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Panasonic DMC-LC33

一眼が重すぎる

11月だというのに日中の陽の光は
「まだ長袖は早いよ」と袖をまくらせようとしてくる
そのくせ日が沈むと「あ、お疲れっすー」と
今度は長袖一枚じゃ心許ないやや緊張感のある肌寒さを感じさせる
11というきりがいいのか悪いのか分からない数字そのままの微妙な気温の今日この頃
服装に悩み白目である

加えて、
カメラを持って散歩に出かける
日常生活の中で写真を撮る
そんな余裕が少しずつあるのだが、
いかんせんカメラが重いのも最近の悩みの一つであり、
お散歩カメラにxpro3などを使っていたものの
写真を撮る日を作らなければ
ろくに撮りもしなくなってくる不器用な性格から
よりコンパクトなカメラを永遠と探している私である。

カメラそのものが好きな身としては
フットワーク軽めのスマホに近しくありながらも
スマホはダメという謎のポリシーと
grのような高級コンパクトを買う程金は出したくないという
ケチ臭い根性の私が
オールドコンデジというワードに引っ掛かるまでに要した時間はそれほど長くはなかった

何やら一昨年くらいから、
海外も含めた若者の間で流行っているらしい
乗ってみようではないか!と
おっさんらしく流行から2年くらい経った今
手にしたものがこのlumix lc33である

古のスペック

まるで四畳半の部屋に申し訳程度に取り付けられた小窓のような背面ディスプレイがこのカメラの撮影データ情報の主な集約場所だが、
そこから臨む景色はやはりそれなりであり、
それゆえに可愛げがあり愛着が湧く

そして、肝心の電源は乾電池であり、
これは中古品しかない今
地味に便利なところであろう

2003年に発売のこのカメラは
当時の時代背景は正直あまり覚えていないが、
どうやら記録は2Gまでのようである
容量が2桁3桁が当たり前の昨今
化石のような2GのSDカード探しは非常に難儀した

そんなlc33だが、あのグッドデザイン賞にも選ばれたらしく、
2000年初期らしいやや丸みを帯びた部分と角ばった部分のバランスはガジェット好きにはたまらない
プラスチックな外装も下手に金属的なピカりがなく、当時はともかく今となってはこのマットな質感は逆に好きなところである

320万画素という低画素なカメラではあるが、
画像を取り込んで少しだけ編集してみると
どことなくフィルム感があり、
値上げで敷居の高くなったフィルムでの撮影の次に流行り始めたのに納得してしまう

ところがである

順風満帆なお散歩カメラ生活が送れるものと
そう思っていた矢先
この個体に欠陥があることが判明してしまう

システムエラーである

何度スイッチを入れ直し、
電池を抜き差ししても変化なし
この機嫌の悪さは放置してもなかなか良くならず
調べるとどうやらレンズの繰り出しに問題があるようである
電源を入れレンズをガチャガチャとこねくり回したり、
したたかに平手打ちをかましたりすると
ようやく重い腰を上げてくれる
なんと手間のかかる個体か

日に2.3度起きてしまうこのシステムエラーだが、
どこかファミコン時代のソフトに息を吹きかける所作に似ており、
撮りたいものがあるにも関わらず
必要な儀式として受け入れてしまっている自分がいる

たとい、撮りたいものがあっても
機嫌が治らなければ撮れない 撮らない
果たして、私はそこで撮らなくていいのか
否、撮れなければ話にならない
だが、撮れないのだから仕方ない 撮らない
そんな諦める勇気をくれたのがこのlc33である。

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