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MLB2020ドラフトを振り返る

 全体1位は大方の予想通りスペンサー・トーケルソンでした。比較される名前としてバリー・ボンズ、テシェイラ、ピート・アロンソが挙がるパワーモンスターです。一塁手が全体1位指名されたことは過去にエイドリアン・ゴンザレスしかなく、そのときのMIAの担当スカウトが現在DETのGMを務めるアル・アビラでした。面白い縁ですね。

 最近1巡目に指名された一塁手はSEAのエヴァン・ホワイト(2017年全体17位、守備がうまい)、WSHのアンドリュー・ボーン(2019年全体3位、出塁率が非常に高い)などがいますが、トーケルソンは守備でプラスが生み出せるタイプではありません。DETは3Bで育成すると発表していますが1Bが適切だと思います。ミゲル・カブレラに並ぶ選手になってほしいです。

 全体2位でヘストン・カースタッドは驚きました。去年日米野球に来てましたね。左のスタントンみたいになれれば理想かな。BALは投手も足りてないと思うのですが思い切った指名でした。

 マックス・マイヤーが全体3位もサプライズでした。もちろん上位候補として有名ではありましたが、まさか1人目の投手としてマイヤーの名前が読み上げられるとは。上背がないのでSPで200イニング投げる姿が想像しにくいのが不安材料です。スライダーの2ピッチでリリーフの方が適正があるのではないでしょうか。

 エイサ(アサ)・レイシーはいい投手ですね。大学生左腕ではナンバーワンだと思います。メジャーデビューまでにはちょっと時間がかかるタイプかもしれません。

 オースティン・マーティン、ヒッティングスキルは高いと思いますがなぜTORはSSとして指名したのか。現段階でSSを守れていないので適正ポジションはCFかなと思います。いい選手だと思いますが「全体1位候補! 2位で取らなかったBALはおかしい!」と騒がれるまでの選手だとは思っていません。

 きました! 半年前は文句なしの全体1位候補と言われていたエマーソン・ハンコックが評価を下げて6位までスリップしてきました。SEAにとっては美味しい指名ではないかと思います。そんなに悪くないと思うけどなあ。好きなタイプです。ただ8年後くらいにNPBにいそうな気もします。

 ニック・ゴンザレスは一応SSとしての指名ですが2Bが適任でしょう。背は低いがパワーのある2Bといえばアルトゥーベですが、どちらかといえばケストン・ヒウラタイプだと思います。

 今年はコロナで試合が止まったりスカウトが足を運べなくなったりしたこともあり、不確実性の高い高校生を避けて大学生を選ぶ流れが強まりました。全体7位まですべて大学生でしたが初めて指名された高校生がこのロバート・ハッセル3世です。高校生外野手なら次のザック・ビーンのほうが評価が高いと思っていたのですがハッセルが先に指名されました・

 私が高校生野手ナンバーワンだと思っているのはこのザック・ビーンです。5ツール候補。COLの高校生外野手ということでデビッド・ダール(2012年全体10位)みたいになってほしいですね。

 アサ・レイシーと双璧をなす大学生左腕のリード・デマーズは全体10位で指名されました。ちょっと変わったフォームからカーショウのような綺麗なカーブを投げ込む、好きなタイプの投手です。早い段階でメジャーに上がってくると思います。

 これは結構勇気ある指名ですね。実績はほとんどありませんが昨年秋から100マイル出るようになって急激に評価を上げました。ハイリスクハイリターンの博打指名ですが、プロスペクトの余裕のあるCWSならこの位置でもありかなという感じです。

 オースティン・ヘンドリックも有名な高校生外野手でした。空振りが多く変化球に弱いですがバッティングスキルは高く、出塁率と守備を磨けばAS級になれると思います。

 パトリック・ベイリーが指名されたのは二重の意味で驚きました。まず今年は捕手が不作でどうしても捕手が欲しいチームは彼を取るしかないのでもっと上位で指名されてもおかしくなかったこと。そして指名したのがSFだということです。だってジョーイ・バート(2018年全体2位)がいるんですよ? ポージーの後釜に座るのはバートとベイリー果たしてどちらでしょうか。

