カンボジア留学で広がった視野と変わった価値観 〜日本企業が与える影響〜
現在大学生のTakuです。本日は、私が経験したカンボジア留学について書き記していきます。
私自身、カンボジアに行く前の心境として、日本との文化的な違いに対する期待と不安感がとても大きかったです。
その中で、私が感じた文化の壁や価値観の違い、そしてイオンと丸亀製麺がカンボジアに与えた良い影響について話していこうと思います。
「なぜはなまるうどんは撤退し、丸亀製麺は成功を収めたのか?」
その問いについても詳しく話していきますので、是非最後まで読んでみてください。
まだ読んでいない方は是非、以下の記事も読んでみてください。
↓資料作成に必要なため、もしよければご協力の程宜しくお願いいたします🙇
https://docs.google.com/forms/d/1qgAYQI1f5q2oZEmuIjecVv89oQb_FYC0NbTGu6aurRg/edit
1, カンボジアの文化や価値観
家族やコミュニティの大切さ
まず、カンボジアでは家族やコミュニティのつながりが非常に強く、その背景には仏教やヒンドゥー教の信仰が深く関わっていると感じました。
特に、カンボジアでは「シェアする文化」が根付いており、例えばナイトマーケットやショッピングモールを訪れた際にも、皆で食卓を囲み、時間を共有する姿が印象的でした。
これは、個人が一つのものを独り占めするよりも、皆で分け合うことに価値を置く文化的な背景があると考えられます。
飢餓が少ない理由
興味深いことに、カンボジアでは貧困層においても飢餓が他の発展途上国、特にフィリピンと比較して少ないと言われています。
カンボジアもフィリピンと同様に、主食は米ですが、両国間には顕著な違いがあります。
その一つが「お米の価格」です。
カンボジアではお米が非常に安価であり、それが貧困層にとって生活の安定を支える要因になっていると考えられます。一方、フィリピンでは米の価格が非常に高く、このことが経済的に困難な層にとって飢餓の一因となっています。
さらに、宗教的な背景も影響している可能性があると推測します。
フィリピンではキリスト教が主流である一方、カンボジアでは仏教やヒンドゥー教が主流です。
社会のシェアの仕方や資源の分配に何らかの影響を与えているのかもしれません。
価値観の違いが人々の生活様式や社会構造にどのように反映されているのか、非常に興味深いテーマです。
例えば、仏教の教えにある「他者との分かち合い」や「共存」の精神が、カンボジアのシェアする文化や飢餓の少なさに関連している可能性があります。
物価の価格はもちろん経済と密接に関係しているため、断言することはできません。
フランス植民地時代と中国資本の影響
カンボジアの首都プノンペンを訪れると、フランス植民地時代の影響が色濃く残る建造物が随所に見られました。
これらの建物は、まるで当時のフランスの街並みを再現しているかのようで、歴史の残響を感じさせます。
しかし、近年の都市開発により、こうした歴史的な建物に加え、中国資本によって建設された新しい建造物も増えてきています。
この点は、カンボジアが中国との長い歴史的な関係を背景に、多大な経済支援を受けていることを示していると考えました。
実際、カンボジアを歩いて感じたのは、中国語が目立つことでした。
商業施設や看板、広告において、中国語が広く使われているのを目にし、中国の影響力がどれほど強いかがよく分かります。
さらに、現地の学生たちの間でも中国語の学習が盛んです。かつては日本語を学ぶ学生も多かったのですが、現在では中国語を学ぶ学生が増加しているとのことです。
これは、経済的なつながりだけでなく、中国が今後のキャリアやビジネスにおいて重要な存在であると若い世代が認識しているからでしょう。
一方で、現在の中国経済は低迷しており、カンボジア国内でもその影響が見られます。
例えば、建設中だったビルが経済的な理由で中止され、未完成のまま放置されているものも多く見受けられます。
さらに、完成予定だったビルも、細部のクオリティが不十分で、まだ市場に出せるような状態ではないという話も耳にしました。
それにもかかわらず、10年前には更地だった場所に驚くべき速さでビルが建設されている背景には、中国資本の大規模な投資が関わっていることは明らかです。
しかし、その背後には中国資本だけではなく、カンボジアの都市開発に対する需要や地形の影響も複雑に絡んでいると考えられます。
このような背景を踏まえ、「カンボジアの都市開発は今後どう進んでいくのか」について、さらに深掘りする記事を次回に予定しています。ぜひフォローしてお待ちいただければと思います。
2, イオン
イオンモールが与えたカンボジアへの影響
カンボジアにおける日本企業の影響力を象徴する一つの例が、2014年6月にオープンした「イオンモール プノンペン」です。
これはカンボジア最大規模のショッピングセンターで、地域の人々から「Before AEON, After AEON(イオン前、イオン後)」と呼ばれるほどの支持を集めています。この表現は、イオンモールの登場が、カンボジアの小売業に与えた革命的な影響を如実に示しています。
私がカンボジアを訪れた際、イオンモールが開業する前に建てられた他のショッピングモールにも足を運びましたが、そこで感じたのは「照明が暗い」「施設内の動線が不明確」「どの層をターゲットにしているのかが不明」という課題でした。
イオンモールはこれらの課題をクリアし、現地の人々にとって新しいショッピング体験を提供しました。
特に、明るい照明や分かりやすい店舗配置、そして消費者層に合わせた明確なターゲティングが際立っていました。
