WCS2024 エリア予選レポートR
この度はnoteを読んで頂き、ありがとうございます。ケツデカトロンと申します。
この度、遊戯王デュエルリンクスWCSエリア予選ラッシュデュエルの部において、
世界31位を達成しました。
戦績はご覧の通りです。
私自身、2023年9月KCの日曜夕方まで1位からのナイアガラ銀アイコン以来のアイコン獲得となりました。
競技が違うとはいえ立派なアイコンですし、素直に嬉しいです。
リンクスのラッシュデュエルにはnoteを書いて情報を発信している人が多く居るため、私のnoteは構築の考え方に加えて、ゲーム性への向き合い方について書いてみようと思います。
目次を付けるので、気になるところだけでも読んでください
ケツデカとラッシュリンクス
ラッシュリンクス実装
今では立派なラッシュ民ですが、実装当初はかなり過激なアンチでした。
望んでもない別ゲーがアプリに実装されて、毎月の楽しみでもあった新弾に割り込んで来ることにアレルギー反応を出していました。
遊ぶ機会も無いのに紙のラッシュを買うようになってしまった今思えば、こういう機会が無ければラッシュに触れることもなかった上に、運営もペースを考えて実装するようになったので今は良かったと思います。
第1回GRフェス
「やってへんのに文句を言うのは違う」という謎の矜恃を持っているので、せめてアイコン取ってから文句を言おうと思い挑戦しました。
まあ結果は惨敗です。
当時Tier1のレゾナンスを揃え、まあ「試行回数でゴリ押せば行けるべ」と思っていたところ、意外と回るメタゲームの餌食になり惨敗。
まだまだ未熟だった故に、負けた理由を自分の運の無さ、ゲーム性に押し付けて引退を決意しました。
第2回GRフェス
なんだかんだ新弾が出ると手を出してしまったり、周りが盛り上がっているのを見るとやりたくなってしまう損な性分です。
引退を撤回しました。
当時の環境はモヤ一強。相変わらず打てるかどうか、割るかどうかで試合展開が大きく変わる環境にモヤ抜きで殴り込みに行きました。
不利な条件でしたが自信はありました。ただの虚勢ではなく、構築もきちんと研究し、モヤが無いディスアドバンテージを背負っているが故にバック干渉の使い方を確率から勉強していたからです。
でも結果は銅アイコンです。
中盤までは100位圏内を維持できたものの、自信があったが故にプレイングを見直せず、ズルズルと環境の変化に飲まれました。
ただ、モ砕を後悔したことは1度もありません。
モヤを持っていたらここまで真剣にラッシュに取り組むことは無かったからです。
もうラッシュデュエラーですね、立派な。
WCSエリア予選
新レジェンド罠の実装
ラッシュのWCS、やはり来るかと思っていたところに寝耳に水でした。
新レジェンド罠が実装されました。
ただ、レジェンド罠の実装は
本当の実力が証明されてしまう
という意味でもありました。
流石に少しはプレッシャーを感じていたものの、それ以上に多くの方から今度こそ行けるぞと応援を貰うことができたのはここだけの話、レジェンド罠実装より嬉しかったです。
悲願の達成、初のラッシュ銀獲得
他にも理由はありますが絶対に負けられないエリア予選でした。冒頭でも述べました通り、世界31位で銀アイコンを獲得できてとりあえず安堵です。
使用デッキはこちら
初期の構築から
剣盾→転生
燃尾or独演→ゴーストサイクロン
リセットランナー→3枚目のユグドラゴ
という変遷でした。
ここからは各カードの紹介をします。
みたいな流れでモンスターそれぞれ解説していくのが普通ですが、僕が突き詰めたのはそこでは無いので割愛します。
そもそもプレイング自体はいかふらわーさんの配信で全て学んだので僕の解説は二番煎じです。
では、このデッキで勝つために何を突き詰めたのか
マキシマム召喚
本当にこれだけです。サイバース自体の動きは全てマキシマムに繋げることしか考えていませんでした。
マキシマム召喚は『簡易エグゾディア』と呼ばれるほど強力な性能を持っています。
対面から飛んできた場合、対抗手段を引けなければ相手は負けます。
マキシマムが強いことを踏まえて、各対面がマキシマムにどれだけ勝ち得るか確認してみましょう。
各対面の相性
最強
→イノベーターで1,600上げる。もしくはエイムイーグルを絡めて4,000を超える。
大抵はデッキに残り2枚です。他の対面ほど理不尽ではいものの確実に運ゲーを押し付けられます。火麺
→普通の構築なら回答ほぼ無し。基本は処理ではなく時間を稼ぐことしかできないので成立が早ければ早いほど勝率も上がります。GS
→1枚で解決するカードがありません。陰陽+最上級+リリース素材、こちらに罠があれば尚のことです。デスドゥーム
→ドゥーム引けたら君の勝ち。引けなかったら俺の勝ち。温存してたら素直に拍手。
マキシマムにだけ注目すると、有利であればそのまま押し切れ、不利な状況でも実質仕切り直しにできるわけです。
要は最強カードですから、必然的に3枚投入、転生で成立確率も上げる。マキシマムが確実に勝ちに繋がるように割り札を増やす。というのは自分の中では当然のセツリだったわけです。
