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【MTGアリーナ】初心者もそろそろ赤単アグロ対策をしなければならない【オルゾフハンデス】
「水は低きに流れ、人は易きに流れる」とは言うが。
映画やアニメを倍速で視聴し、
ゲームで詰まればすぐに攻略サイトを見て、
食事は冷凍や完全栄養食に頼る……
等々の、いわゆる「タイムパフォーマンス(タイパ)」を突き詰めることが特に若者の間で定着しつつある。
特に映像作品の倍速視聴に関しては私含めたアラサー以上のオタクから大いに顰蹙を買っているわけだが、一方でこれに関しては分からなくもないと思う部分もある。
私は家にTVを所持していないが、たまに病院の待合室等で昼のバラエティやニュースを見るとあまりの情報密度の少なさに愕然とするときがあるからだ。
ネットで記事を読めば1分で理解できる内容がTVでは5分、10分かけて説明され、たまたま見たバラエティに至っては芸能人が切った肉の重さを当てるクイズ等をしていた。
もはや何か宗教的な儀式なのではと思うほど何が楽しいのか理解できない。
しかし、倍速視聴勢は映画やアニメにこれと同じような感想を抱いているのかもしれない。
「映像作品は芸術などではなくただの情報の塊なのに、何をそんなに鼻息荒く等速で観ているのか」と――
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「易さ」の究極系は「考えないこと」である。
映画・アニメ如きに作者の気持ちなど存在しない。
普段からそういう思考ならば、それはカードゲームにおいても対戦相手の思考など考慮しないという発想になるのも無理はない。
当然カードゲームはコミュニケーションツールであるという主張は無視し、風呂にも入らず対話など求めず常に最短効率で勝利を目指す。
そうなれば使うデッキは自ずと決まってこよう。
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![](https://assets.st-note.com/img/1727405854-bvi68m5GpXScACaYOZKqu2DV.png)
赤単アグロである。
1マナ域というこの世で最も貧弱であるはずのクリーチャーをメインに操り、強化効率の良いインスタントで一気にクロックを刻みながら最速2~4ターン程度で勝負を決める。
序盤の猛攻を凌がれれば息切れして勝ち筋を失うようなデッキだが、その際はアバターを爆発させてさっさと次の試合へ向かえばいいだけだ。
私のようなカードゲーム老人が抱く「対戦相手と戦略知略を交わした真剣勝負がしたい」という願いを踏みにじり、一試合あたりの時間での最高効率を突き詰めたこのデッキは、スタンダードBO1の花型だ。
行間を読みたくない若者のために申し添えると、カードゲームにおいて「戦略知略を交わした真剣勝負がしたい」というのは真っ赤な嘘である。
常に自分が圧倒しつつ、油断したら逆転されるかもしれないというスリルを少しだけ味わいながらも、完璧なプレイングによってその芽を摘み取っていく全能感を楽しみたいだけで、そこに対話を求めているわけではないのだ。
冒頭の言葉「人は易きに流れる」は元々「最近の若者はけしからん」という老害的ニュアンスを含むと思っているのだが、私はこれを悪いことだとは思わない。人はできるだけ安直で簡単な方を選ぶべきだ。
食洗機を使えば毎日のストレスは減るし、洗濯は乾燥機一体のドラム式がおすすめだし、デイリーをサクッと満たすなら赤単を使うべきなのだ。
しかし。
私自身が「対戦相手には思考が存在する」という主張をしている手前恐縮なのだが、どうも赤単プレイヤーからプレイングを考えている気配が感じられず、引いたカードを叩きつけているだけのように感じるのである。
実際使ってみればそんなことはないのだろうが、使用すること自体を「堕落」と思わせるような負の魅力が赤単にはある。
ゆえに、赤単に負けた際のストレスは想像を絶する。
しかし若者たちは老人の執念深さを甘く見ている。
MTGでもタイパを突き詰めんとする軟弱な者どもに、老人の長話を聞かせてやろうではないか。
対策案
まず私は対話を好むため、ゲームレンジが比較的長いゴルガリ(黒緑)ミッドレンジを常用している。
となれば真っ先にこれが候補に挙がる。
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軽量級クリーチャー専用の除去と言いながらその範囲の広さ、1マナ、インスタント、安さのどれを取っても高性能な一品。
私もメインから複数枚積んで運用していたが、どうにも最近切り崩しが使いにくいことに頭を悩ませていた。
