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次のMLSホームグロウンスターは誰?注目すべき候補者8名
シーズンは始まって、既に注目すべき選手は他の記事でも何名か挙げたが、今シーズン終了時にはスターになっているだろう、若手選手を8名選出してみた。
ジャック・マクグリン
ミッドフィルダー | フィラデルフィア・ユニオン
この記事を読んでいれば、フィリーで1番人気のニューヨーカーのプレイは見たことがある可能性が高いだろう。19歳のマクグリンは直近2シーズンで リーグ戦1,641分に出場しており、この賢いミッドフィルダーはMLSカップ決勝に先発した史上3番目に若い選手となった。しかし、それはあくまでキャプテンのアレハンドロ・べドヤの怪我によるもので、今まで出場した48試合で先発したのは19試合に留まっている。
それでも、ユニオンの中盤で出場するのは楽なことでは無い。そう前置きしたうえで、プレシーズンの試合でマクグリンは中盤のほぼ全ての試合で出場している。べドヤは今年の4月に36歳になるし、Concacafチャンピオンズ・リーグに出場するチームで、ジム・カーティン監督が「魔法の左足」と称えるマクグリンは必要になってくるだろう。
「今までユニオンに所属した選手の中で、彼の天井が1番高い」とカーティンは地元紙に伝え、同選手を「今シーズン注目すべき選手」と、同紙は取り上げた。「彼にプレッシャーをかけるために言っているのではなく、本当だから言っているんだ。彼はボールを持てば何かをしてくれる。まるでストイチコフのように、何かをしてくれる、魔法の左足だ。」
ケイド・カウウェル
フォワード | サンホセ・アースクエイクス
ちょっと待った、クエイクスのワンダーキッドは既にブレイクしたから、ことのリストに入るのは相応しくないのでは、と思う人もいるかもしれない。それもそのはず。カウウェルにとって2023年は、15歳でデビューしてから、既にプロ5シーズン目となり、81試合出場(うち33試合先発、3,677分出場)で9ゴール12アシストをマークしている。1月にアメリカ代表としてもデビューし、 セルビアとの一戦ではマン・オブ・ザ・マッチの活躍も見せている。
しかし、1月のキャンプなのであまり意味を持たないかもしれないし、まだプレーオフにおいては33分しか出場できていない。しかし、ルチ・ゴンザレスが監督となってからはいい方向に進んでおり、フロントもカルロス・グルエソをDP枠として迎え入れるために大金をはたいたりと、投資も進んでいくだろう。
カウウェルのフィジカルと積極性は彼の特徴となりつつあるが、安定感と戦術実行力には少しかけているように見える。アナリストのマット・ドイルが彼を今年のブレイク候補と掲げるように、直近の代表でのパフォーマンスは、彼の少し中気味の左ウィングとしての才能を開花させたようにみえる。彼はクエイクスにとって浮上のきっかけとなるだろうし、彼自身のヨーロッパ進出も活躍次第では見えてくるだろう。
ネイサン・サリバ
ミッドフィルダー | CFモントリオール
カナダ人でこのリストに含まれている選手の中で、このCFMの19歳は同郷のリダ・ズイルやトロントFCでヨーロッパ行きが間近とされているジャキール・マーシャル・ラティよりも期待されていると言っていいだろう。ケベックでの彼に対する期待から、彼はエルナン・ロサダ監督のもと良いパフォーマンスをみせていることが伺え、よって、慣れている8番や攻撃的なポジションを任されることになるだろう。
モントリオールは地元スターであるイスマエル・コネをワトフォードに今冬売却したことで、たくさん新たな機会が生まれたといえるし、コネやアリスター・ジョンストンの例があるため、サリバにもそれなりのチャンスが与えられることが期待できるだろう。ヴィクター・ワンヤマやサミュエル・ピエッテらベテラン勢が中盤のスタメンとなりそうだが、忙しいシーズンにバックアッパーは必要だろう。
「ネイサンはとても素質があるけど、熱心で柔軟性があり、アドバイスを受け入れることに前向きなんだ」とサリバがプレミアリーグ・ケベック・オールスター相手に得点を決めたあと、ピエッテはRDSに話した。
「成果も出しているし、ポテンシャルが高いと思う。フィジカルとテクニックを兼ね備えている。今日彼は不慣れなポジションで試されたが、私がティエリ・アンリがいた時に成長できたように、彼もぐんぐん伸びていく可能性があると思う。」
クリス・ブレイディ
ゴールキーパー | シカゴ・ファイアFC
ジョン・ドゥランとガガ・スロニーナをイギリスに、合わせて$2,800万で売却したファイアは見事としか言いようがない。そして、後者の穴を、また1人ホームグロウンのゴールキーパーで埋め、かつ、その選手がガガよりポテンシャルがあると言われているのだから、これもまた見事としか言いようがない。
それがブレイディに対する期待であり、中でもシュートストップ能力が長けている。昨秋、この若きアメリカユース代表選手は、MLS NEXT Proのベストキーパーと言われており、ファイアIIは彼がいる時の1試合の平均失点が0.83点だったのに対し、いない試合は3.09点と大きな差を作っていた。
彼は、エズラ・ヘンドリックソンの下、スタメンの座を維持できるだろうか?ブレイディはあプレシーズンでほとんどの試合で先発したが、ベテランのスペンサー・リッチーや冬に加入したスウェーデン人ジェフ・ガールも健在だ。しかし、この若きタレントがその気になれば、ポジションは彼のものだろう。
ベンジャミン・クレマスキ
ミッドフィルダー | インテル・マイアミCF
