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えらいこっちゃ 日記 - L'esperimento di Federico II.

何事にも疑問や興味、関心、知的探究心を持つのはよいことだ、と常々子供に教えてきました。

何故〜なのか、自分なりに考えて答えを出したり 辞書や図鑑、インターネット等で調べ 更に掘り下げていくことで思考力を高める。視野が広がる、世界が広がる。

そうして成長していく過程で嫌なものもたくさん目にし耳にするかもしれないけれど、素晴らしいものも同様にたくさん知ることが出来るでしょう。

Scientia est potentia 知識は力なり、人生において色んな場面で自分を助けてくれる筈だと私は信じています。いいも悪いも引っくるめて知るってことはオモロイオモロイ のです。



子供「急にフッと思ってんけどな、ある女の人が赤ちゃんを産むには産んだけど赤ちゃんが苦手やからあんまり子育てせえへんかったら… その赤ちゃんに言葉掛けせえんかったら、その赤ちゃんてどうなるんやろう? って。2、3才くらいになったとき、その子は喋れるんかな? 👧 」

神聖ローマ皇帝 フリードリヒ2世の疑問に近いやん 😬


私が8才の頃はもっとアホなことばっか考えとったな、そんなん よう思いつかんかったで と面食らいました。

私「13世紀頃にその疑問に似たようなこと考え実験した人が居ったで、神聖ローマ皇帝のフリードリヒ2世っちゅう 分かりやすく言うたら王様みたいな人やね。

皇帝と王様は異なるんやけども、ま それは一旦置いといて そのフリードリヒ2世はすんごいカシコな人やったみたい。歴史や哲学書を子供の頃から紐解き、6か国語を話すマルチリンガルで科学にも強い興味があったんやて。

しやから知的探究心 故に人体実験も結構行っとったんやて、それがさっきの質問に近いんやけど… 赤ちゃんが一言も話しかけられず言葉を教わらなかったら どんな言葉を発するんやろ?って。

実際50人の赤ちゃんが集められて、乳母さんに赤ちゃんにおっぱいあげたり おむつ替えたり お風呂入れたり の最低限のお世話だけするように、決して赤ちゃんに話しかけたり笑いかけたり目を合わせないようにって命じてんて。

流石に50人の赤ちゃん、一人ではよう面倒見やんから複数の乳母さんが居ったとしても実験のため大人同士の会話も厳禁にしたんちゃうかな?

さて、徹底的に言葉掛けやスキンシップを禁じられた50人の赤ちゃんはどうなったでしょうか? 👩 」

子供 「ええっ、分からへん。アーアー(喃語)くらいで、やっぱり言葉を喋られへんのかな? 👧 」

私「結果はもっと最悪で3才までに49名が死亡、残る1名も6才の頃亡くなったらしいで。可哀想に 👩 」

子供 「えーっ! 👧 」


私「フリードリヒ2世の求めていた答えではないけど、この残酷な結果から分かったことは…

赤ちゃんには愛情とスキンシップ、言葉掛けも必要不可欠ってこと。

子育てにも、やね 👩💕 」

子供「そうやね 👧 」




この恐ろしく惨たらしい人体実験の話はフリードリヒ2世を敵対視する僧侶サリンベーネの記した年代記に載っていたそう、800年も前の 当然フィルムに残されていた訳ではないので100%の事実なのかと保証する手立てはないけれどヒトは心理学でいう愛着(アタッチメント… 親子や夫婦、恋人 間における情緒的な絆)がないと生きることがやはり難しいのかもしれません。

ちなみに20世紀にもこの実験によく似た悍ましい実験が、ウィーン出身でナチスからの迫害から逃れるためニューヨークに亡命した精神分析家 ルネ・スピッツによって行われました。第二次世界大戦後、スイスで戦争孤児になった55名の乳幼児を最高の設備が整った施設で衣食住のお世話はするものの 養育者が一切スキンシップを行わないとどうなるのか、実験したそうです。

結果は言わずもがな で、約半数の27名の子供が2年以内に亡くなり 残りの子供のうち17名も成人を迎える前に亡くなり 唯一成人後も生き延びた11名には知的障害や情緒障害が多く見られたそうです。


ヒトは過去の過ちや誤りからも十分に学び知識や解釈を得ることが出来ると思うんだよなァ 🥺


私はアホなりに、Scientia est potentia 知識は力なり って言葉が大好きで 知りたがりです。でも以上の実験を踏まえると、 行き過ぎた知的探究心はこのように罪もない命を傷つけることになりかねないのだ と改めて身の引き締まる思いがしました。


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