#テレ東ドラマシナリオ

テレビ東京最後の日


タイトル 絶対阻止!最後の放送事故。

あらすじ

子供の頃からテレビが大好きで、テレビ東京に入ることを夢見て、念願のテレ東アナウンス部に見事合格した遠藤 忍(23)はある日アナウンス部長石野武(58)に呼ばれ、衝撃の事実を聞かされる。それはテレビ東京が、今年度を最後に閉局が決定されたというものだった。そして遠藤は放送が終了する最後の番組3月31日午後11時55分からの天気予報を伝えることを命じられる、新人の遠藤が選ばれた理由はその時期、他のアナウンサーや制作スタッフの大半がすでに次の職場への転職がきまっており、アナウンサーは遠藤一人となってしまう状況だった。

テレ東が好きだった、子供の頃、選挙の時も各局同じ選挙特番を流す中、大好きなアニメを変わらず流してくれたからだ、そんな強気で独自の路線を攻めるテレ東に大人になっても変わらずあこがれて続けてこの局に入った。しかしそんなテレ東がなくなってしまう、他の社員達が続々と次の職場を決めていく中、遠藤は一人転職活動はしなかった、そして最後の大役を涙しながら引き受けた。

しかし当日思いもよらないトラブルが遠藤を襲う!朝11時に出社する予定で家を出た遠藤の眼の前で胸を抑えて苦しむおばあちゃんが、遠藤は救急車を呼びおばあちゃんの要望もあって、病院に一緒につきそうことに、大事には至らなかったが大きく遅刻をしてしまった。

急いで会社に向かうと、ビルの屋上から飛び降りようとする男の姿が、同じ局員で遠藤をかわいがってくれた大先輩島田健二プロデューサー(54)だった、島田は転職活動がうまくいかず家族を抱えてこの先どう生きていけばいいかパニックになり、飛び降り自殺をしようとしていたのだ。必死に島田を説得する遠藤、島田と作った楽しくもありシュールなテレ東の番組の話を面白おかしく思い出しながら、もう一度いい番組を作ろうと島田に訴える。2時間ものこうちゃく状態が続いた後、間一髪のところで島田は遠藤に救出される。

島田を助け出し局へ向かう遠藤、すでに時計の針は午後3時を回っていた、するとテレ東に到着した瞬間、門の前で黒塗りの車に連れ込まれ遠藤は何者かに拉致されてしまうのだ、目隠しをされ監禁される遠藤、犯人たちの要求はアナウンサーである遠藤を誘拐し、テレビ東京の閉局を阻止しようというものだった。おのおのが大好きな番組を語りそれが終了してしまうことが許せないという、テレ東に電話をかけ自分たちの要求をのむよう交換条件を持ちかけるが、テレ東からは決まったことは覆らないとの返答が帰ってくるのみ、テレ東はなくなってほしくない、このまま犯人たちの要求に乗るのも悪くはないと考える遠藤だが、しかしやはり自分にはテレ東の最後を飾る大役が待っている。自分が行かねば最後の最後に放送事故を起こしてしまう。遠藤はその事情を犯人たちに素直に話し粘り強く説得する。犯人たちは遠藤のテレ東愛に負け、ついに誘拐は諦め解放することを決意する。

同じテレ東を愛する者同士通じあえた犯人と遠藤、犯人たちは車で遠藤をテレ東まで連れて行ってから自首するといい、テレ東へと向かう。到着した時には時計の針はすでに午後10時を超えていた。犯人たちに見送られながら走ってスタジオへと向かう遠藤、しかし、エントランスで大事件が発生していた!覆面をかぶった犯人が、遠藤と同期であり恋人でもある報道局の渡辺みさと(23)の喉元にナイフを当て人質にとりながら大声で叫んでいるのだ。内容はテレビ東京を閉局するならこの女を殺す!だった。必死に犯人を説得する遠藤、やはりのこの犯人も同じテレ東愛をもっているはずと犯人の大好きな番組の話をしたり、自分が大役をになっていること、そして人質の女性が自分の大切な人であることを伝えるが、遠藤の説得もむなしく、犯人はみさとの腹を刺してしまう。取り押さえられる犯人、みさとを抱き寄せる遠藤、みさとは自分に構わず最後の大役を務めるよう遠藤を促す、遠藤はみさとに結婚して一緒に生きてほしい、大役が終わったら改めてプロポーズをする、だから頑張ってくれと約束し、救急車を見送る。

時計の針は11時30分、血まみれで走りながらスタジオへと向かう遠藤、しかし終焉を迎えようとしているテレビ東京のエレベーターは止まっている、息を切らしながら階段をスタジオのある8階まで駆け上がる遠藤、ようやくスタジオにたどり着き扉を開くとそこには、残っていたテレビ東京の社員全員が拍手で遠藤を迎えている、よく見ると心臓を抑えて倒れていたおばあちゃん(実はテレ東の食堂のおばちゃん)、飛び降り自殺をしようとしていた島田、遠藤を拉致した犯人達(実は遠藤の知らないバラエティー番組のD達)、そして、みさとを人質にとっていた犯人、マスクを外すと遠藤と同期のAD山泉まさる(23)だった、そしてその隣でケロッとした顔でみさとが立っていた。

そこで唯一残っていたアナウンサー、アナウンス部長の石野がマイクを持ちながら発した言葉は「遠藤アナが今ついに到着しました!さあ、数々のトラブルに見舞われたテレビ東京最後の日、はたして遠藤アナは最後の天気予報を見事読むことができるのか?」後ろのパネルには、テレビ東京最後の日SPドッキリドキュメント 密着生中継!遠藤アナは天気予報を読むことができるのか!?と書かれている。石野アナは続ける、それでは12時間皆さんと一緒にみてきた遠藤アナの有志を振り返ってみましょう」という言葉と共にモニターに今日一日の遠藤の様子を編集したダイジェストが映し出される(監禁されていた場所はテレ東内の一室)。全身から力が抜けて膝から崩れ落ちる遠藤。そして「明日の天気まで10秒前」とディレクターのカウントダウンが始まる、みさとから「遠藤くん頑張って」と声がかかると共に、そこにいる全員から声がかかる、最後の力を振り絞り遠藤は原稿を手に取り明日の天気を涙を流しながら読み上げる、そして最後にこう付け加える、明日は一日中快晴!絶好の洗濯日和、そしてプロポーズに最も適した気持ちのいい一日になるでしょう!全員の拍手と共にモニターにカラーバーが流れる。

END


                   



  


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