これにより、イオンモールはカンボジアでの小売の基準を一新し、他のショッピングセンターにも良い影響を与えたのです。
イオンモールが成功した要因
イオンモールが成功した要因の一つは、ターゲット層を広く設定し、カンボジアの経済状況に配慮した価格設定を行った点です。
例えば、1階のフロアは比較的低価格帯の商品を揃え、低所得層でも利用しやすいように設計されています。
一方で、3階のフロアは富裕層向けの高級ブランドが並び、異なる所得層にも対応しています。
このようにフロアごとに異なる価格帯の商品を展開することで、幅広い層の顧客を引きつけ、ショッピングモール全体の活性化を図っていました。
また、カンボジアでは家族の時間を大切にする文化が根付いており、その背景には仏教的価値観やポル・ポト政権下での歴史的な苦難があります。
イオンモールもこの文化を尊重し、家族で楽しめる施設作りに注力しています。
例えば、子供向けの洋服店や学校用品の販売店、さらにはミニ遊園地のようなコーナーを設けることで、家族連れが一日を通して楽しめる場所を提供しています。
こうした工夫が、イオンモールをカンボジアの新しい生活スタイルの一部として根付かせる要因となっていました。
さらに、イオンモールが導入した日本の高品質なトイレ設備も、カンボジアの人々に好評です。
清潔で快適なトイレ環境は、日々の生活において重要な要素です。
特に、常に従業員が清掃を行っている姿を見ると、細部にまで行き届いたサービスが提供されていることが分かります。
これは、カンボジアにおいても日本の品質基準が受け入れられ、尊重されている証拠です。
カンボジア大統領
イオンモールのオープンセレモニーにはカンボジアの大統領も出席していたそうです。
通常、外資系企業のオープニングイベントに大統領が参加することは非常に珍しいことですが、これはイオンモールがカンボジアの発展に多大な貢献を果たしたことを象徴しています。
イオンモールは単なる商業施設ではなく、カンボジアの経済と社会の進展に不可欠な存在となっていると感じました。
3, 丸亀製麺に学ぶ、海外市場で成功するための鍵
市場背景
カンボジアでは近年、安定した経済成長を背景に、特に都市部で中間層が急速に拡大しています。
プノンペンやシェムリアップのような主要都市では、経済発展によって購買力が向上し、外食文化が広まりつつあります。
これに伴い、かつては贅沢品とされていた日本食を楽しみたいという消費者ニーズが高まっています。
日本食はそのニーズに応じ、健康的で高品質なイメージを持つ料理として、特に若年層や中間層の消費者から強く支持されています。
はなまるうどん撤退原因
「なぜはなまるうどんは撤退し、丸亀製麺は成功を収めたのか?」という問いは、海外進出における成功と失敗の違いを考える上で非常に興味深いテーマです。
はなまるうどんの撤退要因の一つとして、日本市場での成功基盤をそのまま海外市場に適用したことが挙げられます。
日本企業のチェーン店が海外市場で失敗する際に陥りがちな「チェーンストア理論」というものがあります。
これは、フランチャイズがメガチェーンとして拡大する過程で、全ての店舗で同じ商品・品質・サービス・価格を提供しようとするというものです。
国内市場においてこの手法はブランド力の安定を図る上で効果的ですが、海外進出時に同じ戦略を取ってしまうと、現地の消費者ニーズや市場背景に適応できず、結果的に失敗することが多いのです。
はなまるうどんもこの「変えてはいけないもの」と「変えなければならないもの」の区別が不十分であり、ローカル市場に合わせた柔軟な対応ができなかったために、撤退に至ったと考えられます。
丸亀製麺の成功要因
一方で、丸亀製麺の成功は「ローカライズの成功」によるものです。
私が実際にカンボジアの丸亀製麺に足を運んだ際、日本では見かけないような種類豊富な鍋料理が提供されているのを目にしました。
現地の消費者に話を聞いたところ、特に鍋料理が人気で、家族や友達とシェアしながら食べる光景がよく見られました。
また、会社員が昼食時に一人鍋を楽しむ姿も多く、一人鍋という文化も現地では浸透しているようです。
ここで一つ懸念されるのは、カンボジアは年中暑い気候であり、鍋料理が受け入れられるのかという点です。
しかし、丸亀製麺はその点にも対応し、店内の空調をしっかりと調整しています。
冷房がしっかり効いているため、暑い気候の中でも鍋料理を快適に楽しむことができ、気候による不快感を感じることはありませんでした。
さらに、丸亀製麺の成功の背後には、カンボジア人の文化や消費者の嗜好を尊重した戦略が見られます。
カンボジアのシェア文化や食事を楽しむ習慣を踏まえたメニュー開発や、現地の食文化に合わせたサービス提供が、成功の大きな要因です。
例えば、鍋料理のシェアスタイルや、一人でも楽しめる個別メニューを提供することで、現地の消費者ニーズに応えています。
4, まとめ
以上のことから、全ての市場に一律の基準を押し付けるのではなく、現地の消費者にとって何が価値あるものなのかを見極め、柔軟に対応することが、ブランドの成長には不可欠だと感じました。
日本企業が今後海外市場で成功を目指す際にも、「変えてはいけないもの」と「変えなければならないこと」のバランスを見極め、ローカライズの重要性を強く認識することが求められると考えます。
実体験をもとに、留学を通じて価値観がどのように変わり、視野が広がったかを発信していきます。
この記事が役立ったと思ったら、ぜひフォローやシェアをお願いします🙇
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?