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インドネシアを知る㉓農村を変え未来を築く
インドネシアでは、近年、貧困率が減少傾向にありますが、依然として多くの人々が貧困線以下で生活しています。
特に農村部では貧困が深刻であり、基本的な生活インフラの整備が急務となっています。
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2023年時点の貧困率は9.36%ですが、農村部の貧困率はそれ以上に高く、農村部住民の生活環境の改善が求められています。
農村部における貧困の現状と課題について、具体的な理由と数値的な裏付けを基に考えてみます。
1.貧困の現状とその要因、改善
インドネシアの農村部では、低い農業生産性、自然災害、とりわけ農業への投資不足などが貧困の主な要因だと思います。
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これらの要因が重なり合い、農村部の住民は貧困から抜け出せない状況にあると思います。
①低い農業生産性
農村部の住民の多くは農業に従事していますが、農業生産性が低いため、十分な収入を得ることができません。
農業生産性の低さは、古い農業技術、適切な肥料や農薬の不足、とりわけ不適切な灌漑システムなどが原因です。
例えば、農業生産性の低さは、農業収入の低さに直結しており、農業従事者の年間平均収入は全国平均収入の半分以下となっています。
農業技術の普及と適切な灌漑システムの整備を進め、農業生産性を向上させる必要があります。
また、農業従事者への教育とトレーニングプログラムを強化し、最新の農業技術を導入することが重要です。
②自然災害の影響と災害対策の強化
インドネシアは自然災害が多発する国であり、地震、津波、火山噴火、洪水などが頻繁に発生します。
これらの災害は農村部に特に大きな被害をもたらし、農作物や家畜の損失、家屋の破壊、インフラの損傷などが発生します。
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例えば、2021年の洪水では、農村部の広範囲にわたって農地が被害を受け、農民の収入が大幅に減少しました。
自然災害に対する備えを強化し、迅速な対応体制を整えます。災害に強いインフラの整備や災害リスク管理を強化します。
③政府の農業への投資不足
インドネシア政府は農業セクターへの投資を増やす努力をしていますが、依然として投資不足が問題となっています。
特に、農村部のインフラ整備や農業技術の普及に対する投資が不十分です。農民は現代的な農業技術を利用できず、生産性が低いままとなっています。
政府の農業投資予算は、全体の国家予算のわずか3%程度であり、他のアジア諸国と比較しても低い水準にとどまっています。
政府の予算配分を見直し、農村部のインフラ整備に十分な予算を確保することが必要です。また、計画的な施策を策定し、効率的なインフラ整備を進めることが求められます。
2.基本的な生活インフラの不足
農村部の貧困を解消するためには、基本的な生活インフラの整備が不可欠です。しかし、現状では以下のようなインフラが十分に整備されていません。
農村部へのインフラ投資を増やし、道路、水道、電力などの基本的な生活インフラを整備することが重要です。これにより、住民の生活環境が改善され、貧困からの脱却が可能となります。
①道路・交通インフラの整備不足、改善
多くの農村部では道路が未舗装であり、雨季には通行不能になることが頻繁にあります。農産物の市場への輸送が困難になり、収入が減少します。
インドネシアの農村部における舗装道路の普及率は約40%にとどまっており、多くの地域で道路整備が急務となっています。
農村部へのインフラ投資を増やし、道路、水道、電力などの基本的な生活インフラを整備することが重要です。
生活インフラの投資と整備は国民の教育にとっても最も大切な基盤となるもので、住民の生活環境が改善され、貧困からの脱却が可能となります。
②水道・衛生施設の整備不足
農村部では清潔な飲み水や適切な衛生施設が不足しており、住民の健康に深刻な影響を及ぼしています。
下痢やデング熱などの水系感染症が頻発し、住民の健康状態が悪化しています。
例えば、2022年の調査によると、農村部の住民の約30%が安全な飲み水を利用できていない状況にあります。
③電力供給の不安定
農村部では電力供給が不安定であり、停電が頻繁に発生します。これにより、農業生産活動や生活全般に影響が出ています。
インドネシアの農村部における電力普及率は約70%であり、多くの地域で電力インフラの整備が求められています。
3.政府の取り組みと課題
インドネシア政府は、農村部の貧困問題を解決するためにさまざまなプログラムを実施していますが、依然として課題が残っています。
①住民エンパワーメント国家プログラム (PNPM)
PNPMは、農村部の住民が自らの地域開発に参加し、必要なインフラやサービスを提供するための資金を受け取るプログラムです。
しかし、2007年の当初から、資金の配分や使途に関する透明性が欠けており、実際には十分な効果を上げていないケースが多いことが本当は大問題なはずなのです。
住民が主体となって、農業基盤の整備に資金が向けられる地域開発プログラムだけに用途を限定して強化し、資金の使途に関する透明性を確保することが重要だと思います。
地域の実情に即した効果的な基盤の整備と開発が急務だと思います。
