なんてことない 日記 - world's end と ムーミンママ
今日は休みだったので、家でゴロゴロしながらアマプラで『ムーミン谷の彗星』を見ていました。
途中というか前半、ムーミンがおさびし山の天文台を目指す旅の初日にスナフキンと出会いみんなでコーヒーを飲むシーンが出てくるので「あたしもコーヒー飲みたい 👩 」「俺もー 👨 」「ウチはお紅茶 👧 」と一家揃ってすぐ影響受けつつ 静かに見ていました。
吹替声優さんが私が子供の頃、夢中で見ていた『楽しいムーミン一家』のまま(スノークのおじょうさんはかないみかさんじゃなさそう?)で懐かしく見ていたものの…
推しがいねえええええ!
大好きなリトル・ミイことちびのミイが居ないのです、ショック!
そもそもこの物語はムーミン谷に彗星が落ちるかもしれない、まずはそれを確かめにおさびし山の天文台に行き天文学者の先生に確認しよう という物語です。
途中ガーネットの谷に潜む化け物が襲ってくるわ、荒れ狂う川にあわや流されそうになるわ で岩肌を上りほうほうのていで天文台に辿り着きますが 先生の導き出した恐ろしい彗星の落下予測時間は刻々と差し迫っていて… という、ほんわかした あの『楽しいムーミン一家』とは異なる世界観なのです。
『ムーミン谷の彗星』が執筆されたのは第二次世界大戦後の間もない1946年、彗星のモチーフは原子爆弾なんだそうです。冒頭から美しいムーミン谷をうっすら包む灰と物語全体を鬱々とした終末の世界観はそのためで、エネルギッシュで生命力の塊のようなちびのミイが居ないのは初期作品であることを除いても 妥当というか 彼女なら最後までキーキー抗いそうだからこの悲しげな物語には似合わないような。
この物語を見ていて、頭の中でずっとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT の 「世界の終わり」が頭の中を過ぎっていました。「世界の終わり」の中の "君" は紅茶飲み干して静かに待つ、パンを焼きながらやってくる時を待ち焦がれているのです。
この歌を初めて聴いたとき すんげーな! "君" って思ったけど、今回「ムーミン谷の彗星」の映画内で 逃げ惑う人々をよそに御馳走を用意し ケーキを焼きながら悠然とムーミンの帰りを待っている どっしりと大らかなママを目にして あ!「世界の終わり」の "君" ってムーミンママや 彗星よりも落としたアンクレットが気掛かりで可愛いのにいざってときにやるスノークのおじょうさんみたいな人なんや!と
とくにママはケーキにスニフの名前を入れ忘れちゃう うっかりさんなとこもあるけれど、世界の終わりが差し迫っていても何処吹く風の "君" は 悪くもくるってもなくて こう泰然自若な人だっただけかも。
そんなママと、頼もしいパパに絶大なる信頼を寄せムーミンは度々「パパとママが何とかしてくれる。」と呟きます。同じ一児のパパである夫曰く「ムリやで 👨 」と思ったそうですが、そんな身も蓋もない 👩💦
パパとママをそこまで信頼し、 "安全地帯" として心の拠り所にしてくれるなんて親として最高じゃないですか!
私も自分の子供が辛くなったときは「父ちゃん、母ちゃん 👧 」って飛び込んできてほしい、如何せん器が小さいから日々アワアワしてていっぱいいっぱいだけど ムーミンママみたいにもっとどっしり構えないと。
「ムーミン谷の彗星」は 物悲しげな世界観の中に 反戦と平和への祈りを込められた ハラハラした冒険、淡い初恋と温かい家族愛、静かで穏やかなハッピーエンドを描いた物語でした。
ほら、途中でスナフキンも約束してくれています 🤗
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