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空想旅行

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日常視点編集
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2020年8月の記事一覧

風景との対話

みなさん東山魁夷という日本画家はご存知でしょうか。 戦後を代表する日本画家の一人として知られていて、皇族の御所などの宮中画家としても知られています。風景を題材に日本国内やヨーロッパを中心に旅をしながら作品を描くということをしています。戦前ドイツに留学をしていたこともあり、渋い日本の画家というよりは西洋と東洋の中庸の感じや色合いなどを持ち合わせおり、個人的にはとても好みの画家の一人でもあります。 この東山魁夷、画家としてだけでなく、その絵画を描く際の心情などを記した著書がいく

ローカルタウンの可能性

8月22日(土)に世田谷区の羽根木というエリア(最寄駅でいうと京王井の頭線の新代田駅)で開催された「羽根木マルシェ」というマルシェに出店者として参加させていただいた。普段はこういった企画を仕掛ける側だったり、どこかの書店と組んでポップアップを開催したりしているので、実は5年ほどa quiet dayの活動してきた中でこういった外部のイベントに出店することは実は初めてだったりする。「ファッション」、「インテリア」、「花」、「コーヒー」など暮らしにまつわるあらゆるジャンルのお店が

優しい夏の風景へ

最近は22時ごろには就寝し、翌朝5時30分ごろに起きる生活に切り替えた。長い梅雨がようやく明けたら、打って変わって猛暑が続く毎日。朝のフレッシュな時間で作業を進めるのも良いもんだということで完全に朝型人間になったのだ。 朝の日課はベランダに出て深呼吸をするのだが、猛暑の日々ではあるものの、この時間帯はまだ気温もそこまで高くなくて近くの森から爽やかな緑の空気が流れてくる。 お盆のこの時期ということも相まって、そんな空気を感じていると、優しい夏の風景へと誘われる。 幼少期の頃、毎

「美」の行方

今から100年前スペイン風邪が世界的に蔓延し、その後、世界恐慌へと進んでいってしまった。そして新型コロナウイルスが広がる今日、世の中は100年周期で回っていると思わざるを得ない状況となっている。 世界恐慌と時を同じくして1926年に柳宗悦・河井寛次郎・浜田庄司らによって提唱された生活文化運動所謂「民藝運動」が起こり無名の職人の手から生み出された日常の生活道具「民藝(民衆的工芸)」にも、美術品に負けないくらいの「美」があるということを世の中に問うことで、美意識や物事の捉え方の