「ベンジャ」として知られる、チリチリ髪の17歳はフォートローダーデールにあるIMCFのトレーニング施設で見掛けられるが、まだMLSでの出場もなく、MLS NEXT Proでも743分の出場にとどまっている。それでも、ハビエル・マスチェラーノ率いるの唯一の海外組として、アルゼンチンのU20に招集されている。
南フロリダの名門ウェストンFC在籍中、クレマスキは若きアルビセレステには招集されず、チームはFIFA U20 ワールドカップの出場を逃してしまった。しかし、彼は本大会にアメリカ代表としてピッチに立つ可能性を残している。
各国のスカウトが、昨シーズンのMLS NEXT Proで5ゴール1アシストをマークし、スキルフルな中盤選手である、クレマスキに注目している。そして、インテルが今年も調子を上げていけば、彼もチャンスが与えられるだろう。
「彼は素晴らしい背景を持っており、ハードワークを欠かさない」と、スポーティング・ダイレクターのクリス・ヘンダーソンはフォートローダーデールでMLSsoccer.comに話した。
「毎日成長しているのがわかる。今年はプレー時間を与えられるだろう。シーズンが進むにつれ、中盤も手薄になるだろう。そして、彼のような選手は成長させ続けなければならない。」
ジェイレン・ニール
ディフェンダー | LAギャラクシー
19歳のニールはパスレンジが広く、年の割には大人びているディフェンダーだ。そう言われなくとも、彼が1月のアメリカ代表合宿に招集された事実がそれを物語っており、驚くべきは、まだその時点ではギャラクシーの一員としてリーグ戦に出場したことがなかったところだろう。
ニールは昨年のConcacaf U-20ワールドカップ予選で、素晴らしいパスの数値を弾き出しており、A代表ではセルビア戦で地名的なミスがいくつかあっったものの、モダンでおしゃれな部分を備えている。Los DosでUSL Championshipの経験を3年間しているため、今年こそトップチームで出たいだろう。
「ジェイレンはトップチームに移る準備をしている状況だ」と、ギャラクシーのグレッグ・バニーは先月伝えた。「プレシーズンでは調子が良さそうだし、何をやるにも冷静だ。焦ることがなく、ボールを持っていても、そうでなくても質の高い動きをする。次のステップは試合に出ることだろう。そこからトッププレイヤーと対峙したり、チームメイトと連携を高めていけることだろおう。」
ノエル・バック
ミッドフィルダー | ニューイングランド・レボリューション
レブスはディエゴ・ファグンデス以来有能なホームグロウンを生み出していないが。しかし、それは今年変わるかもしれない。現在チームに所属する5名のホームグロウンは全員プレシーズンで出場しており、中でもバックはその中でも期待がされていると言える。
Noel Buck vs OCSC preseason '23 // Next great American 6/8 lefty box to box duel winner Massachusetts Makelele pic.twitter.com/XEWJW4ZAaD
— alden (@aldeneats) February 19, 2023
マサチューセッツ州アーリントン出身の彼は12歳でレボリューションのアカデミーに所属し、17歳でデビューした昨シーズン、出場5試合目でゴールをお決めている。ボックストゥボックスのプレイスタイルがプレイメーカーであるカルレス・ヒルの良さを引き出しており、彼らのコンビネーションが今シーズンのレボリューションが巻き返す大きな要因となるだろう。
もう一つ注目すべきは、バックと、彼の兄ジョセフは共にイギリスのルーツがあり、UKでプレイする権利を持っている。噂によると、ノエルは18歳になるこの夏、イギリスに移籍する可能性もあるとのこと。そうなると、なおさら夏までの数ヶ月は彼とレブスにとっても重要な時期になるだろう。
ダレン・ヤピ
フォワード | コロラド・ラピッズ
「ヤップス」として知られる、ラピッズ史上最年少でホームグロウン選手として16歳で契約した彼のことを知っている人は少なかもしれない。以来、彼はMLSで165分プレイしており、2021年にはコロラド・スプリングス・スイッチバックスに貸し出されている。しかし、ロビン・フレイザー監督が彼を攻撃の一コマとして重宝しているような今、そんな状況も変わるかもしれない。
「もう彼を3年も知っている。最初のプレシーズンで彼は15歳で177cmと63キロ程度だった。今は190cmで80〜90キロの大きくなった。」とラピッズの監督はMLSsoccer.comに話した。「体格が増しただけでなく、プロとしても成長を見せている。フィニッシュワークも良くなっているし、守備の理解も高まっている。
「プレシーズンもそうだが、昨シーズンチームで過ごしたことによって、成長のきっかけをみつけたと言えるだろう」と加え、「まだ若いし、まだ学ぶこともたくさんある。しかし、彼のサイズと考える力がついてきている今、トップチームで貢献できるだけの力はついてきていると思う。」
コロラドのストライカーポジションは現在ディエゴ・ルビオがポールポジションに立っているだろう。しかし、彼やケビン・カブラル、マイケル・バリオスも典型的な9番タイプなので、ヤピはターゲットマンとして生きてくるだろう。今後の彼には注目だ。
(原文:https://www.mlssoccer.com/news/the-next-mls-homegrown-star-breakout-candidates-for-2023)