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『ブータン山の教室』

 美しい景色と純粋な人たち。本当の幸せとはこのような暮らしなのかもしれない。映画では冬の厳しい季節は描かれていないため、実際には過酷な環境下であることには違いないが、標高4,800メートルという日本では体験することができない高さに暮らすということは、神々しい存在とも言える。その中でもペム・ザムの存在は際立っている。目の輝き、笑顔、立ち振る舞いが大自然の中から生まれてきたが如く魅了する。小学生の少女が実生活も含め辛い家庭環境にもかかわらず生きていく姿は、大きな希望だ。映画は観る人の立場、状況、年代によっても受け取り方は全く違う。パオ・チョニン・ドルジ監督によるとこの映画は、ブータンの若者が抱く都会への憧れを描いた社会問題をテーマとしているとのこと。世界中の至ることが都市に人が集中していくことは避けられないことなのであろうか。確かにペム・ザムが歌った歌も若者の流行歌のようである。あらゆる人に今だからこそ観てほしい映画である。

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