手向けはコンボを必要としない回答ではありましたが、採用率が1番低かったため、回答を用意する前にケリが付くか、少なくともマキシマムで与えたダメージが致命傷になったりと勝因のほとんどを占めてくれました。
プレイングについて
構築をマキシマムに寄せた段階で求められるのは、どの対面でも「マキシマム=勝ち」に繋げることでした。
・ライフを圏内にする
・無力化を割るor使わせる
概ねこの2つでしたが、ここでモヤの頃からレジェンド罠と向き合ってきた僕なりの罠に対するアプローチが活きてきました。
と思ってましたが上位帯では常識レベルでしたね。
確認くらいに読んでください。
伏せカードへのアプローチ
僕の後攻1ターン目の基本的なプレイングですが、モンスター単体のように圧倒的にライフ差を付けられる状況でない限りは、ゴーストサイクロン以外の割り札はすぐに使わずに伏せてバトルを仕掛けます。
なんなら盤面は取れる下級×3であればゴーストサイクロンも伏せます。
理由としては
初手に罠を引く確率が低い
運要素を可能な限り排除する
割り札に割り札を使うのが損である
序盤の無力化はアド
初手に罠を引く確率が低い
→そもそもデッキに1枚の無力化を初手に引く確率よりも、他のカードの可能性の方が高いです。
なので例え1伏せであったとしても粒子加速で後ろを触ることは、2伏せの時に直面する1/2以上に確率の薄い勝負を仕掛けていることになると僕は考えています。
運要素を可能な限り排除する
→1/2や1/3を外しただけ、という声をTwitterでよく聞くと思います。実際これは避けられない場面は存在します。
ただ、相手目線で後ろを触ってこずに伏せたカードはどう見えるでしょうか?
多くのプレイヤーは割り札でないと判断し、次のターンに上から割り札を引かなかった場合に伏せてある割り札を使ってくるわけです。
そうするとバトルフェイズを挟んでいるこちら側は確実に次引いた割り札で割るべきカードの位置が分かるという訳です。
更にこちらが攻撃反応を引いていた場合、1/2の勝負を相手に押し付けることもできます。
お互いに割り札と攻撃反応を持っている際に1/2の勝負に負けてしまうと、攻撃反応であることが確実にバレるためリスクがあまりにも大きいと僕は思っています。
小ネタを1つ紹介すると、ゴーストサイクロン+無力化を引いた際にはほぼ必ず無力化を戻します。
返しで致命傷を貰うリスクはありますが、
割られても上記の理由から損はしないです。(手札からのゴーストサイクロンは1:1交換のため)残れば1アドの付く最強カードになります。
割り札に割り札を使うのが損
→メンタル面の要素もありますが、実は擬似的なハンデスになるケースも存在します。
最強連携やラグナロックなど効果の起動に手札を消費するデッキが割り札をコストにするという選択はかなりの博打になります。ハンクラも同様に1枚手札を消費して割り札を割ることになるので、モンスター1体消費させて実質ライフを15守ることが出来た。と捉えることもできるのです。
火麺に対しても下級の総攻撃に罠を使うのはあまりにもアド損ですから、使ってくれば得。温存してきたら伏せれない時に1ハンデスとなり得です。
序盤の無力化はアド
→基本的に上級モンスターを守る使い方、マキシマムから耐えるために使うものだと考えているので、下級を守るために使う無力化は寧ろラッキーでした。
どうせ割られるから使える時に使う派閥も存在している以上は諸説あり、この辺の正解は無いと思います。
無力化は3枚カードが残るため3アドを稼げるカードだと言われているのも事実ですから、盤面0にしたい時に打たれる無力化と、ライフを取りに行きたい時の無力化、後者を止められる方が嫌だという考え故のプレイングです。
多少のライフレースでの出遅れは許容して、マキシマムで逆転を前提としたプレイングであることも注意が必要です。
以上が罠に対する自分のアプローチです。
ここまでは今回に限った話ではなく、雷を使っていた頃から積み上げてきたものでもあります。
実際のところ、温存している無力化かスライムなのか、その辺を読み違えて負けることも序盤は多々あったため完璧な理論ではありませんでした。
ただ、あくまで序盤は。という話です。
ユグドラゴ(本体)の強み
僕が3投したユグドラゴですが、伏せ読みする際にレベル10というステータスが本当に優秀でした。
本当にユグドラゴ様々です。
前述したプランでは、最初のターンではスライムだから使わないのか無力化を温存しているのかを区別することができません。
そこでユグドラゴのレベル10ステータスがあまりにも優秀で、バック除去が無い際に下級+下級+ユグドラゴで殴ることでスライム判定ができてしまうという強みがありました。
ちなみに独演をケアすることも、敢えて確認しに行くこともできます。
長い目で見た場合のメリットはもう1つあります。
墓地に2枚揃ったらマキシマムが警戒されない
という点です。サイバース界隈で構築がどう落ち着いたのか分かりませんが、他デッキを使うプレイヤーの想定するユグドラゴ本体の枚数は2枚だったはずです。
何度も3枚目のユグドラゴが降臨してくれたので、結果的に正解だったと思います。
色々言ってるけど都合のいい解釈では?
