お金のロードマップ86話 ユダヤの商法vol.5 辛抱よりも損切り
前回のまとめですが、
①英語は国際商人の基礎である
②暗算を得意としよう
③曖昧さを持ち込まないためにメモをしよう
④人生を豊かにするためにあらゆる分野に精通しよう
でしたね。
判断の速さ、正確さを養うことこそ商人が身につける能力で、判断が早ければ空いた時間で別のことを考えることができ、正確さのもとは曖昧さを無くすことです。成功者たるゆえんは何も特筆した能力ゆえではないですが、基礎がしっかりしているからこそだと考えさせられますね。
見切り千両
ユダヤ商人は商売相手の気持ちが変わるまで辛抱強く待つことはしますが、儲けがないと判断した場合はすぐに見切りをつけます。通常取引では年単位ですが、ユダヤ商人は判断が早く数ヶ月という速さで見切りをつけて手を引くことがあります。
見るのは3ヶ月目の実績です。1ヶ月目、2ヶ月目はどんどん資金を好調不調に関わらずどんどん積んでいきますが、3ヶ月目の実績で将来を踏まえて判断をして、気持ちの良いくらいスッパリと手を引きます。それまでに注ぎ込んだ努力と資金はある程度織り込み済みで自分が不要と判断したものを早く手を引けたとくよくよせず、むしろサバサバしているようです。
ここで大切なのはユダヤ商人は3ヶ月分の資金を予測しているため、それまでは上限いっぱいまで勝負して許容範囲だったのだから仕方ない、と切り替えます。これが日本人だと我慢は美徳と言わんばかりに辛抱強く目が出るまで我慢しますが、損切りを早めにすることも大切な能力であることは言うまでもありません。『石の上にも三年』とか『桃栗三年、柿八年』などとことわざもありますが、何も思考せず物事が勝手に好転するのを他責思考で待つのが日本人です。
儲ける会社ではなく売れる会社
先の話も関係してきますが、時間と労力をかけて作り上げた会社ですら、ユダヤ人はたやすく手放します。それは作り上げた会社で儲けたいからではなく、その会社の価値が高いうちに手放して儲けようというものです。
良い業績を残す会社を作ることを楽しみ、その会社を売りお金を儲けて楽しみ、また新たに会社を作る、というサイクルを繰り返します。
ユダヤ人にとっての会社は全身全霊を賭して守る愛の対象ではなく、利益を出して売ってお金を儲ける仕組みの中にある道具にすぎないということです。
契約
ユダヤ人は『契約の民』と言われています。
ユダヤ人はいったん契約したことは絶対に破る事はありません。そのため契約締結に至るまで一切の甘えや妥協を許しません。曖昧さを持ち込むことはありません。
なぜここまで契約に忠実なのかというとユダヤ人は『神と人間が存在することを契約している』と信じているからです。すなわち人間同士の契約も神との契約と同じく守るべきものであるということです。
ということは、ユダヤ人に債務不履行という言葉は存在せず、相手方の債務不履行には責任を追及して、損害賠償を要求します。
日本人がユダヤ人から信用されないのは契約を守らないからですね。
特に日本人の契約には契約項目の最後の方に必ずと言っていいほど、『その他、契約に定めのない事項は協議して決めること。』などというように逃げ道のようなものを作っています。これこそ曖昧さの象徴です。
契約に対する認識を改めていきましょう。
まとめ
ユダヤ人は
①辛抱強い反面、儲けがないと判断すればすぐに見切りをつける
②会社は利益を生み出すものである
③契約は神との契約と等しく絶対に守るものである