というのもスタンダード環境には当然ながら様々なデッキが存在し、青白コントロール等をはじめ切り崩しがほとんど刺さらないデッキタイプも多い。
(得てしてそういうデッキと当たった時だけこのカードを複数枚引くものだ)
他プレイヤー様の記事を読むと、昨今は切り崩しライン(A/T合計6以上)を越えているクリーチャーを高く評価する向きもある。環境的には強いカードであることは間違いないのだが、当然意識される故に強く使えない場面も多いカードと言える。
では喉首狙いを始めとする2マナ除去はどうか。
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これはこれで汎用性の塊なので入れないという選択肢はないのだが、どうしても2マナゆえに後手が厳しいという弱点がある。
そしてこれらを両方積んでいても重ね引きできていないと普通に貫通され、あっという間にライフはゼロだ。
もっと構築単位で赤単に、いや赤単ユーザーにストレスをかけていかなければならない。
どうしたものかと思案していたとき……出会いはあった。
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最初にこのカードを見たとき、何が書いてあるかまるで理解できなかった。
追放除去に加え、エンチャントしたクリーチャーに絆魂+護法②という凄まじいボーナス、そしてささやかながらパワー+1修正という盛り盛りの効果だ。
これはほんとに2マナで撃っていいアンコモンのカードなのか?
特に深い考察をするまでもなくこのカードは相当強い。いわんや、赤単に対して絶大な効果を発揮する。
まず追放によって+1/+1カウンターの乗った<心火の英雄>や<騒音の害獣>を死亡時のバーンを飛ばされずに除去。
そしてしれっと付与される絆魂による回復がアグロの目指す早期決着を阻害する。
唯一の弱点はこのカードの発動に合わせてインスタントスピードでクリーチャーを除去されることだが、環境にいる赤単は防御に回すマナがないどころかそもそもダメージ呪文を採用していないことも多い。
極めつけに一度唱えてしまえば護法②を付与されたクリーチャーを破壊するのは赤単にとっては至難の業で、ましてこれ自体を破壊する手段も(それが得意な緑をタッチしていたとしても)無いに等しい。
そう、このカードさえあれば赤単との対話を完全に拒否することができるのだ。
…………あれ、私は好きなことはなんだったっけ?
確か蟻の手足を一本一本ちぎっていくことだったか……?
ともかく、この強力無比な新進気鋭の<幽霊による庇護>をベースに構築することがまず決定した。
となれば同エキスパンションには最良の相方がいる。
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1マナでありながら放置されれば異常なクロックを刻みだす<呑気な物漁り>を搭載。
そして現環境では速度が求められるため、デッキ全体を軽量に寄せながら対話拒否を加速するためにハンデスギミックも搭載。
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登場時自パーマネントバウンス。
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ハンデス+2点ロスト
<養育するピクシー>のセルフバウンスで使い回す。
ライフカットの手段を「飛行に物漁りで+1/+1カウンターを乗せてオーラで強化」+「<望み無き悪夢>や<山賊の才能>の2点ロスト連打」に頼ることでアグロ寄りミッドレンジぐらいのスピード感になり、コントロールに対しても有利が付くようになった。
こうして相手のアグロをいなしながらこちらのアグロを通す、【オルゾフオーラ】が完成した。
デッキレシピ
勝率はギリギリ50%超えるかぐらいでダイヤ3あたりをうろうろしているが、初心者が初めて組んだオリジナルデッキにしては上々といったところか。
完全に想定していなかったが新たな気付きもあった。
そろそろ始めて2ヶ月となるMTGのプレイ感としては「ちゃんと強いデッキを使ってミスをしなければ負けることはない」という感覚なのだが、やはりまだまだ私はプレイミスが多い。
ところが1:1交換の手段としてハンデスを採用することで、ミスをするかどうかの選択肢を相手に押し付けることができるというライフハックを発見した。
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<望み無き悪夢>は相手のプレミ待ちの状態になる。
なので「カードプールは覚えられないが現環境でもそこそこ勝ちたい!」という欲張りな方にはお勧めだ。