そう思うのもまたセツリです。
実際になんぼでも裏目はありますし、その択を取って負けが続く時もあります。
最強に対してゴーストサイクロンで逆にアドを稼がれるなんて場面もザラでした。
ただ、このプレイングを一貫して信じ続けられたのは、
運勝負を可能な限り減らし、少しでも確率の高い勝負をすること。が勝ちに繋がると信じていたからです。
次からは確率の話とメンタル面で大事にしていた考えについて話します。
試行回数の落とし穴
「KCは試行回数を重ねればアイコンが取れる」
という話を聞いたことがある方は多いと思います。
実際に僕もそういう考えでした。
直近のKCでも9連続後攻の下振れは数で取り返すしかない。自分の実力を客観的に判断しても、KCのリザルトで出る勝率を「下振れを取り返せなかった」と言い訳して自分を納得させ続けていました。
皆さんは、「逆正弦定理」(追記:法則だっかかもしれない)という理論を知っていますか?
よくコイントスを用いて説明されるので紹介すると
A:表表表裏裏裏
B:裏裏裏表表表
という結果が出た際に、結果としては1/2に収束しているように見えますが、序盤に下振れを引いたBは1度もプラス域に行けません。
「1度下振れした人間がプラス域に顔を出す可能性は低い」ということです。
収束するのは、結果ではなく1回あたりの理論値である点も大きな落とし穴です。
自分本来の勝率では回数を重ねなくてはアイコンに届かないと自覚しているならば、マイナス域に入ってしまった時点で回数だけでは足りないことを自覚しなくてはいけません。
後の試合で上振れも下振れも起こらなかったとしたら、本来500戦で届く想定の場合は下振れ分だけマイナスです。
更に、今デュエルボタンを押した時の勝率はどうなのか?ということも考えなければなりません。
マイナス域に居ることでプレイが雑になっていないか。別の問題があるならばスコアを取らずとも直近10試合であれば確認はできるはずなので、負けが続いた時は必ず確認するようにしました。
今回ここでユグドラゴを増やす択やゴーストサイクロンを増やす択を取る事ができたので、初日の下振れ取り返すためにを勝率を上げて(グラフの角度を上げる)アイコンに届いたと僕は思っています。
正解の札なんて最初から分かれば入れているのでこればかりは調整と直感です。
後は入れ替えた札が勝利に貢献したかを確認する作業です。
なんだかんだあって今回に関しては、今まで試行回数に裏切られてきた結果になんとか抗うことができました。
なんだかんだメンタルです
確率の話をした後で言うのも矛盾してますが、遊戯王にはオカルトも流れも存在していると思っています。
剣盾引かれてたら死ぬなと思った時に引かれてるし、無力化じゃなけりゃ勝ちの場面で当然あったり。それを嘆くと次の試合でも同じことが起こったり。
プレイの介入する要素が無い場面こそ心的外傷になる場面は多いですが、そこでプレイが雑になりマイナス域に居る上に勝率まで落としてしまっては意味がありません。
無力化を割られて負けるなら的を増やせば良い訳で、モンスター比率で負けることが多いならそこを見直して、他人を妬む前にやることはあるはずです。
僕は「持ってない側」の人間であることを自覚しているので、相手との確率の勝負を避け、自分の上振れ確率に真摯になることで獲得できたアイコンだと思っています。
ラッシュデュエルは良くも悪くもプレイ要素が薄いからこそ素直に結果が出たと思っています。
最後に
次回は金アイコンを目指したいと思っています。
今回ようやくラッシュに対するプレイが纏まり、結果も出たことで大きな自信になりました。
前回悔しい思いをしてから3ヶ月。僕は一切無駄な時間を過ごしたと思っていません。
もちろん期間中もです。試合後の数秒だけでも反省会を行い、実力が劣るからこそどうすれば勝てるか常に考えていました。
ここまでしてようやく取れるレベルの実力であると理解しています。
だからこそ、ここまでしたら取れるのもまた、当然のセツリです。
セツ山セツリ君とずっと呼んでいましたが、西園寺ネイルって言うんですね、彼。
おわり。