもわからない。もしかすると、一番いい選択肢はGAMを貯めておき、U22枠を3枠空け、マイケル(ブラッドリー)をDPにする事かもしれない。そして、U22枠の一つをサラリーキャップをフルに活用できるレベルの左サイドバックに費やし、キーパーは海外か、フリーの選手を獲得することだろう。
再三言うが、交渉や取引がまだまだたくさんあるだろう。忙しい冬になりそうだ。
(原文:https://www.mlssoccer.com/news/where-mls-eastern-conference-depth-charts-rosters-stand-for-2023)
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