日産がKKRと資金調達協議、増資や融資の可能性も

はじめに

日産自動車が米投資ファンドKKRと資金調達に関する協議を開始したことが明らかになった。これは、業績不振を受け、ホンダとの共同持株会社設立計画が白紙撤回されたことを踏まえた動きだ。KKRを引受先とした増資の可能性を含め、さまざまな資金調達手段が模索されている。

日産とKKRの協議の背景

協議は初期段階にあり、具体的な資金調達の規模や方法は未定だ。関係者によれば、KKRは日産への出資だけでなく、融資の選択肢も検討しているものの、経済条件は厳しく、実現可能性は不透明だという。日産とKKRの広報担当はコメントを控えている。

ホンダとの統合計画の頓挫

昨年12月、日産とホンダは共同持株会社設立を検討すると発表したが、統合準備委員会での協議の中で両社の主張に大きな隔たりがあったため、2月13日に計画の打ち切りを発表した。日産はすでに次の協業相手を模索していたとされる。

また、日産を巡っては台湾の鴻海精密工業（フォックスコン）の劉揚偉会長が、日産株の36％を保有する仏ルノーからの株式買い取りに関心を示している。

日産の業績悪化と資金調達の必要性

日産は同日、2025年3月期の純損益が800億円の赤字になるとの見通しを発表した。これは、昨年7月に公表していた3000億円の黒字計画からの大幅な下方修正となる。昨年11月の決算発表時には純利益予想を非開示としていたが、業績悪化により赤字転落が明らかになった。

まとめ

日産の業績不振が続く中、KKRとの協議は資金調達の一環として重要な動きとなる。しかし、協議はまだ初期段階であり、実際に出資や融資が実現するかは不透明だ。今後の展開次第では、新たな協業相手の模索やさらなる資金調達策の検討が求められるだろう。