【技術士二次】バーチャルパワープラント(VPP)
VPPの意味
VPPとは、Virtual Power Plantの略であり
需要家のエネルギーリソース、電力系統に接続された発電設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者(リソースアグリゲータ等)が、そのエネルギーリソースを制御することでまとまった供給力あるいは需要を提供することである。
VPPの導入によるメリット3つ
1.再生可能エネルギーの導入拡大
太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、天候によって発電出力が変動する。電力需要と供給の同時同量を満たすためには、再生可能エネルギーの変動を吸収する必要がある。再生可能エネルギーの導入が進み、発電量が需要量を上回った場合、出力制限により発電量を抑えることで需給バランスを維持しているが、VPPにより需要を創出することができれば、出力抑制が不要もしくは抑えられ、発電した電力を有効に利用することが可能である。
2.発電コストの削減
VPPにより、ピーク時間帯の需要量を下げたり、軽負荷時間帯にその負荷を移すことで電力需要を平準化することが可能となる。
発電設備は、ピーク需要に対応できるように容量を確保し、維持・管理されている。したがって、ピーク需要を抑制することで燃料費の高い電源の稼働率を下げることができ発電コスト低減、経済的なエネルギー構成が実現できる。
3.調整力の確保による系統安定化
発電設備の脱落等により、供給力が足りなくなる場合に蓄電設備からの放電や設備の稼働抑制による需要抑制を行うことで需給のバランスを確保する。VPPで制御できる需給量が大きくなれば、事故が発生した場合でも調整可能な需給量が増えるため、より系統の安定度は向上する。