 攻撃型二塁手ですがニック・ソラックのように3BやOFに移るのではないかと思います。守備面の不安があるのでややオーバーピックかな。TEXは最近野手の一巡目がほとんど当たっていないのが心配です。

 やっと高校生投手が初めて指名されました。これほど今年は高校生が指名されづらいドラフトになってしまいました。フォーシームの速さと変化球の質をあわせ持ち高校生らしからぬ完成度を誇ります。

 そして高校生内野手も全体16位のエド・ハワードが初指名となりました。CHCは1巡目で野手を取って大成させることが多いので楽しみです。ただパワーはないです。

 ニック・ヨークはMLB公式サイトのドラフトプロスペクトランキングでは139位で、1巡目で指名されることを予想している人はほぼいなかったでしょう。私も知りませんでした。ただでさえ投手プロスペクトが枯渇しているBOSですが吉と出るか凶と出るか。

 ブライス・ジャービスもここ1年で球速を伸ばして急成長したタイプですが、実績が乏しいだけにどうなるか未知数です。父親は1998年に中日ドラゴンズでプレーしたケビン・ジャービス。

 広大な守備範囲を誇る高校生外野手。好きなタイプの選手です。悪くても第4の外野手としてメジャーに定着できるでしょう。

 きましたギャレット・ミッチェル。かつてはもっと評価が高かったのですが糖尿病の持病を抱えていることから評価が落ちて全体20位となりました。守備と走塁は今すぐにでも通用するレベルで、コンタクトとパワーも大化けする可能性を秘めています。かなり楽しみにしています。

 うーん……ジョーダン・ウォーカーですか。完成度の低いジョーイ・ギャロ(2012年全体39位)という気がします。2年前にも高校生三塁手のノーラン・ゴーマン(2018年全体19位)を取りましたがゴーマンのほうがいい選手だと思います。

 ケイド・キャバリも名の知れた投手です。フォームの再現性が高そうで球種も多く好みのタイプですが、意外とコントロールが良くないのとスペ体質なのが懸念点です。リリーフ転向すると球種の多さを活かせなくなるので難しいところ。

 カーソン・タッカーは正直オーバーピックだと思います。あまり傑出したツールを感じません。でも今年はそれくらい高校生遊撃手の素材がいませんでした。

 ニック・ビツコ、早期卒業で1年飛び級してドラフトにかかるということで知られていました。カーブが有名ですがチェンジアップもいい球だと思います。

 ジャレッド・シュースター、コントロールがめちゃくちゃ悪かったのですがATLはそこに伸びしろを感じて1巡目指名しました。前評判はそんなに高くないですがどこまで活躍できるでしょうか。

 タイラー・ソダーストロムがここで来ました。高校生捕手は彼くらいしか候補がいなかったのでもっと上でもおかしくないと思いましたが、守備で捕手に残れないと判断されたのでしょう。

 トーケルソン以来の一塁手が全体27位で指名されました。アーロン・サバトはいかにもDHというタイプで一巡目に指名するのがためらわれますが、MINはここ10年のトップ指名のうち8人が野手です。うまく育成するのではないでしょうか。

 NYYはオースティン・ウェルズですか。捕手は無理だ無理だと言われいたのに突っ込んできました。アンソニー・シーグラー(2018年全体23位)と同い年ですが果たしてどこのポジションで育てるでしょうか。

 1巡目最後はLADです。29チームしかないのはHOUがサイン盗みのペナルティで剥奪されたからです。ボビー・ミラーはフォームの再現性が不安ですがリリーフタイプのいい球を投げるのでセットアッパーとして早期昇格するでしょう。この順位まで残っている中ではいい投手を取れました。

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