②都市部貧困撲滅プログラム
このプログラムは都市部の貧困削減を目的としていますが、農村部への影響が限定的であり、農村部の貧困問題には十分対応できていません。
③予算配分と計画的な施策の不足
農村部のインフラ整備には莫大な予算が必要ですが、政府の予算配分が十分ではありません。
また、計画的な施策が不足しており、インフラ整備が遅々として進まない状況が続いています。
2023年の国家予算における農村部のインフラ整備予算は全体の約10%に過ぎず、他の重要な分野と比べて低い水準にとどまっています。
4.インドネシアの農業投資予算の重大な課題
インドネシアの農業投資予算が国家予算の3%程度であることを他のアジア諸国と比較するために、具体的な数値を見てみましょう。
インドネシア、ベトナム、日本の農業投資予算の規模と比較について詳しく説明します。
○インドネシア
インドネシアの2023年の国家予算は約2,714兆ルピア(約1800億ドル)です。
このうち農業セクターへの投資は3%とされています。したがって、農業投資予算は以下のように計算できます。
農業投資予算=2,714×0.03=81.42兆ルピア(約54億ドル)
○ベトナムの農業投資予算
ベトナムの2023年の国家予算は約2,800兆ドン(約1200億ドル)です。
ベトナム政府は農業セクターへの投資を国家予算の約6%としています。
したがって、農業投資予算は以下のように計算できます。
農業投資予算=2,800×0.06=168兆ドン(約72億ドル)
○日本の農業投資予算
日本の2023年の国家予算は約107兆円(約8000億ドル)です。
日本政府は農業セクターへの投資を国家予算の約2%としています。
したがって、農業投資予算は以下のように計算できます。
農業投資予算=107×0.02=2.14兆円(約160億ドル)
○比較と考察
各国の農業投資予算を比較してみます。
インドネシア: 81.42兆ルピア(約54億ドル)
ベトナム: 168兆ドン(約72億ドル)
日本: 2.14兆円(約160億ドル)
○比較から見える現状
インドネシア
農業投資予算が国家予算の3%に過ぎないため、農業セクターへの投資が少なく、特に農村部のインフラ整備や農業技術の向上に十分な資金が投入されていません。
54億ドルという規模は、他のアジア諸国と比較しても低い水準です。
ベトナム
国家予算の6%が農業セクターに投資されており、インドネシアと比較して農業への投資が手厚いです。
72億ドルの投資規模は、インドネシアよりも多く、農業生産性向上やインフラ整備により積極的に取り組んでいます。社会主義によるスピード感も早さがあります。
日本
国家予算の2%が農業セクターに投資されているが、国家予算自体が非常に大きいため、160億ドルと大規模な投資が行われています。
この規模の投資により、高度な農業技術の導入や農業インフラの整備が進んでいます。
○農業投資予算のまとめ
インドネシアの農業投資予算は国家予算に対して3%と低い割合であり、他のアジア諸国と比較しても少ないです。
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ベトナムは農業への投資を国家予算の6%とし、インドネシアよりも多くの資金を農業セクターに投入しています。
日本は国家予算の2%を農業に投資していますが、国家予算が非常に大きいため、絶対額としては非常に多くの資金が農業に投資されています。
この比較から、インドネシアは農業セクターへの投資を増やす必要があることが明確です。
特に農村部のとりわけインフラ整備や農業技術の普及を進めるために、より多くの資金を投入することが求められます。
5.主要な作物と農業の課題
次にインドネシアの農村部の貧困問題を具体的に解決するためには、主要な作物や農業の種類に焦点を当て、具体的な施策を講じる必要があると思います。
インドネシアの農村部で特に重要な作物と農業の種類を取り上げ、それぞれに対する具体的な支援策を提案します。
○主要な作物と農業の種類
米(イネ)・パーム油・コーヒー・カカオ・
果物(マンゴー、バナナ、パイナップルなど)
○米(イネ)
インドネシアは米の主要生産国ですが、生産性の低さや収穫後の損失が課題となっています。
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特に、農村部の小規模農家は古い栽培技術や不十分な灌漑設備に依存しているため、収穫量が限られています。
〇具体的な改善を考える
①灌漑システムの整備
とりわけ近代的な灌漑システムを導入し、水の供給を安定させることで、収穫量を増加させる。膨大な予算と持続性がとても重要です。
②技術支援
農業技術の普及とトレーニングプログラムを通じて、農家に効率的な栽培方法を教える仕組みを壮大な計画として行う必要があります。
③収穫後の処理施設の整備
収穫後の米の品質を保つための乾燥・保存施設を提供し、損失を減少させることが急務です。このためにも政府の農業投資予算が必要になってきます。
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○パーム油
パーム油はインドネシアの主要輸出品目ですが、小規模農家は環境負荷の高い方法で栽培を行っていることが多く、持続可能性が課題となっています。
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①持続可能な農業技術の導入
