【技術士】地域マイクログリッド
地域マイクログリッドについてその概要と意義、課題を述べよ。
地域マイクログリッドの概要
平常時は地域の分散型電源を活用し、送配電ネットワークからの電力供給を受けつつ、非常時にはネットワークから切り離され、その地域の分散型電源により自立的に電力供給が可能なグリッド(地域電力網)のことをいう。
意義
安定供給の観点
送配電ネットワークで大規模な故障が発生し、系統からの供給が途絶える状況でも、地域内のネットワークが健全であれば、地域内負荷への電力供給を行うことが可能である。これにより、停電の長期化を避けることが可能であり、地域内の供給信頼度向上に資する。
経済性の観点
需要地内でエネルギーの地産地消することにより、送電ロスの低減ができ、発電したエネルギーを効率的に利用することができる。分散型電源の発電コストを下げることで電力会社から供給を受けるよりも低コストで電力を調達することが可能となる。
環境負荷軽減の観点
分散型電源として太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを導入することで環境負荷の低減が可能である。
課題
電力自営線の建設による高額な導入コストや工事の大規模化が課題となる。一般送配電事業者の既存設備を活用することで導入コストを下げることが可能であるが、一送の持つ設備に関する情報がないため、維持管理等に課題があり民間事業者が既存設備を活用することは難しい。
以上
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