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インドネシアを知る⑰ジャカルタ首都移転~新首都「ヌサンタラ」建設計画の動向
はじめに
今日は、その後のインドネシアの首都移転に関するインドネシア政府は、ジャカルタから新しい首都「ヌサンタラ」に移転する計画を進めています。
ジャカルタは地盤沈下の危機に瀕しており、気候危機が首都移転の要因となりました1. 新しい都市の建設にかかる費用は約350億ドル(約5兆5000億円)で、2045年の完成を予定しています。
ジャカルタの約40%が海面よりも低い位置に沈んでいるため、新首都への移転は重要な課題となっています。
この首都移転は世界初ではありませんが、気候危機が首都移転の要因となったのは今回が初めてです。
ジャカルタは海面上昇によって「世界最速で沈む巨大都市」となり、新首都の建設が必要とされてきました。
1. ジャカルタの現状と首都移転の必要性
ジャカルタは地盤沈下と海面上昇の危機に直面しており、市の40%が海面下に沈んでいます。
これは気候変動がもたらす直接的な脅威であり、インドネシア政府に首都移転の切迫性を突きつけています。
新首都「ヌサンタラ」への移転は、これらの環境問題を解決するための戦略的な選択として進められています。
2. 新首都ヌサンタラの建設計画と予算
新首都の建設はカリマンタン島の東部、約25万ヘクタールの広大な自然地域に計画されており、総工費は約350億ドルにのぼります。
2045年までの完成を目指し、環境に配慮した持続可能な都市開発が進められています。
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3. 人口過密解消と都市機能の再編
ジャカルタの人口過密と交通渋滞は極めて深刻であり、首都機能の分散はこれを緩和するための重要な措置です。
新首都への移転により、政治・経済活動の均等な分散が期待され、国全体の均衡ある発展が促進されることでしょう。
4. 新首都の水供給インフラ:セパク・スモイ・ダム
新首都「ヌサンタラ」の基本インフラストラクチャーの一つがセパク・スモイ・ダムです。
このダムは新首都にとって不可欠な水資源を供給する役割を担っており、その供給能力は毎秒2,500リットルです。
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ダムは2023年に貯水を開始し、新首都の持続可能な発展を支える基盤となる予定です。
「ヌサンタラ」新首都の建設にはいくつかの基礎インフラが含まれており、その一部としてセパク・スモイ・ダムがあります。
こちらはインドネシア東カリマンタン州に位置しており、新首都の中央行政地区(KIPP)の北東に建設されています。
セパク・スモイ・ダムは、新首都の水供給を担う重要な施設です。その供給能力は毎秒2,500リットルで、そのうち2,000リットルは新首都に供給され、残りの500リットルは同州の中心地であるバリクパパン市に充てられる予定です。
現在の工事進捗率は57%であり、2023年初めには貯水を開始する予定です。
また、セパク川からの取水施設(スンガイ・セパク・ダム)の建設も進められており、こちらの供給能力も毎秒2,500リットルです。現在の進捗率は12%で、22年末には完工する予定です。
新首都の開発は2022年から2045年にかけて段階的に行われる予定であり、第1段階が終わる2024年には政府関係機関の移転が計画されています。
民間企業からの投資も注目されており、最長30年間の法人税優遇措置が与えられています。
5. 政治的背景と国家の方向性
インドネシア国会は新首都移転に向けて「ジャカルタ特別州法案」を可決し、法的枠組みを整備しました。
2024年の大統領就任式を新首都で行う計画もあり、これは新首都が国家の新たな象徴として位置づけられることを示しています。
この移転は単なる地理的な変更に留まらず、国全体の再編と長期的なビジョンの表れでもあります。
6. 民間投資と経済政策
新首都への移転計画には、民間企業からの投資も大きな期待が寄せられています。
政府は最長30年間の法人税優遇措置を設けることで、民間の資金を積極的に呼び込んでおり、新首都の発展に必要な資金を確保する戦略を取っています。
このように、インドネシア政府はジャカルタの現状の課題を踏まえつつ、新しい首都「ヌサンタラ」の建設を通じて、国の未来像を再構築するための野心的なプロジェクトを推進しています。
この大規模な移転と開発計画は、国の持続可能な発展を促進し、世界的な規模で新たな国際的な注目を集めるととなります。
明日以降も、インドネシアを知ることを書いていきたいと思います。
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