環境に配慮した持続可能な栽培方法を普及させる必要があります。
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②認証制度の推進
RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)などの認証を取得するための支援を行い、国際市場での競争力を高めるのです。
③収益多様化の支援
パーム油以外の作物栽培や家畜飼育など、収益源を多様化するための支援を行う。
○コーヒー
インドネシアはアラビカコーヒーとロブスタコーヒーの生産地として知られていますが、小規模農家は収穫量の不安定さや品質管理の課題に直面しています。
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①品質管理の強化
コーヒー豆の収穫、乾燥、焙煎プロセスにおいて品質管理を徹底し、プレミアム市場へのアクセスを支援する。
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②協同組合の設立
ベトナムでのこの12年間での少数民族の貧困からの脱出手法で農業振興の成功事例でもあり、小規模農家が協力して市場にアクセスしやすくするための協同組合を設立し、共同で販売や輸出を行うことが事例として有効だと思います。
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③市場情報の提供
最新の市場動向や価格情報を農家に提供し、適切なタイミングでの販売を支援することが大事です。
○カカオ
インドネシアのカカオ生産は主にスモールホルダー(小規模農家)によって行われており、病害虫の被害や品質のばらつきが課題です。
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①病害虫管理
病害虫に対する管理技術を普及させ、収穫量と品質を向上させる。
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②品種改良
高収量・高品質なカカオ品種の普及を促進し、生産性を向上させる。
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③トレーサビリティの確立
生産から販売までのトレーサビリティを確立し、品質保証を行う、宣言することで、付加価値を高めていけるでしょう。
○果物(マンゴー、バナナ、パイナップルなど)
インドネシアの果物生産は豊富ですが、収穫後の処理や輸送インフラの不足が品質低下の原因となっています。
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①収穫後処理施設の整備
果物の収穫後の冷蔵・保管施設を整備し、品質を保持が必要だと思います。
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②輸送インフラの整備
これもとても大事なことになります。道路や輸送ネットワークを改善し、果物の迅速かつ効率的な輸送を可能にしていかなければならないです。
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③輸出支援
果物の輸出を促進するための貿易支援プログラムを実施し、国際市場での競争力を強化する。
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まとめ
インドネシアの農村部の貧困問題を解決するためには、主要な作物に対する具体的な支援策が必要だと思ます。
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米やパーム油、コーヒー、カカオ、果物などの主要作物に対する技術支援、インフラ整備、品質管理の強化が重要です。
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農村部の生産性が向上し、住民の収入が安定することで、貧困からの脱却が急務だと思います。
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政府や関係機関がこれらの具体的な施策を実施することで、長期的な農村部の貧困問題の解決をどれだけ重要視しているのかが問われると思います。
インドネシアの農村部における貧困問題は、低い農業生産性、自然災害の影響、農業への投資不足、基本的な生活インフラの不足などが主な要因となっています。
これらの課題を解決するためには、農業生産性の向上、災害対策の強化、インフラ投資の拡大、予算配分の見直し、住民参加型の開発プログラムの強化などが必要です。
政府や関係機関の取り組みを強化し、農村部の住民の生活環境を改善することで、貧困からの脱却を目指すことが求められます。
ジャワ島の農村地帯の広大な荒れた農地を目のあたりにした私は、長期的な国家の価値として、リーダーと国民全体が広大な農地と農村部の貧困に人たちを大切にできるのか?注目しています。
壮大なプロジェクトとなると思います。
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今月もとてもお世話なりました。
本当にありがとうございました。
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