信じられないほどバカな女【4】
ドキドキとソワソワとが私の中で弾けそうだった。
繋いだ手から彼のドキドキが伝わり、彼のドキドキが余計に私をドキドキさせた。
もしかして好きになってきてる?
気になってきてる?
最初はタイプじゃないし、今日のデートが終わったら断ろうと思ってたのに次に会う日は何処に行こうかなど考え始めてきた。
彼も私も緊張は止まらないが話もスムーズにできるようになった。
楽しいと思い始めてる自分がいるのを感じ始めた。
少しだけ初めてのキスはこの人なのかもとか思ってる自分がいた。
何を考えてるんだかわからないぐらいこんがらがってきた。
植物園を出て地元へ向かった。
地元に着いてファミレスで食事をする事にしたが私は慣れていない人の前で食べる姿を見られるのが凄く恥ずかしくて苦手だった。
こんな人いるのかな?
私、おかしいのかな?
でも、どうしても食べる姿を見せたくなくて飲み物だけにした。
彼はピザを食べていたので「食べる?」と優しい声を掛けてくれたが「大丈夫」と断った。
次は何処に行くなど話しながら時間は過ぎ次の場所へ向かった。
ショピングモールへ行ったが彼は目的があるらしくあるお店へ向かって行った。
彼はある女性に向かって名前を呼んだ。
女性はビックリしていたが「お兄ちゃん」と彼を呼んだ。
妹だった。
彼は私を妹に紹介する為にお店に来たようだ。
私は「こんにちは」と挨拶をし妹は「彼女、彼女」と冷やかしはじめた。
彼はなんと言うのかと思っていたら。
「彼女だよ」と照れながら妹に答えた。
妹は私に「お兄ちゃんをよろしくお願いします」と言ってきた。
私はまだ彼女じゃないけどなと思いながらも笑って誤魔化した。
その後ドライブしながら地元を紹介しつつ実家を教えてもらった。
会社を経営しながら米、野菜、梨などの農家もしているせいか家や敷地は大きく、車も国産ではあるがいわゆる高級車が停まっていた。
会社も農家も家も長男だから跡取りらしく、田舎のせいもあるのか長男だから跡取り、長男だから会社や農家も継ぐ、長男だから次の跡取りを作るという風習がある所だった。
私はそんな風習が嫌いだ。
長男だからとか関係ないと思っている。
しかし、彼は父親の会社で働いているせいか将来社長になる事は決まったいた。
私の父親も会社を経営し社長で長男の弟が一緒に仕事をしている。
家族で同じ会社を経営するのは本当に難しい事を知っているせいか彼と付き合って、結婚でもしたら面倒くさい争いとかに巻き込まれるんだろうなとか一瞬で考えてしまった。
実家を見てからは彼との会話は半分ぐらいしか聞いてなかったような気がする。
さすがに3時間かかる私の家まで帰るのに遅くなってはいけないと思った彼は私の家の方に向かってくれた。
彼は妹に私を紹介してから安心したのか終始笑顔で話も次々と話題が出るようになった。