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マイナ保険証の実態 深夜に救急車に乗ってわかったこと

2024年10月末、人生で初めて救急車を利用することになった。このnoteはその顛末記録と、マイナ保険証の実態を記している。

病名等はひかえるが、夜中に急に体調不良となり、耐えられないほどの激痛に加えて歩けない状況から救急車を呼んでもらった。妻に付き添ってもらって、自宅前に駐車している救急車の中に入ったことは覚えているが、その後は痛みのためかあまり記憶がないため、正確性はあまりないことをお断りする。
救急車内で、症状を口頭で質問されながらバイタルチェック器具を装着されて横になっていると、受け入れ先の病院を探してくれているらしい会話が聞こえた。そうか、症状を確認してから受け入れ病院を探すのか、という基本的な事を初めて実感した。もし医療空白地域とかだったら、病院が見つからない、さらに病院まで遠いなどが問題になるのであろう。幸い私の居住地周辺には多くの総合病院があるため、病院は直ぐに決まって、あまり時間がかからずに病院には到着した。なお、妻も救急車に同乗してもらった。

その後、医師や看護師による処置がされるなかで、保険証の話しになった。この頃は私の意識もある程度安定していて、看護師、医療事務員、妻との会話に加わった。サイフの中に保険証があることは記憶していたが、この1,2年間は医療機関にはかかっていないため、紙の保険証があるかがわからなかった。ただし、既にマイナ保険証に移行手続きは完了していたため、マイナンバーカードがあれば、問題ないだろうと思っていた。
妻に、サイフの中に保険証とマイナカードがあることを伝えて確認してもらったところ、紙の保険証(国民健康保険)はサイフに入っていたが、令和4年7月31日に期限が切れていてた。

この時点での問題・疑念は以下。

  1. 更新された紙の保険証を受け取った記憶がない(所有していない?)

  2. そして、マイナ保険証に移行しているので何ら問題はないはず

  3. しかし、これまでマイナ保険証を利用したことはない

使ったことがないシステムを初めて使う時は結構気を使うが、今回は救急搬送された状態なのでさらに不安が募った。事務員さんが、しきりに紙の保険証はないかと質問してくるが、上記の通り記憶がない。マイナ保険証を認証(本人確認?)する機器が、夜間救急受付の事務エリアにはないようだ。この時の時刻は午前3時過ぎで、総合受付のシステムは停止しているのか? さらに私はベッドに寝ているので、顔認証は物理的に無理だなーとか考えていたら、パスワードで大丈夫との話しになった。4桁数字のパスワードを妻に伝えて、事なきを得た。

事務員さんは「今後廃止に向かうが、救急搬送とかでは紙の保険証のほうが色々とやりやすい(=マイナ保険証は面倒)」ということを愚痴っていた。今回もマイナンバーカードの提示だけではダメで、パスワードが必要だった。もし意識がなかったらパスワードを伝えることはできない。
しかし、現行の紙の保険証の場合は、顔認証やパスワードといった本人確認が不要(=ザル)であることも、同時に実感してしまった。
不正利用、この防止がマイナ保険証の価値の1つと思っていたが、現場では追いついていないと実感した。ハンディタイプの顔認証機器などが夜間緊急窓口には必要だろうし、顔に大きな傷が発生するような交通事故等に備えて、指紋認証などの複数手段も必要かもしれない。

運用システムとして、このまま紙の保険証が無くなることは、極めて混乱を生むことを体験した経験であった。

その後、通常窓口が開く9:00を待たずして、症状はほぼ回復してタクシーで帰宅となった。重篤な病気ではなかったようで、再検査を勧められただけだった。また、現金1万円を仮払して、後日精算となった。
朝6時にもかかわらず、タクシーは5分程で配車された。運転士さんは、このような救急搬送後の帰宅送迎になれているようで、帰宅送迎は回数が多いこと、通常は別の総合病院ばかりで私が運ばれた病院の送迎は珍しいとのこと、タクシー運転手の労働環境として働き方さえ慣れれば非常に働きやすく変形労働なのできちんと休めるので良いとのことなど、色々と話してくれた。
なお、自宅までのタクシー代は約4000円。救急車が無料で利用できる制度に感謝の言葉しかない貴重な経験となった。

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