暗く長いトンネルとは知らずに/発達障害・拒食症⑩



"生活をする"

当たり前のように思われているこれらの行動が
ある日を境に、全く出来なくなりました

少しずつ少しずつ歪みを感じてはいましたが
ある日突然、"こわい"が溢れて
部屋から動けなくなったのです

それからのことを時系列で思い出すことが
何十年経った今も、出来ずにいます

"出来ないと"言うよりも、記憶が無いのです

治療を進めていく上で
わたし自身、過去の位置付けが必要となり
それまでの断片的な記憶を繋ぎ合わせる為に
後から訊いた話です



その後も
わたしは特質調子を崩してはいなかったと思う

今でも覚えている
"キッカケ"

当時とても親しい友人が
「野外学習の後に体重が落ちた」
ということばをカフェでふと、呟いた

"友人に見合う自分でいなくては!!"
その時のわたしは強くそう思い
その日を境に"誤ったダイエット"
拒食症の世界へと
一歩ずつ足を踏み入れたのです




フリーマーケットを開催した時に配られた
お弁当を見た瞬間
全部を食べ切ることにすごく抵抗感を感じたことを
今でも、記憶しています

"おかずに油物が多いな
白米こんなに摂りたくないな"

そこからはお決まりの
"炭水化物無し"
"運動強化"
のダイエットです

正しい知識など持ち合わせていなかったわたしには
それくらいしか思い付かず
どんどん拒食症へ深入りをしていったのです




過去を位置付けることで
その事実の意味を知ることで
わたしはやっと、過去を過去として
受け止めることが出来ました

またおかしくなってしまうのではないか
その恐怖に対して、やっと
"平気、大丈夫"
そう自分自身に自信を持って
言えるようになったのです