研修休んで滝見学へ
朝早くからIkaw-AkoのスタッフのCさんにアテンドいただき、バス、ジプニー、バスと乗り継いで約2時かけて目的地に向かう。道路はサトウキビ畑の間をひたすら走る。民家もまばらで緑一色である。
山間部に入ると民家が見えた。都会のごみごみした街並みを走りぬけた後だったので、こんな田舎の村では、とてもごみ収集車が来てくれるところではないなと思った。
マングローブの植林ボアランティア経験は確かにやさしい心を育てるが、現実にはごみ収集車が来ないとか、ごみ処理施設がないとか、社会インフラのない現実を見ると、公共財である社会インフラ構築が先だと実感した。
後で倉田さんに「山間部の民家はごみの焼却処分をしたらいい。」と意見したら、ダイオキシンの問題があるのでごみ焼却は法的に禁止なのだそうだ。
ダイオキシンの出ない1000℃以上のミニチュア焼却炉を日本の技術で開発する海外支援プロジェクトができたら、いいと思う。環境啓発活動に加えて、資金、保守技術教育、法整備などが必要なので、技術特区のようなローカルな実験はできないだろうか?
今いろんな社会インフラの課題が次から次に浮かび上がり、なるほど環境問題は一筋縄ではいかないと実感した。
さて、そうこうしているうちに目的地に到着。
観光センターでの見学届などを済まし、いよいよ片道1時間の登山道を抜けて滝見学へ向かう。目標は深い谷の向こうだ。
途中の山道で渓流の水飲み場があり、里芋のように大きい葉っぱを濾紙のように巻いて
コップにして飲む! 野趣に富んでいてしかも冷たくて旨かった!
谷川の川べり近くになると棚田になった田んぼと畑が耕されている。
水牛ともすれ違い、その先では水牛がのんびりと座っていた。
まったくの農村だ。
いよいよ滝壺に到着!マイナスイオンの霧でいっぱいだ!
15分で全身びしょびしょになる。冷気とスプレーが常に吹いていてとても気持ちがいい。
Ikaw-AkoのCさんは山育ちなのでとても健脚だった。
私のわがままで、か弱い女性スタッフにけがをさせてはいけないと思ったが、それは全くの杞憂でした。
山奥の滝なので滝壺には店もなく、立ち入り禁止の札もない。日本だったら危険で絶対に立ち入り禁止になるところである。わがままついでに、滝壺に泳ぎに行った。
ヒロさんのおすすめメニューの一つでもある。
さすがにツアーガイドさんが滝に近づくなと心配したので滝壺の縁のあたりをプカプカと泳ぐ。写真ではまるで露天風呂のように写ってしまった。
野趣に富んだ迫力が半減してちょっともったいないことをした。
シュノーケルを忘れてきたのもまた惜しまれた。これまた残念!
いよいよ帰路につく。
バスがなかなか来ないので、ジプニーに乗った。
まさに地元民の生活の動脈だ。セメント袋は積み込むは、アイスクリームの行商はいるは、地元経済の生活感満載である。天井からセメント袋を下ろすときにはCさんの肩に袋がぶつかった。うっかりすると、危ない目に遭う。でも、これらのヒヤリ体験はいつものことのようで、乗客の誰一人としてびっくりはしなかった。
街の知人のところの祝宴の肴にするのであろうか?
積み荷として生きた若鶏がおとなしく座席下にたたずんでいた。
ちょっと残酷ではあるが、これこそフィリピンの田舎って感じでとても印象に残った。